インフレが進む時はどんなセクターや銘柄に注目すれば良いんですか?
昨年の8月以降、米国の長期金利(10年債利回り)は上昇トレンドにあります。
これは、景気の回復と物価の上昇-いわゆる『インフレ』を意識した動きです。
先週、アメリカの議会は1.9兆ドルという巨額の財政政策を可決しました。
この効果が波及すれば『景気の回復→インフレ』のトレンドはさらに加速するでしょう。
そう、これからアメリカの社会はー
ポイント
インフレの時代
を迎えようとしています。
来るべきインフレ時代に注目すべき米株のセクターや銘柄とは?
今回から3回のシリーズで、これらの点についてお話します。
今回のテーマ
インフレと金利が上昇する時代に注目すべき株式
記事を読んでわかること
わかること
- 今年に入り最も買われている株式
- インフレ時代に注目すべき株式
- インフレとエネルギー価格の関係について
この記事の対象となる人
こんな人におすすめ
- 米株の投資を考えている人
- 銘柄の選択で迷っている人
- 投資の経験がない / 浅い人
結論からいいます
- インフレの恩恵を受けやすい株式がある
- それらの株式はすでに上昇し始めている
- エネルギー関連の株式に注目
まずはセクター別のパフォーマンスを確認しよう
米株の投資に限らず何かを分析するときに重要なのは、”鳥の目→虫の目→魚の目”の順で分析することです。
鳥の目とは『全体像』を把握することです。空から地上を見渡す鳥のように。
虫の目とは『詳細』を把握することです。地面を這(は)う虫のように
魚の目とは『流れ』を把握することです。潮の流れをみる魚のように。
そこでまずは、多くの機関投資家が米株投資のベンチマークとしているS&P500の『セクター別パフォーマンス(年初来)』を "鳥の目" で見てみましょう。
セクターとは?
株式を分析する時に、企業の業種や個別の株式が持つ特性をベースにして分類したグループのこと
例えば、日本の東証では『33業種』のセクターに株式を分類しています。
セクターに分類し、それらをまとめて分析することで、現在の米株がどんな状況にあるのか?という全体像が簡単に理解できます。
”虫の目” で個別の銘柄をピックアップするのは、その次となります。
S&P500のセクター別パフォーマンス
例のごとくPythonで分析してみました。
すると以下の結果が。
・年初来のセクター別パフォーマンス
”Energy=エネルギー” の好パフォーマンスが目立ちますね。
次いで ”Communication Services=コミュニケーションサービス”、”Financials=銀行” そして ”Consumer Discretionary=”一般消費財” となっています。
数字だけでは分かりづらいので、『matplotlib』のビジュアルチャートで確認してみましょう。
matplotlibって何?という方は、以下のリンク先をご覧ください。
matplotlibとは?
・セクター別パフォーマンスチャート
ひと目で、”Energy=エネルギー” の好パフォーマンスがわかります。
注目すべきこと
上のパフォーマンスで注目すべきことはー
注目点
エネルギー、銀行そして一般消費財はインフレと深い関わりの深いセクター
だということです。
インフレ時代の注目銘柄
"エネルギー株"
インフレとエネルギー価格にはどのような関係があるのでしょうか?
簡単にまとめると、以下のような深いつながりがあります。
インフレとエネルギー価格の関係について
景気の底
米国をはじめ、各国の政府と中央銀行の経済対策が行われる
景気の回復
・経済対策により景気が回復する!との期待が市場で高まる
・実際に企業の業績が改善し景気も回復する
・景気の回復はモノやサービスの価格を押し上げる『インフレ』の圧力を高めるエネルギー需要の拡大
・景気が回復すると経済の活動が活性化する
・経済活動を支えるためには『大量の資源』が必要となる
上の関係について、ポイントは以下の三点となります。
ポイント
1:景気の回復とインフレがセットであること
2:景気の回復と資源需要の拡大がセットであること
3:1と2の関係からインフレと資源価格の上昇がセットであること
この動きを先取りしているからこそ、エネルギーのセクターが最も上昇しているというわけです。
そしてこの動きは、今年いっぱい続くとジェイは予想しています。
上の予想をベースに、ジェイは『Devon Energy Corporation(ティッカーコードDVN)』を24ドルで30株のポジションを保有しました。
米国の長期金利が上昇トレンドを維持していること、その金利上昇のリスクに対する米株(アメリカ株)の耐性が強まっていることを確認してから買ったので、高値圏での保有となりました。
しかし、インフレと資源価格の上昇を見越してDVNは今年の後半まで保有する方針です。
また、DVNの他にもあと2つほどエネルギー関連の米株(アメリカ株)をピックアップしています。
この点についてはこのシリーズの最終回でお話します。
他の注目セクターは?
今回は ”エネルギーセクター” を取り上げました。
しかし、もうひとつ注目すべきセクターがあります。
次回はこの点についてお話します。
ヒントは『金利の上昇で収益が上がるセクター』です。
まとめ
まとめ
- これから米国の社会はインフレの時代を迎える
- インフレの時代に合った株式のセクターがある
- そのひとつがエネルギー関連のセクターである
- インフレの上昇を見越して今年に入りエネルギーセクターは最も上昇している
注記事項
当サイトのコンテンツを参考に投資を行い、その後発生したいかなる結果についても、当サイト並びにブログ運営者は一切責任を負いません。すべての投資行動は『自己責任の原則』のもとで行ってください。
最後に
Pythonを学びたい方へ
今やPythonは、マーケットの分析に限らず、あらゆる分野で使われているプログラミング言語です。
事実、今回の記事でもPythonのプログラミングで最も使われる『matplotlib』を用いて、S&P500のセクターパフォーマンスを分析しました。
Pythonを学んでおけば株式の投資に役立つだけでなく、これからのキャリアを形成する上でも力強い武器となるでしょう。
『私もPythonを学んでみたい!』
という人は以下のリンク先をご覧ください。
プログラミングを学ぼう
なぜプログラミングを学ぶ必要があるのか?その理由がわかります。
そして、ジェイが四苦八苦しながら『これがPythonを効率的に学ぶ方法だ!』と自信をもっておすすめした学習方法について解説しています。
この記事と出会ったのも何かの縁です。
ぜひチャレンジしてみてください!