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またこの記事は、2020年11月25日の記事をアップデートした内容となります
クラウドストライク以外に注目しているグロース株はありますか?
『インフレ時代の米株投資シリーズ』の最終回で、”今年はバリュー株と同時に好業績が続くグロース株の投資も考えるべき”と主張しました。
そこで今回は、ジェイが注目しているグロース株についてお話したいと思います。
そのグロース株とは以下の銘柄です。
注目のグロース株
アバララ(AVLR)
アバララ(AVLR)は、2020年Q1からQ4 にかけて市場予想を上回る決算を発表し続けています。
また、アバララ(AVLR)の株価は、テクニカル的に面白い展開となっています。
よって、今回と次回では①基本的なテクニカル分析の方法を解説しながら、②どの水準(チャートポイント)で売買すべか?という実践的なお話をさせていただきます。
今回のテーマ
アバララ(AVLR)株を例にした基本的なチャート分析の方法と売買すべきチャートポイントの見つけ方
この記事の対象となる人
こんな人におすすめ
- 米株の投資を考えている人
- 銘柄の選択で迷っている人
- グロース株の投資に興味がある人
- テクニカル分析を学びたいと考えている人
記事を読んでわかること
わかること
- 米金利とグロース株の関係について
- 基本的なチャート分析の方法
- 買いの水準の見つけ方
結論からいいます
結論
- グロース株と米金利は ”シーソーの関係” にある
- 現在は米金利の上昇トレンドが一服している。このためグロース株にとって有利な状況にある
- アバララ(AVLR)の株価を例にチャート分析をすると、具体的な2つの買いポイントが見えてくる
グロース株と米長期金利の関係
前回の記事でも指摘したとおり、2021年に入ってから、株式市場も為替市場もアメリカの長期金利(以下では米金利と表記)をにらんだ展開となっています。
その米金利は1.7%台まで上昇した後、再び低下のトレンドへ転じています。
アメリカ長期金利(10年債利回り)チャート
このブログで何度も指摘してきましたが、米金利の上昇は、グロース株にとってはネガティブな要因です。
米金利とグロース株は ”シーソーの関係” にあるからです。
シーソーの関係
- 米金利の低下=グロース株の高いPERが正当化される
- 米金利の上昇=グロース株の高いPERが ”割高” とみなされる
米国債は、満期になると投資したお金が投資家の元に返ってきます。ゆえに米国債は ”安全資産” と見られています。
多くの投資家は、安全資産である米国債の利回りをグロース株の成長率に上乗せします。
金利の分が上乗せされるということは、米金利が上昇すればするほど、その分だけ "高い成長が求められる" ということです。
言いかえれば、"投資家が企業に要求する利回りのレベルが上がる" ということです。
これは、収益という実績が伴っていないグロース企業にとっては辛いことです。
投資家の要求に対して実績(収益)が伴っていないと、上で述べたとおり”割高感”が市場で意識されるからです。
割高感が投資家に意識されると、グロース株には売り圧力が高まります。
今年の2月下旬に多くのグロース株が下落した理由は、ここにありました。
アバララと米長期金利の関係
アバララ(AVLR)って?
今回とり上げるグロース株は、『アバララ(AVLR)』という企業です。
アバララ(AVLR)は、自社で開発したクラウドベースのソフトウェアプラットフォームを提供して、税金の問題に関する解決策(ソリューション)を提供する新興企業です。
アバララ(AVLR)はいわゆる”フィンテック企業”であり、成長と実績が伴った有望なグロース企業です。
ゆえに、このブログで何度も取り上げているグロース株です。
ビジネスの詳細については、このブログで『アバララ』と検索していただくか、以下の動画でご確認ください。
出所:Youtube
アバララと米長期金利の関係
アバララ(AVLR)と米金利の関係について見てみましょう。
米金利とアバララ(AVLR)の比較チャート
今年の2月に、米金利は1.7%台に向けて急上昇しました。
この動きを受けて、アバララ(AVLR)の株価には売りの圧力が高まっていることが分かります。
上で述べた ”シーソーの関係” が見事に表れていることがわかります。
しかし、4月に入ると米金利の上昇が一服しています。
それに連動して、アバララ(AVLR)の株価も底打ち感を強め、今は反発の基調にあることがわかります。
ここでも ”シーソーの関係” が見てとれます。
米金利とアバララ(AVLR)の相関チャートも見てみましょう。
米金利とアバララ(AVLR)の相関チャート
相関係数(Corr)はマイナス0.43となっています。
これは米金利が上昇(下落)すれば、アバララ(AVLR)の株価は下落(上昇)する『逆相関』の関係にあることを示しています。
相関チャートからも ”シーソーの関係” が確認できました。
アバララのテクニカル分析:週足
ここからは、今日のテーマ『 テクニカル分析』となります。
まずは、1週間単位でのトレンドを示す『週足』から見てみましょう。
アバララ(AVLR)の週足チャート
ジェイがテクニカル分析をするとき、必ず『週足』と『日足』を最初にチェックします。
そして週足で分析をする時は、必ず『52週移動平均線(MA)』をチェックします。
このMAは、”過去1年間のトレンドを示すライン” だからです。
52週MAのチェックポイント
- トレンドは上向きか?下向きか?
- 株価が52週MAより上にあるのか?下にあるのか?
上の2つを確認することで、株価のトレンドの強さを確認します。
上のチャートを見ると、52週MAは見事な上昇トレンドにあることがわかります。
そしてよく見ると、”二週連続で52週MAが株価をサポートしている” ことがわかります(赤い▲)。
テクニカル面では、アバララ(AVLR)の株価は上昇トレンドへ転じていることがわかります。
アバララのテクニカル分析:日足
次は1日ごとの単位で相場のトレンドを示す『日足』で確認してみましょう。
アバララ(AVLR)の日足チャート
ジェイは日足で株価を分析する時は、必ず『25日移動平均線(MA)』をチェックします。
このMAは、”1か月のトレンドを示すライン” だからです。
上の日足チャートを見ると、184ドルの水準で2度反落する『ダブルトップ』を形成した後、下落トレンドが加速しています。
しかし、4月に入ると一転して株価は反発基調となり、25日MAより上の水準にあることがわかります。
さらによく見ると、”4月に入り25日MAが相場をサポートしている” ことがわかります。
52週MAで分析した時と、まったく同じ状況であることがわかります。
トレンドチャネル
また、2月の下落局面まで時をさかのぼってトレンドを確認すると、”下落トレンドのトレンドチャネルから脱却している” ことがわかります。
株価の動きを並行する2つのラインで分析する分析手法を『トレンドチャネル』といいます。
アバララ(AVLR)の日足チャート
上のチャートのグレーゾーンが、トレンドチャネルです。
トレンドチャネルは、トレンドラインと並行して走る『チャネルライン』をチャート上に描画(びょうが)します。そうすることで株価が反発しそうなサポートライン、もしくは反落しそうなレジスタンスラインの動きが簡単にわかります。
今回は下落トレンドにあるためー
トレンドチャネル
- トレンドライン
=レジスタンスライン - チャネルライン
=サポートライン
と考えることができます。
※トレンドチャネルに他のラインを描画して、サポートラインやレジスタンスラインを見つける方法もあります。
以上、これまでの分析を総合的に考えるならば、テクニカル面ではー
アバララ(AVLR)の株価は短期的に上昇する可能性がある
ことを示しています。
どの水準で買いを入れるか?
問題はー
どの水準でアバララ(AVLR)の株を買うのか?
ということです。
結論からいいますと、ジェイならば以下2つの水準でアバララ(AVLR)株の買いを考えます。
買いの水準
- 25日MAの水準
- 164ドルを超えた時
ひとめの水準は、アバララ(AVLR)の株価をサポートしている『25日MA』です。
ふたつめの水準は、”164ドルを突破した後” です。
なぜ、あえて高い水準で買いを考えるのか?
その理由は-
2月の急落時に『164ドル』は、アバララ(AVLR)の株価を抑制したレジスタンスのポイント
だからです。
この点について、クローズアップした日足チャートで確認してみましょう。
アバララ(AVLR)の日足チャート
2月の下旬から3月の上旬にかけて、21日MAがレジスタンスラインとして意識され、株価の上値を抑制していることがわかります。
164ドルのレベルで再び反落するリスクがあることを考えるならば、164ドル以上で買いを入れるのは理にかなっているといえます。
164ドルを完全に突破する場合は、184ドルの水準を視野に上昇幅が拡大する可能性が出てきます。
オシレーター系のテクニカ指標
ジェイは移動平均線(MA)やトレンドチャネルのみで、上で述べた買いの水準をピックアップしたわけではありません。
『オシレーター系』のテクニカル指標も使って、上2つの水準を買いの候補としてピックアップしました。
そこで次回はー
オシレーター系指標とは?
- オシレーター系とは何か?
- オシレーター系はどんな使い方をするのか?
- オシレーター系のどんな点に注目すべきか?
これらのことついてお話しながら、アバララ(AVLR)の株価をもう少し詳しく分析してます。
まとめ
・グロース株と米金利は ”シーソーの関係” にある
・米金利の上昇が抑制されている現在はグロース株にとって有利
・テクニカル分析ではアバララ(AVLR)株は上昇する可能性あり
・ジェイが考える買いの水準は2つ
ジェイが考えるアバララ(AVLR)株 買いの水準
買いの水準
- 25日MAの水準
- 164ドルを超えた時
注記事項
当サイトのコンテンツを参考に投資を行い、その後発生したいかなる結果についても、当サイト並びにブログ運営者は一切責任を負いません。すべての投資行動は『自己責任の原則』のもとで行ってください。
最後に
Pythonを学びたい方へ
今やPythonは、マーケットの分析に限らず、あらゆる分野で使われているプログラミング言語です。
事実、今回の記事でもPythonの分析でよく使われる『pandas』、『matplotlib』、『seaborn』を用いて相関チャートを作成しました。
Pythonを学んでおけば株式の投資に役立つだけでなく、これからのキャリアを形成する上でも力強い武器となるでしょう。
『私もPythonを学んでみたい!』
という人は以下のリンク先をご覧ください。
プログラミングを学ぼう
なぜプログラミングを学ぶ必要があるのか?その理由がわかります。
そして『これがPythonを効率的に学ぶ方法だ!』と、ジェイが自信をもっておすすする効率的な学習方法もわかります。
この記事と出会ったのも何かの縁です。
ぜひチャレンジしてみてください!