Pythonコード集

【Python】米エネルギー株と原油価格の相関関係を分析してみよう 前編

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FRB
最近、米エネルギー株が徐々に上昇してきましたね。
原油価格の動きに連動しているからでしょうか?

・これから米国の経済は、コロナワクチンの普及によって回復していく
・バイデン米政権が掲げる『新型コロナウイルスからの独立』が今年の7月に達成可能となれば、今年の夏以降エネルギー需要が増す

これが、ジェイのエネルギー需要に対する考えです。

この考えをベースにして、ジェイは株価が割安なデボンエナジー(DVN)に投資をしています。

この点についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

インフレ時代の米株投資 その3

続きを見る

 

ジェイの予想どおり、原油価格が再び上昇トレンドへ転じています。

デボンエナジー(DVN)を含めた米エネルギー関連の株価も上昇トレンドにあります。

 

では、原油価格と米エネルギー株にはどの程度の連動性があるのでしょうか?

各銘柄によって、バラつきが見られるでしょうか?

今回から3回シリーズで、プログラミング言語のPythonを使い、原油価格と米エネルギー株の相関分析をしてみたいと思います。

最終回では、Pythonのコードを一気にまとめてご紹介します。

今回のテーマ

Python”を使って原油価格と米エネルギー株の相関関係を分析

 

この記事の対象となる人

こんな人におすすめ

  • 米国株の投資を考えている人
  • 米エネルギー株に投資をしたい人
  • Pythonに興味がある人

 

結論からいいます

結論

  • ”Python” を使えば、2つの市場の相関関係が簡単にわかる

 

Pythonで価格データを取得

まずは、Pythonを使って原油価格と米エネルギー株の価格データを取得します。

取得データの概要

データソース
 Yahoo! finance USA

・期間
 年初来~5月7日の終値まで

・原油価格
 NY原油先物(WTI)
(ティッカー:CL=F)

・米エネルギー株
-エクソンモービル
(ティッカー:XOM)

-シェブロン
(ティッカー:CVX)

-デボンエナジー
(ティッカー:DVX)

-オクシデンタル
(ティッカー:OXY)

価格データは ”Yahoo! finance USA” から取得します。

原油価格は、NYの原油先物-いわゆるWTI原油先物価格のデータを使います。

米エネルギー株は、多くの投資家から注目されているエクソンモービルシェブロン、そしてジェイが投資をしているデボンエナジー、競合のオクシデンタルの価格データを使うことにします。

なお、Pythonで作成するチャートでは、ティッカーコードで各銘柄の名前を表示します。

 

取得した価格データの確認

Pythonを使えば、データフレーム(エクセルのような形式)で簡単に価格データが取得できます。

日足ベース(2020年12月31日以降)

 

Pythonでチャートを作成

価格データだけでは、相場のトレンドがわかりません。

よって、可視化ライブラリのmatplotlibを使って、各データをラインチャートで描画(びょうが)してみます。

・NY原油先物(WTI)のチャート

日足(年初来)

今年の4月に底打ちして、中旬以降から上昇トレンドへ転じていることがわかります。

 

次に、米エネルギー株のトレンドをチャートで確認してみましょう。

・米エネルギー株のチャート

日足(年初来)

Pythonを使えば、このように複数のチャートを同時に表示することができます。

上のチャートを見ると、どの米エネルギー株も人間の笑顔のような『スマイルカーブ』を描いて、上昇トレンドへ転じていることがわかります。

『スマイルカーブ』は、理想的なチャートパターンだとジェイは考えています。

なぜなら、急落することも急騰することもないからこそ、緩やかなカーブが描けるからです。

この動きは、短期間でトレンドが上下に振れる ”投機的な動き” でないことを証明するひとつのシグナルです。

そしてスマイルカーブとなった背景にあるのが、NY原油先物(WTI)の緩やかな上昇(投機的ではない上昇)にあることは言うまでもありません。

 

Pythonで相関関係を分析

さて、ここからが本題です。

Pythonで取得した価格データをもとに、NY原油先物(WTI)と米エネルギー株の相関関係を分析してみてます。

Pythonで相関関係を分析

相関関係を分析する時に必ず計算するのが『相関係数』です。

相関係数とは

・2つのデータの線形な関係の強弱を測る指標
・マイナス1からプラス1の間で強弱を測る
・マイナス1に近いほど、2つのデータは逆の方向に動く関係にある
・プラス1に近いほど、2つのデータは同じ方向に動く関係にある

Pythonと可視化ライブラリseabornを使えば、以下のように具体的な数値(マイナス1~プラス1)で、各データの相関関係が確認できます。

・ヒートマップの相関チャート

WTIと米エネルギー株の相関チャート

ちなみに上のチャートはー

ヒートマップ

と呼ばれています。
相関関係を分析する際によく使われるチャートのひとつです。

 

今回は、すべてプラスの値となりました。

青の色が濃くなるほど、二つのデータが同じ方向に動く-いわゆる『順相関』の関係にあることを示します。

NY原油先物(WTI)とエクソンモービル(XOM)の相関関係が『0.62』と、一番高い値となっています。

つまり、エクソンモービル(XOM)の株価は、原油価格との連動性が高い銘柄であることがわかります。

 

一方、NY原油先物(WTI)とデボンエナジー(DVN)との相関関係が『0.54』と、一番低い値となっています。

つまり、デボンエナジー(DVN)の株価は、今回採用した他のエネルギー関連の株価と比べて原油価格との連動性が低い銘柄であることがわかります。

 

Pythonを使えば簡単に相関関係が確認できる

このようにPython、matplotlibそしてseabornを使えば、簡単に各マーケットの関係性が具体的な数値で確認できます。

もちろん、コードを組む時はある程度の時間が必要です。

しかし、一度コードを組んでしまえば、あとはそのコードを実行するだけで、簡単にチャートが作成できたり、相関係数のような統計的な数値があっという間に計算できます。

しかもほんの数秒で!

この記事をきっかけにPythonに興味を持たれた方は、以下の『Pythonを学びたい方へ』をご覧ください。

ジェイが自信を持っておすすめする『Pythonを効率的に学習する方法』をお教えします!

 

Pythonを学びたい方へ

今やPythonは、マーケットの分析に限らず、あらゆる分野で使われているプログラミング言語です。

事実、今回の記事でもPythonのプログラミングで最も使われるmatplotlib』と『seabornを用いて、価格チャートや相関チャートを作成しました。

Pythonを学んでおけば株式の投資に役立つだけでなく、これからのキャリアを形成する上でも力強い武器となるでしょう。

『私もPythonを学んでみたい!』

という人は以下のリンク先をご覧ください。

プログラミングを学ぼう

 

なぜプログラミングを学ぶ必要があるのか?その理由がわかります。

そして、ジェイが四苦八苦しながら『これがPythonを効率的に学ぶ方法だ!』と自信をもっておすすめする学習方法について解説しています。

この記事と出会ったのも何かの縁です。
ぜひチャレンジしてみてください!

 

まとめ

・可視化ライブラリ『matplotlib』を使えば、簡単に価格チャートが作成できる
・可視化ライブラリ『seaborn』を使えば、簡単に相関チャートが作成できる
・Pythonを使えば、簡単に各銘柄の相関関係が確認できる

次回は別のチャートを描画(びょうが)して、NY原油先物(WTI)と米エネルギー株の相関関係を詳しくチェックしたいと思います。

こうご期待!


注記事項

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