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【前編】急速に低下する米金利!米国グロース銘柄へのインパクトをPythonで分析してみよう!

目安:この記事は3分で読めます

 

アメリカの長期金利(以下では米金利)が急速に低下しています。

下のチャートをみると、レンジの下限として意識されてきた1.5%の水準を完全に割り込んでいます。

アメリカ長期金利のチャート

Source: TradingView 日足(2月以降)

米金利の低下はグロース株にとってポジティブな要因、だと一般的には考えられています。

後ほどチャートで確認しますが、米金利が低下し始めたタイミングで、グロース銘柄が多く上場しているナスダック指数(総合)は上昇しています。

しかし個別の銘柄を見ると、米金利の低下の影響はまちまちであることがわかります。

そこで今回から全3回シリーズで、米金利の低下が個別のグロース銘柄に与えているインパクトについて、Pythonを使って分析してみたいと思います。

今回の分析手法は『相関分析』です。

前編となる今回は、相関分析の結果だけを端的にお伝えします。

中編ではPythonコードの紹介、そして後編ではコードの詳しい解説をします。

 

前編のテーマ

Pythonで米金利の低下とグロース銘柄の関係を詳しくみてみよう!

 


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この記事の対象となる人

こんな人におすすめ

  • Pythonに興味がある人
  • Pythonを学びたいと思っている人
  • Pythonを使って株価の分析をしたい人

 

この記事でわかること

わかること

  • Pythonを使って相関分析をする方法

 

米長期金利とナスダックの動向をチェック

チャート

まずは、米金利とナスダック指数の動向をチャートでチェックしてみましょう。

チャートはPythonで作りました。

米長期金利とナスダックのチャート

日足(4月以降)

黒のラインがナスダック、緑のラインが米金利となります。

5月中旬以降の動きに注目してください。

米金利が低下へ転じたタイミングで、ナスダックが上昇していることがわかります。

上のチャートからは、米金利低下がグロース株のポジティブ要因であることがわかります。

 

米国株のグロース銘柄

では次に、米金利の低下と個別のグロース銘柄の関係についてみてみましょう。

グロース銘柄といっても、アメリカの株式市場には数多の銘柄が上場しています。

そこで今回は、以下の条件でピックアップしました。

条件

・ジェイが実際に投資をしている銘柄
・ジェイが実際に投資をしたことのある銘柄
・四半期の決算を順調にクリアしている銘柄
・過去にブログで何度もとり上げた銘柄

 

上の条件をもとにピックアップした銘柄が、以下の6つです。

銘柄

・クラウドストライク(CRWD)
・ジースケーラー(ZS)
・エヌシーノ(NCNO)
・ズームインフォ(ZI)
・ユニティ・ソフトウェア(U)
・アバララ(AVLR)

ちなみに、上の銘柄で現在もジェイが保有しているのは、エヌシーノ(NCNO)とズームインフォ(ZI)です。

 

相関分析について

今回は米金利の低下の影響が、それぞれのグロース銘柄にどのくらい影響を与えているのか?をみてみます。

分析の手法は『相関分析』です。

相関分析とは?

米金利の低下に対してグロース銘柄が上昇する場合、両者には『逆相関』の関係があると考えます。

一方、米金利の低下に対してグロース銘柄も低下する場合、両者には『順相関』の関係があると考えます。

相関分析とは

  • 逆相関:互いが逆の方向に動く関係にある
  • 順相関:互いが同じ方向に動く関係にある

 

相関係数とは?

そして相関関係の強さは『相関係数』という数値で確認します。

相関係数とは

  • -1から+1の間を取る
  • -1近いほど逆相関の関係が強いと考える
  • +1に近いほど順相関の関係が強いと考える

なお、相関係数がゼロ近辺の場合は『無相関』といいます。

これは、互いのデータには『直線的な関係がない』ということを意味します。

直線的な関係がない、ということを詳しく説明しようとすると記事が一つ書けてしまいます。

なので今回は、逆相関や順相関の関係は見て取れない、と考えてください。

 

Pythonで分析開始!

あらてめて冒頭の米金利チャートを見ると、5月13日以降、米金利は1.7%の水準で上昇が抑制され、その後に低下の圧力が高まっていることがわかります。

アメリカ長期金利のチャート

Source: TradingView 日足(2月以降)

なので、今回は5月13日以降からのデータで相関分析をしてみます。

 

価格データの相関

まずは、価格データの相関を見てみましょう。

相関分析の結果

米金利との相関を軸にソートして並び替えると、逆相関の関係が最も強いのがゲーム界のSaaS企業ユニティ・ソフトウェア(U)の『‐0.88』であることがわかります。

次いでネットセキュリティ企業のジースケーラー(ZS)の『-0.85』、クラウドストライク(CRWD)の『-0.79』となっています。

その他の銘柄もマイナス0.7台で、どれもマイナス1に近い数値です。

なので、一見すると今回ピックアップした銘柄すべて、米金利の低下の恩恵を受けているようにみえます。

しかし、これは正しい相関分析とは言えません。

なぜなら、単に価格の水準のみを比較すると、高すぎる結果となる傾向があるからです。

では、どうすればよいのか?

その答えは『騰落率』で分析することです。

 

上昇率/下落率の相関

騰落率とは、簡単に言えば前日と比べてどのくらい上昇したのか?もしくは下落したのか?をみる指標です。

”率” にすることで、ゼロ%を基準にお互いに日々どの程度動いているのか?がわかります。

簡単に言えば、基準と単位をそろえて分析すればより正確な相関係数をはじき出すことができる、というわけです。

 

さっそく結果をみてみましょう。

相関分析の結果

 

相関係数の値が全く違っていることがわかります。

トップは、フィンテック企業のアバララ(AVLR)で、相関係数は『‐0.32』です。

次いでユニティ・ソフトウェア(U)の『‐0.29』です。

しかし、0.5以下という数値(相関係数)を考えると、米金利の低下の影響を『若干受けやすい』銘柄、という域を出ていません。

このため、米金利以外の要因を探す必要があることを、今回の分析結果は示唆しています。

 

今回の分析について

今回の分析でわかることはー

・アバララ(AVLR)やユニティ・ソフトウェア(U)は比較的米金利の低下の恩恵を受けやすい株である

・しかし相関係数を見る限り逆相関の関係はまだ強くない

・このため他の要因にも注目する必要がある

ということです。

 

決算をクリアできるか?

 

グロース銘柄の取引は、米金利の動きだけを見ておけばそれでOK、というほど単純ではありません。

上でのべたように、他の要因も見る必要があります。

その中でも特に重要な要因が、以下のことです。

決算

 

米国株(アメリカ株)の決算では、以下4つのことがポイントになります。

米株決算のポイント

  • 売上高が市場予想を上回るか?
  • EPS(1株利益)が市場予想を上回るか?
  • 会社の通期売上高の予想が市場予想を上回るか?
  • 会社の通期EPSの予想が市場予想を上回るか?

7月以降、四半期決算のシーズンがまた始まります。

まずは、上で挙げた4つのポイントを確実にクリアできるかどうか?

米金利の動きと決算の内容次第で、今回ピックアップした銘柄の短期的なトレンドが決まるとジェイは考えています。

 

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まとめ

1:米金利はグロース株にとってポジティブな要因

2:米金利の影響度合いは個別のグロース銘柄によりまちまち

3:Pythonを使えば簡単に相関分析ができる


注記事項

ジェイの米国株投資ブログ(以下当サイト)に掲載されている記事は、投資の助言を目的としたものではありません。当サイトに掲載されたコンテンツの正確性については、可能な限り注意を払っています。しかし、意図せず誤情報が紛れ込む可能性や情報そのものが古くなっている可能性があり、その正確性を完全に保証するものではありません。
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