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アメリカの株式市場に参戦している機関投資家(プロの投資家集団)が、必ずチェックする株価指数がー
株価指数
S&P500指数
です。
S&P500指数とは
・米国の主要500社で構成する時価総額加重平均型の株価指数
・時価総額の大きさが指数の採用基準となっている
・S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出、公表している
・ニューヨーク証券取引所、NYSE American、NASDAQに上場している銘柄から選ばれる
・1941年から1943年の平均を10としている
この指数は、機関投資家のパフォーマンスを測定するベンチマークとなります。
ゆえに、彼らはS&P500指数の動きを常にチェックしているというわけです。
そこで今回は、4月の相場が本格的に始まることをふまえて、4月のS&P500 指数にはどのようなパフォーマンスのパターンがあるのか?この点について分析してみます。
もちろん、当ブログのメインテーマのひとつであるプログラミング言語の『Python』を使って。
今回のテーマ
Pythonで4月のS&P500指数のパフォーマンスパターンをチェック
ぜひ、最後までご覧ください!
この記事はこんな方におすすめ
こんな方におすすめ
- 米国株投資に興味がある人
- S&P500指数のトレンドを知りたい人
- Pythonで株価の分析がしたい人
- Pythonを学んでみたいけどためらっている人
この記事で何がわかるの?
わかること
- S&P500指数のパフォーマンスパターン(4月)
- PythonでYahoo!finance USからデータを取得する方法
- Pandasでデータを処理する方法
- Matplotlibでバーチャート(棒グラフ)を作成する方法
本題
さて、ここからが本題です。
まずは、今回の主役であるS&P500指数のトレンドを日足のチャートで確認してみましょう。
S&P500指数のチャートチェック
2022年に入り下落トレンドが続いていたS&P500指数ですが、3月14日にトレンドが転換していることがわかります。
4月のポイントは、3つあります。
3つのポイント
- 4,600ポイントを完全に突破できるか
- 4,600ポイントを突破した後、この水準がサポートとなるか
- 下落する場合は200日線がサポートラインとなるか
今のS&P500指数で注目すべきことはー
今回のテーマ
4,600ポイントの攻防
です。
今年に入りこのポイントは、株価を下支えする『サポートポイント』としても、株価の上昇をおさえる『レジスタンスポイント』としても意識されるパターンが見られます。
この状況は、多くの投資家がこの水準を意識している、というわけです。
一方、200日の移動平均線(200日線)は、テクニカル分析の面で重要な指標です。
なぜなら、この移動平均線も多くの投資家が注目するからです。
実際に、今年に入ってからのS&P500指数は、このラインで反発したり反転したりするパターンが見られます。
これらの動きも、多くの投資家が200日線を意識していることを示唆しています。
毎年4月のS&P500指数はどんなパフォーマンスなのか?
明日から、4月相場が本格的に始まります。
S&P500指数は今月、4,600ポイントの水準を突破して反発トレンドを維持するのか?
それとも、200日線を下に抜けてしまうのか?
この点について、毎年4月のS&P500指数のパフォーマンスパターンをプログラミング言語『Python』を使って分析してみましょう。
分析の概要
- 分析の対象:S&P500指数
- データの期間:1985年以降
- やりたいこと:毎年4月のパフォーマンスパターンを知ること
Pythonコード:データの取得
では、Pythonのコードを書いていきます。
今回は2つに分けて解説します。
コードの解説
- 解説1:データの取得&処理
- 解説2:データの可視化
まずは、データを取得し処理するコードからです。
なお、コード画面は左右にスクロール(スワイプ)できます。
・ライブラリのインポート
import pandas as pd import yfinance as yf import matplotlib.pyplot as plt import datetime as dt
いつも通り、必要なライブラリからインポートします。
・S&P500指数のデータを取得
df = yf.download(tickers='^GSPC', start='1923-01-01', end=dt.datetime.now(), interval='1mo')
S&P500指数の元となる指標は、1923年にスタートしています。なので、引数の『start』を1923年に設定しました。
Yahoo!finance USが提供しているデータは、1985年以降からとなります。
・データのチェック
df.head() df.tail()
ちゃんとデータが取得できていることを確認するために、最低でも最初の5つ(head)と、最後の5つ(tail)をチェックしておきましょう。
・パフォーマンスの計算
df_performance = df.pct_change(1)*100 df_performance
『pct_change(1)』で、ひとつ前のデータとのパフォーマンスが簡単に計算できます。
・インデックスを一度リセット
df_performance.reset_index(inplace=True)
今後、データの処理を進めていく上で、一度インデックスをなくします。
具体的には、インデックスとして取得されていた『Date』をカラムにします。
・新たなカラム『Month』を作成
df_performance['Month'] = df_performance['Date'].dt.month df_performance
ここで新しいカラム『Month』を作ります。
なぜか?
毎年4月のみのデータをピックアップするためです。
・『4月』のみをピックアップ
df_apr = df_performance[df_performance['Month'] == 4] df_apr
ここで4月のみのデータをピックアップします。
[df_performance['Month'] == 4]が、Monthが4月となっているデータのみをピックアップして!というコードになります。
ここまでのコードを実行すると、以下のデータフレームが表示されます。
実行結果
一番左のカラム『Date』と、一番右のカラム『Month』を確認すると、ちゃんと毎年4月のデータのみがピックアップされていることがわかります。
・Dateと終値(Adj Close)のカラムのみをピックアップ
df_apr_performance = df_apr[['Date', 'Adj Close']] #カラム名の変更 df_apr_performance.columns = ('Date', 'SPX') df_apr_performance
ここで、必要なカラム名(データ)だけに絞りましょう。
その後、Adj Closeを分かりやすいカラム名に変更しましょう。
今回は、S&P500指数を示す『SPX』にしました。
・あらためて『Date』をインデックスにする
df_apr_performance.set_index('Date', inplace=True)
ここで、あらためて『Date』を再びインデックスにします。
『set_index』とし、引数にDateを設定すればOK。
『inplace=True』とすると、最新の情報が自動的に上書きされます。
・データフレームの確認
df_apr_performance.head() df_apr_performance.tail()
最終的に使うデータが作成できました。
念のため、head( )とtail( )で確認すると、以下の実行結果が表示されます。
実行結果
どんなに時間がなくても、最低限、最初の5つと最後の5つのデータを確認するクセをつけてください。
今回は、ちゃんとデータフレームが作成できていることが確認できました。
Pythonコード:データの可視化
ここから、データを可視化するPythonコードの解説となります。
今回のチャートは、パフォーマンス分析でよく用いられる『バーチャート(棒グラフ)』です。
・データの可視化
df_apr_performance.plot(kind = 'bar', figsize = (15,10)) plt.xticks(rotation = 25);
S&P500指数 1985年以降のパフォーマンスチャート(4月)
しかし、時間軸(x軸)が重なり合って見にくいです。
なので、次はこの点を改善してみます。
・データの可視化:x軸の編集
#時間軸の表記を変更する df_apr_performance.index = df_apr_performance.index.strftime('%Y-%m') #あらためてチャートを可視化 df_apr_performance.plot(kind = 'bar', figsize = (15,10)) plt.xticks(rotation = 50);
ポイントは1行目のー
ポイント
strftimeの使い方
です。
これを使うことで、時間軸の表記が自在に編集できます。
引数の『%Y-%m』は、年(Y)と月(m)のみを表記して!という意味です。
それをハイフン(-)でつなげているだけです。
『%』は、アルファベットの前に付けるのがルールです。
コードを実行してみましょう。
S&P500指数 1985年以降のパフォーマンスチャート(4月)
あらためてチャートのx軸を描画すると、前よりも見やすくなったことがわかりますね。
分析コメント
1985年からのパフォーマンスを確認すると、4月のS&P500指数は上昇する傾向が見て取れます。
2008年のリーマンショック以降のパフォーマンスを確認すると、2012年以外はすべて上昇しています。
2012年前半は、ギリシャの債務問題に端を発した『欧州リスク』が意識されているタイミングでした。
偶然ですが、2022年もロシアーウクライナ紛争による『欧州リスク』が意識されています。
しかし、今年4月のS&P500指数は調整の反落を挟みながらも、4,600ポイントを挟んで底堅く推移すると、現時点でジェイは予想しています。
その理由はー
理由
・欧州リスクをこなしながら反発基調を維持する強さがあること
・米利上げペースの加速が意識されても大型グロース株に強さが見られること
・3月の米雇用統計が良好な内容となったこと
・VXV vs VIX レシオが『1.3』の水準に到達していないこと
なお、一番最後の理由(VXV / VIXレシオ)については、以下の記事をご参照ください。
-
【S&P500】ボラティリティ指数が示す次に相場が下落するタイミングとは
続きを見る
おまけ
最後におまけのPythonコードです。
上のバーチャート(棒グラフ)を色分けして、さらに見やすくしてみます。
色分け
・プラスの年:緑色
・マイナスの年:赤色
Pythonコード:チャートの色分け
・まずは色分けする条件を設定
color = [('green' if x >= 0 else 'red') for x in df_apr_performance.SPX]
色分けの方法はいくつかありますが、一番簡単なのは『if文』を使うことです。
if文の意味 前半
・('green' if x >= 0 else 'red')
xの値が0以上なら緑、それ以外は赤にして
if文の意味 後半
・for x in df_apr_performance.SPX
読み込むデータはSPXのパフォーマンス
これをひとつひとつxに入れて読みんで
上のように、リスト形式([ ]形式)を用いてif文をひとつのコードでまとめる方法をー
方法
内包表記
といいます。
・色分けされたチャートを描画
#チャートの描画 fig, ax = plt.subplots(figsize = (15,10)) ax.bar(x = df_apr_performance.index, height = df_apr_performance.SPX, color = color) #1985年以降の4月パフォーマンスの平均を描画 plt.axhline(y = df_apr_performance.SPX.mean(), color = 'black', ls = '--') plt.xticks(rotation = 75);
最後に、色分けされたチャートを描画してみましょう。
最初のコード『fig, ax = plt.subplots( )』は、チャートの外枠を設定するお決まりのコードです。
『ax.bar』とすることで、バーチャート(棒グラフ)が簡単に描画できます。
ax.barの引数
- x:x軸のデータを設定
- height:グラフ化したいデータを設定
さらに、引数の『color』に、先ほどif文で設定した色分けコード(変数color)を設定すれば、『プラスは緑 / マイナスは赤』のバーチャート(棒グラフ)が描画できます。
また今回は、1985年以降の平均パフォーマンスも同時に描画してみました(黒の点線)。
実行結果
プラスの年とマイナスの年を色分けすることで、より簡単にパフォーマンスのトレンドパターンを確認することができますね。
このようにPythonを使えば、基本的なコードを書くだけでも、色々な分析ができます。
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今回のまとめ
まとめ
・4月のS&P500指数は4,600ポイントの攻防が焦点に
・Pythonなら過去の4月のパフォーマンスを簡単にチェックできる
・1985年以降、4月のS&P500指数はプラス圏で終えるパターンが見られる
・今年4月のS&P500指数は、主に4つの理由から4,600ポイント前後で底堅く推移する可能性あり
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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