いやぁ、最近の為替は珍しく動いていますね。
みなさんがまず注目するのがドル円だと思います。
そのドル円は、4月以降続いてきた106円~108円のレンジを下抜けています。
一方、ドル円の次に注目されるユーロドルは、1.1500の水準を突破した後は調整らしい調整も見られず、一気に1.17台まで急上昇しています。
ドル円の下落にユーロドルの上昇...これらに共通するのは...
米ドル安の圧力が高まっている
ことです。
今日の記事は、この米ドル安にフォーカスした内容です。
【為替】すごい勢いで加速する米ドル安 / 今後の展望は?
今日のポイント
FEDの政策が転換しない限り米ドル安トレンドは続く
すごい勢いで加速する米ドル安
![](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/dollar-2891817_1920-600x450.jpg)
米ドル安が進んでいるのでしょう?
それは、米国の中央銀行にあたるパウエルFRB(以下ではFEDと表記)が、前代未聞の禁輸緩和政策を実行中だからです。
つまることろこの金融緩和政策とは...
ジャブジャブに米ドルを市場に流し込む政策
です。
米ドルの供給量が急速に増加するとどうなるでしょう?
金を比べて考えると分かりやすいと思います。
金は世界中にオリンピックプール3~4杯分の量しかありません。
量が限られているということは今後も増えることはない、ということです。
増えることがないということは金の価値が保たれる、ということです。
一方、米ドルはFEDのジャブジャブ政策によって、市場に流れている量が爆発的に増えています。
量が増えるということは誰もが手に入れることができる、ということです。
誰もが手に入れることができるモノの価値は下落します。
そう、今の米ドル安は
米国自身が原因
で発生しているのです。
じゃぁ米ドル安はいつまで続くの?
ジェイはマーケットを分析する仕事をしています。
なので仕事柄、色々な質問を受けます。
最近では、米ドル安のトレンドはいつまで続くの?という質問を受けることがあります。
この質問が出るということは、米ドル安の原因が何か?を分かっていないからです。
しかし、このブログや今日の記事を読んでいればこんな質問はしないでしょう。
今の米ドル安がFEDの政策によって引き起こされている以上...
FEDが政策を転換しない限り今の米ドル安は続く
と、簡単に答えがわかるからです。
このまま米ドル売り一辺倒というわけじゃない
![](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/tree-338211_1280-600x375.jpg)
マーケットは「木」に例えると分かりやすい
株式や為替に限らず、マーケットは一方向にふれ続けることはありません。
上昇トレンドだろうが下落トレンドだろうが、必ず反落と反発の動きがみられます。
今回の米ドル安トレンドも同じです。
この点は「木」を想像すると分かりやすいと思います。
「幹」と「枝葉」で「木」となります。
これを現在の為替の市場に当てはめると..
「幹」=米ドル安トレンド
「枝葉」=米ドルの買い戻し
となります。
株高トレンドの調整=米ドル買い
では、今の為替の市場で「枝葉」となる米ドル買いの材料とはなんでしょう?
それは...
米株の反落
です。
なぜ米株の反落が米ドルを買う材料なのでしょうか?
米株が反落するということは...
投資家の強気心理がしぼむ時です。
この時の投資家は...
先行きに対する不安感を強く抱きます。
そのような心理状態におちいると、投資家は何を欲しがるのか?
それは、世界中の誰もがいつでもどこでも色々なモノと交換できる資産を持つことです。
現在のところその資産は...
米ドル
以外に存在しません。
この傾向は2017年にトランプ米政権が発足して、米中の貿易摩擦が始まった時から見られるトレンドです。
今年の3月にコロナショックが発生してからは、そのトレンドがさらに加速しています。
コロナショック第2波への警戒心が根強く残る今の状況を考えるならば...
米株高の反落は米ドル買い材料
として覚えておきましょう。
ドル円はどこまで下落するのか?
![](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/chart-840332_1920-600x450.jpg)
さて気になるドル円の予想です。
このブログは米株の投資について多くの記事を書いています。
米株に投資をする時、ドル円のレートは必ず確認する必要があります。
なぜか?
手元の日本円を米ドルに交換する必要があるからです。
今のようにドル円が下落している時は...
「強い円」で「弱い米ドル」が買える絶好のチャンス
です。
そのドル円はどこまで下落するのでしょうか?
こういった展開の場合、過去のドル安/円高の時に反転したポイントを探ることをおすすめします。
トランプ米政権が2017年に発足してから世界の政治と経済はガラリと変わりました。
それ以降、何度かドル円が下落することがありました。
そのうち...
2018年3月の下落と2019年8月の下落
は今の状況と似ています。
2018年3月の下落
この時のドル円は...
113円台から一気に104.55まで下落しました。
しかしその後は...
104.55を起点に114円台まで反発する展開となりました。
![](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/usdjpy20200729-1-600x372.png)
2019年8月の下落
一方、2019年8月に下落した際は...
112円台から一気に104.44まで下落しました。
しかしその後は...
104.44を起点に110円手前まで反発する展開となりました。
![ドル円の日足チャート(2019年以降)](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/usdjpy2019version-600x350.png)
注目のポイントは104.50レベル
これらの「下落⇒反転」の時に共通しているのは...
104.50レベルでトレンドが転換している
ということです。
2度あることは3度ある、と言います。
多くの市場参加者も、この2つの動きは当然頭に入れているはずです。
頭に入れているということは、104.50レベルが反転のポイントとして意識されやすいということです。
FEDの政策が続く限り、米ドル安のトレンドは続きます。
なのでジェイはドル円は今後も下落すると考えています。
その時、104.50で反転するのか?
それとも104.50を下抜けて下落のトレンドがさらに加速するのか?
ドル円は分岐点に差し掛かっているとジェイは考えています。
まとめ
今回のまとめです。
- 為替市場では米ドル安のトレンドが加速している
- 他ならぬFEDが米ドル安のトレンドを加速させている張本人
- FEDが政策を転換しない限り米ドル安のトレンドは続く
- 米ドルを買い戻す材料は米株の反落
- ドル円の焦点は104.50レベルを維持できるかどうか
以上です。