今日は朝から風が強いですね。
九州では、記録的な大雨で特別警報が出ています。
新型コロナウイルスの感染者数が再び増加する中、自然災害にも対処しなければならない季節がやってきました。
その方法は、リスクの性質によって異なりますし、その時その時で適切に対処していくしかないでしょう。
それは投資も同じ
です。
一見、順調にみえる相場でも、水面下でくすぶっているリスクが一気にオモテに出てくると、状況が一変します。
現在の株式市場がまさにそうです。
今日は順調に見える相場について、明日は水面下でくすぶっているリスク要因について考えてみます。
順調に見える相場と水面下でくすぶるリスク要因 その1
投資家の心理は強気を維持
まずは、世界の株式動向から確認してみましょう。
このブログで何度か採用しているMSCIインデックスのパフォーマンスを確認すると..
![世界の株式パフォーマンスチャート
MSCIインデックスパフォーマンスチャート](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/msci0704-2-600x356.png)
日本以外の株式市場が、上昇していることがわかります。
注目すべきは、常に世界の株式パフォーマンスを上回っていたのが...
米国の株式
のみ、という事実です。
これは、世界の株高のけん引役が米国の株式(以下では米株と表記)であることを示しています。
しかし、これだではありません。
もうひとつ注目すべきことがあります。
それは...
新興国の株式(Emerging)も世界の株式のパフォーマンスを上回っている
ということです。
特に7月に入ってから急上昇していることがわかります。
ご存知のとおり、新興国では今、新型コロナウイルスの感染者数が増加する傾向にあります。
その代表格はブラジルやロシアです。
しかし、新興国の株式のパフォーマンスは世界の株式のそれを上回りました。
これが意味することは...
感染者数の増加はもはや株安要因ではない
ということです。
では、コロナショックの真のリスク要因は何か?それは...
都市の機能を封鎖する「ロックダウン」
です。
都市の機能を封鎖することは、人の移動を封じる、ということです。
人の移動を封じるということは...
経済の活動を封じる
とういことです。
5月に株式市場の上昇幅が拡大した要因は、主要国のロックダウン解除でした。
現在は逆に、ロックダウンを課す方向に向かっています。
事実、このブログを書いている時点で、米国では全50州のうち22の州で経済活動を制限する規制を課す状況となっています。
米株高のけん引役はハイテクセクタ-
しかし、このような状況の中でも、米株は上昇トレンドを維持しました。
以下のパフォーマンスチャートをみると...
![今週のパフォーマンス(基準日:2020年6月26日)
米国株式のパフォーマンスチャート](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/us0704-2-600x321.png)
主要な3指数が軒並み上昇していることがわかります。
そしてナスダック指数が最も上昇していることを考えるならば、米株高のけん引役は...
相変わらずハイテクセクタ-
であることがわかります。
今週は、アップル(AAPL)以外のGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック)は7~8%上昇し、株高のけん引役であるハイテクセクタ-をけん引しました。
またひとつ面白い銘柄が!
GAFA以外にも面白い銘柄があります。
それが...
チェグ(CHGG)
というオンラインでの教育プラットフォームを提供する会社です。
5月5日、一気に50ドル台へ跳ねたあと、その後も上昇基調を維持し、現在は70ドル台まで上昇しています。
![チェグ日足チャート(2020年3月以降)](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/chggchart-600x334.png)
そして今週のパフォーマンスを確認すると...
![チェグとナスダック総合指数の比較チャート](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/chgg-2-600x352.png)
ナスダック総合指数をはるかに上回る好パフォーマンスとなっています。
新型コロナウイルスは、リモートでの仕事や学びといった新たなスタイルを世界的に加速させています。
特に教育の面では、教室での画一的な授業よりも、オンラインでの授業の方が生徒個人に合った勉強方法やペースが保てることから、
成績が良くなる傾向にある
との報道も見られます。
オンライン会議システムを提供するズーム(ZOOM)もそうですが、チェグ(CHGG)も...
新型コロナウイルス後に来るであろう世界の新たなトレンド
に乗る可能性が高い有望企業のひとつです。
為替市場でも投資家の強気スタンス
投資家の強気スタンスが見られるのは、株式市場だけではありません。
今週は、為替市場でもリスク性の高い通貨の買いが見られました。
この点を米ドル相場のパフォーマンスチャートでみてみましょう。
まずは対先進国通貨ですが...
![新興国通貨のパフォーマンスチャート
今週のパフォーマンス(基準日:2020年6月26日)](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/usd0704-1-600x342.png)
対日本円以外で米ドル安となっていることがわかります。
コロナショックが発生して以降、米ドルは...
安全資産
としての位置づけにあります。
その安全資産が売られる、ということは...
投資家の心理は強気スタンスにある
ということがわかります。
次に対新興国通貨のパフォーマンスチャートをみてみましょう。
![今週のパフォーマンス(基準日:2020年6月26日)
新興国通貨のパフォーマンスチャート](https://indepth-markets.com/wp-content/uploads/2020/07/emfx0704-600x346.png)
トルコリラ以外で、米ドル安となっていることがわかります。
米ドル/トルコリラの上昇率も0.131%と、ほぼ横ばいです。
新興国通貨は総じてリスクの高い通貨です。
その新興国通貨が買われている状況もまた...
投資家の心理は強気スタンスにある
ことを示しています。
しかし、冒頭でのべたように、一見順調に見える相場でも、水面下でくすぶっているリスク要因が一度オモテにでれば、現在の状況は一変します。
明日はこの点について考えてみます。
まとめ
今回のまとめです。
- 今週は世界的に株高トレンドとなった
- 株高トレンドのけん引役は米国の株式だった
- 米株高のけん引役は、相変わらずハイテクセクタ-だった
- チェグという面白いハイテク銘柄あり/li>
- 為替市場も投資家の心理が強きスタンスにあることを示した