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前回の記事をアップしてからずいぶんと間が空いてしまいましたね
何かあったんですか?
読者のみなさん、お久しぶりです!
ちょっと健康を害しましてブログの更新ができませんでした。
今は90%くらいまで回復してきました。
なので、今週から記事をどんどんアップしていきます!引き続き当ブログをよろしくお願いいたします! <(_ _)>
今回は『インフレ時代の米株投資』シリーズの最終回...
と言いたいところですが、ブログを休んでいる間にマーケットが動いておりましたので、合計4回シリーズに変更いたします。
最近2回の記事で、エネルギー関連と銀行関連の銘柄はインフレの恩恵を受けやすいセクター、と指摘しました。
そこで今回と次回は、ジェイが実際に投資をしている銘柄を例にー
どんなことに注目して投資を決めたのか?
この点についてお話します。
今回のテーマ
銘柄を選ぶ時に最低限チェックすべき2つの指標
記事を読んでわかること
わかること
- 株価の割安/割高の観点からチェックすべき指標
- 将来の収益性の観点からチェックすべき指標
- エネルギー株 今後の上昇要因と下落要因
この記事の対象となる人
こんな人におすすめ
- 米株の投資を考えている人
- 銘柄の選択で迷っている人
- 投資の経験がない / 浅い人
結論からいいます
結論
- 銘柄を選ぶ時はまず『PCFR』と『EPS成長率』をチェックしよう
- 注目の米エネルギー株は ”デボンエナジー(DVN)”
- これからの原油価格はコロナワクチンの普及次第
銘柄を選ぶ時にチェックすべき2つの指標
必ずチェックすべき2つの指標
株に投資をする時、できるだけ多くの指標をチェックすべきです。
例えば、株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)そして自己資本比率に自己資本利益率(ROE)などなど。
しかし、時間的な制約を考えるならば、すべての指標をチェックすることは非現実的です。
なのでジェイは、どんなに時間がなくても必ず2つの指標をチェックするようにしています。
それは以下の2つです。
注目の指標
- 株価キャッシュフロー倍率(PCFR)
- EPS成長率
・株価キャッシュフロー倍率とは
株価キャッシュフロー倍率
株価が割安か?割高か?を判断する際に使われる指標の一つ
1株当たりのキャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)の何倍まで株価が買われているかを示す指標
『株価キャッシュフロー倍率』は、同業他社と比較して株価が『割安か?割高か?』を判断するための指標です。
一般的に、株価キャッシュフロー倍率のことを『PCFR』といいます。
株価キャッシュフロー倍率の計算式
なお、分母の1株当たりキャッシュフローは『キャッシュフロー÷発行済株式数』で計算します。
株価が『割安か?割高か?』を判断するための指標としては、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)の方が知られています。
しかし、ジェイは財務諸表や損益計算書よりも、キャッシフロー計算書の内容をより重視しています。
その理由は以下です。
・株価キャッシュフロー倍率を重視する理由
重視する理由
- 『キャッシュフロー』は企業の”稼ぐ力”をシンプルに表しているから
キャッシュフローは、キャッシュ・イン(企業に入ってくる現金)からキャッシュ・アウト(企業から出ていく現金)差し引いて計算されます。
キャッシュフローの計算式
キャッシュ・フロー = キャッシュ・イン-キャッシュ・アウト
キャッシュフロー計算書を見れば、その企業のお金の出入りのタイミングを的確に知ることができます。
稼ぐ力のある企業は、常にキャッシュ・インの状態にあるため、キャッシュフローがプラスです。
逆に稼ぐ力が衰えている企業は、常にキャッシュ・アウトの状態にあるため、キャッシュフローはマイナスです。
このため株価キャッシュフロー倍率(PCFR)は、企業の ”稼ぐ力” に対して株価は割高なのか?割安なのか?を的確に知ることができる指標なのです。
・EPS成長率とは
株価キャッシュフロー倍率(PCFR)と同じくらい重要な指標が、『EPS成長率』です。
1株利益(EPS)とは
企業が最終的に稼いだ利益(当期の純利益)を発行済み株式数で割ると『1株利益』が計算できる。これを『EPS(Earnings per Share)』という。
EPSの計算式
分子にあたる当期の純利益が増えれば、当然EPSの値も大きくなります(発行済み株式数が増加しない場合)。
よって、前期や前年と比べてEPSの成長率が高くなっている企業ほどー
ポイント
その企業の ”稼ぐ力” が高まっている
ということになります。
株価キャッシュフロー倍率(PCFR)とEPS成長率に共通していることはー
企業の”稼ぐ力”を基準に投資の対象を決めることができる
ということです。
デボンエナジー(DVN)
上で述べた2つの指標に注目し、ジェイは以下の銘柄に投資をしています。
銘柄
デボンエナジー(DVN)
デボンエナジー(DVN)ってどんな企業?
デボンエナジー(DVN)
デボン・エナジー(Devon Energy Corp)は独立したエネルギー会社です。主に米国でシェールオイル、天然ガス、天然ガス液(NGL)の探査・開発・生産を行っています。昨年9月に同業のWPXエネジーと合併。石油生産量は日量27万7000バレルと、米シェール最大手のEOGリソーシズに肉薄しています。また、WPXエネジーとの合併で生産性を高めると同時に、5年間で20億ドル以上のコスト削減を見込んでいます。
デボンエナジー(DVN)のチャートをチェック
デボンエナジー(DVN)の週足チャート
週足のチャートで現在のトレンドを確認すると『8ドル』レベルで底打ちして、2018年7月の高値46.54を起点とした中期レジスタンスラインの突破に成功しています。
直近は上昇トレンドが後退し、コロナショックが発生する前の水準『27.50ドル』で上値が抑制され、現在は22ドル前後で売り買いが交錯しています。
バイデン米政権は、1.9兆ドルの経済対策を導入しました。
また、2兆ドル超のインフラ投資政策についても、7月4日の独立記念日までに議会での可決を目指しています。
さらに注目すべきは、コロナワクチンの供給スピードです。
イスラエルの60%台、イギリスの45%台に次いで米国は32%台までワクチンの接種率が上昇しています(2021年4月6日時点)。
バイデン米政権は、インフラ投資政策と同じく、7月4日の独立記念日までに社会の正常化を目指すワクチン・ロードマップを示しています。
ロードマップどおりにワクチンの供給と接種が進めば、米国では今年の夏から人の移動が活発化するでしょう。
人の移動が活発化すれば、経済全体が活発化します。
経済活動が活発化すれば、エネルギー需要が拡大します。
エネルギー需要の拡大は、デボンエナジー(DVN)の株価を押し上げる要因になるでしょう。
採算ラインは49ドル
シェール企業の採算ラインは、原油価格1バレ=49ドルと言われています(カンザスシティ連銀による調査)。
現在の原油価格は、60ドル前後で一進一退となっています。
国際エネルギー機関(IEA)は、世界のガソリン需要がすでにピークを過ぎたとの見方を示していますが、今後、アメリカをはじめ世界各国でコロナワクチンの供給と接種が進むことを考えるならば、シェール企業の採算ライン『49ドル』を割り込む可能性は低いと思います。
PCFRとEPS成長率をチェック
次に、上で述べたPCFRとEPS成長率を確認します。
株価では将来を考えることが重要ですので、今回は市場が予想する値で同業他社と比較しています。
なお、比較の対象としてピックアップした同業他社(ライバル企業)は以下です。
同業他社
- EOGリソース・リンク(EOG)
- オクシデンタル・ペトロリウム(OXY.N)
- コノコフィリップス(COP)
- エクソン・モービル(XOM.N)
- シェブロン(CVX.N)
PCFRのマトリスク
今回採用したPCFRは『今後12か月の予想』となります。
一番低い水準となっているのが、オクシデンタル・ペトロリウム(OXY.N)の3.16です。
次いでデボンエナジー(DVN)の『3.86』です。同業他社と比較するとデボンエナジー(DVN)株の割安感が確認できます。
ちなみにデボンエナジー(DVN)のPERとPBRも、同業他社と比較して低い値となっていることがわかります。
これらの指標からも、デボンエナジー(DVN)株の割安感を確認できます。
次にEPS成長率の予想を確認してみましょう。
EPS成長率のマトリスク
EPS成長率は『翌年(2022年)の四半期と前年(2020年)の同四半期を比べた予想値』となります。
一番高いのが、EOGリソース・リンク(EOG)の145.11です。
それに対してデボンエナジー(DVN)のEPS成長率予想は『110.97』と、2番目に高い予想となっています。
・PCFRの予想値で割安である
・EPS成長率の予想値で稼ぐ力が伸びる可能性がある
だからこそジェイは、デボンエナジー(DVN)への投資を決めました。
リスク要因はコロナワクチンの供給が遅れること
最後は、デボンエナジー(DVN)の株価が下落するリスクについて考えてみましょう。
これまで述べてきたとおり、デボンエナジー(DVN)の株価はアメリカ経済の回復に左右されるでしょう。
米国経済の回復スピードは、コロナワクチンの供給によって左右されるでしょう。
よって、バイデン米政権が示したワクチン・ロードマップどおりに供給が進まないと、アメリカ経済の回復スピードは鈍ります。
そうなると、将来の景気回復が遅れるため、原油の需要も縮小するでしょう。
また、今後はOPECプラスの産油国による協調減産の量が減ると予想されます。
米国がイランの核合意に復帰すれば、イラン産原油の供給が始まる可能性もあります。
つまり、これから原油の供給量は増える可能性が高いということです。
このようなタイミングでアメリカの景気回復が遅れることになれば、『供給>需要』により原油価格は下落するでしょう。
悪材料が重なりシェール企業の採算ライン『1バレル=49ドル』を原油価格が割り込むことになれば、デボンエナジー(DVN)の株価は急落する可能性があります。
まとめ:今後のシナリオ
ベースシナリオ
- PCFRとEPS成長率の観点でデボンエナジー(DVN)株は割安
- 経済対策の効果とコロナワクチンの普及でアメリカ経済が回復する
- アメリカ経済が回復することで原油価格はシェール企業の採算ライン『1バレル=49ドル』以上を維持する
リスクシナリオ
- ワクチンの供給が遅れることでアメリカ経済の回復が遅れる
- アメリカ経済の回復が遅れることで原油の需要が縮小する
- 原油の需給が『供給>需要』となることで原油価格が急落する
- デボンエナジー(DVN)の株価が下落する
注記事項
当サイトのコンテンツを参考に投資を行い、その後発生したいかなる結果についても、当サイト並びにブログ運営者は一切責任を負いません。すべての投資行動は『自己責任の原則』のもとで行ってください。
最後に
Pythonを学びたい方へ
今やPythonは、マーケットの分析に限らず、あらゆる分野で使われているプログラミング言語です。
事実、今回の記事でもPythonのプログラミングで最も使われる『pandas』を用いて、PCFRやEPS成長率のデータを取得し、計算し、そしてマトリスクとしてまとめました。
Pythonを学んでおけば株式の投資に役立つだけでなく、これからのキャリアを形成する上でも力強い武器となるでしょう。
私もPythonを学んでみたい!
という人は以下のリンク先をご覧ください。
プログラミングを学ぼう
なぜプログラミングを学ぶ必要があるのか?その理由がわかります。
そして『これがPythonを効率的に学ぶ方法だ!』と、ジェイが自信をもっておすすする効率的な学習方法もわかります。
この記事と出会ったのも何かの縁です。
ぜひチャレンジしてみてください!