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2022年1月14日(金)から米国株の決算シーズが始まりました。
序盤の決算と株価の反応を見ると、今年は『決算勝負の1年』になるとジェイは確信しています。
そう考える理由は、ゴールドマン・サックス(GS)とネットフリックス(NFLX)の決算にあります。
そこで今回は、決算の重要性と注目ポイントにフォーカスした内容となります。
今回のテーマ
2022年の米国株は『決算勝負の1年』に!
この記事のサマリー
- 2022年の米国株は『決算勝負』の1年に
- 決算の重要性はGSとNFLXが教えてくれた
- 決算で注目すべきは『ガイダンス』
今回の記事の対象者
こんな方におすすめ
- 米国株の投資を始めたい人
- 2022年初っ端の下落相場に不安を抱いている人
- 個別の米国株投資にチャレンジしてみたい人
本題
さて、本題です。
ナスダック指数の下落が示唆すること
まずは、今年に入ってからの米株価指数のパフォーマンスを確認してみましょう。
米株価指数の年初来パフォーマンス
※上のパフォーマンスチャートはプログラミング言語 Pythonで作成
主要な米国株の指数が軒並み下落しています。
下落率が最も大きいのは、ナスダック総合指数(Nasdaq)とナスダック100指数(Nasdaq100)です。
2つのナスダック指数は、大手や新興企業のハイテクグロース株を多く採用しています。
このため、グロース株のトレンドを考える上で重要な指数なのです。
現在、パウエルFRBは金融緩和政策から金融引き締め政策への大転換を指向しています。
このため今年の米金利は、短期ゾーンを中心に上昇トレンドを形成するでしょう。
米金利の上昇、特に長期金利(10年債利回り)の上昇は、グロース株の売り圧力を高める最大の要因となります。
つまり今年初っ端から発生したナスダック指数の下落は、米長期金利の上昇リスクを意識した動きといえます。
実際にナスダック指数と米長期金利の動きをチャートで確認するとー
ナスダック指数と米長期金利のチャート
※上のラインチャートはプログラミング言語 Pythonで作成
見事に正反対の動きとなっていることがわかります。
今年の米金利は、パウエルFRBの金融引き締め政策とそのペースの加速で上昇トレンドを描く可能性が高いでしょう。
2022年初っ端のナスダック指数の下落は、今年1年がグロース株にとって『苦難の1年』になることを示唆しています。
ではバリュー株に投資をすれば安全か?
グロース株がダメなら、グロース株よりも割安な『バリュー株』の1年になる...と単純に考えるのは危険です。
確かに今年は、バリュー株投資への注目が集まるでしょう。
ジェイもエネルギー関連銘柄を軸に、昨年後半からバリュー株の比率を高めています。
しかし、バリュー株ならなんでも良い!というわけではありません。
この点を示唆しているのがー
示唆すること
ゴールドマン・サックスの決算と株価の急落
です。
GSの決算が教えてくれたこと
ゴールドマン・サックス(以下GS)といえば、誰もが知る米国の大手投資銀行です。
そのGSは、2022年1月18日に第4四半期(昨年10〜12月期)の決算を発表しました。
結果は以下のとおりです。
結果
- 一株利益 結果 ❌ $10.81 vs アナリスト予想:$11.76
- 売上高 結果 ⭕️ $12.64 billion vs アナリスト予想:$12.08 billion
一株利益(EPS)がアナリスト予想を下回りました。
決算を受けGSの株価は急落しました。
しかも出来高を伴って。
ゴールドマン・サックスの株価チャート
世界を代表する大手投資銀行とは思えないほどの無残な下落...
GS株の急落は、グロース株と比べて相対的に割安感のあるバリュー株でもー
重要ポイント
決算をミスすればたちまち売りの圧力にさらされる
ということを私たちに教えてくれています。
2022年の決算で最も重要なポイントとは?
米国株の決算では、”3つの項目” で業績の良し悪しを判断する傾向があります。
3つの項目
- 売上高がコンセンサス以上か?
- 一株利益がコンセンサス以上か?
- ガイダンスがコンセンサス以上か?
上で挙げた3つの項目で、銘柄やセクターをカバーしているアナリスト予想のコンセンサスを上回っている場合は、決算をクリアしたと判断されます。
逆に上3つの項目のうち、どれかひとつでもアナリスト予想のコンセンサスに届かない場合は、決算をミスしたと判断されます。
そして今年、もっとも注目を集める項目がー
重要な項目
ガイダンス
です。
ガイダンスとは?
多くの米企業は、四半期の決算ごとに将来の業績見通しを発表します。
これらの見通しのことをー
ガイダンスとは?
ガイダンス
といいます。
ガイダンスの主な項目は以下となります。
ガイダンスの項目
- 次の四半期の業績見通し
- 通年の業績見通し
- 業績に影響を与える”要因”の見通し
業績の見通しとは、『売上高』と『一株利益(EPS)』の見通しのことです。
アナリストのコンセンサス予想を上回るガイダンスは、『その企業のビジネスが将来にわたり持続的な成長を維持できる』というシグナルになります。
ガイダンスで一番重要なのは?
そして今年は、ガイダンスの中でも一番最後の『業績に影響を与える”要因”の見通し』が最も重要だと、ジェイは考えています。
この ”要因” とは何か?
それは、各企業によって異なります。
例えばテスラ(TSLA)でしたら、電気自動車の売上見通しが重要な要因となります。
アップル(AAPL)でしたら、新製品の売上見通しが重要な要因となります。
これらの見通しは、詳細な情報をもとに各々の企業が公表します。
ネットフリックスの決算が教えてくれたこと
『業績に影響を与える”要因”の見通し』が重要であることは、ネットフリックス(以下NFLX)の決算が教えてくれています。
インターネット動画配信大手のNFLXは1月20日、第4四半期(昨年10〜12月期)の決算を発表しました。
結果は以下のとおりです。
結果
- 一株利益 結果 ⭕️ $1.33 vs アナリスト予想:$0.82
- 売上高 結果 🔺 $7.71 billion vs アナリスト予想:$7.71 billion
一株利益(EPS)は、コンセンサスを遥かに上回る良い内容でした。
一方、売上高はコンセンサスと一致するも、四半期ベースでは過去最高を更新しました。
一見すると、NFLXは第4四半期の決算をクリアしたかに見えます。
しかしNFLXの株価は、今回の決算を受け急落しました。
ネットフリックスの株価チャート
NFLXの株価が急落した理由は、『業績に影響を与える”要因”の見通し』でミスをしたことにあります。
NFLXの業績は、視聴者の数に大きく影響されます。
今回の決算で、直近3ヶ月間の会員数(純増数)が8.28 million(828万人)と、前期の819万人から伸びたことがわかりました。
しかし、多くの投資家はー
投資家の注目点
会社が事前に予想していた850万人に届かなかった
この点を強く意識しました。
なぜか?
会員の純増数が会社の予想以下となったことは、”NFLXの成長が今後鈍化する兆候” と捉えることができるからです。
NFLXの株価急落は、対象となる期の決算をクリアしてもー
重要ポイント
ガイダンスをミスれば売られる
という厳しい現実を私たち個人投資家に教えてくれました。
2022年は ”決算勝負の1年” に
ゴールドマン・サックス(GS)は、『バリュー株』に分類されます。
同社は世界を代表する金融機関であり、米金利の上昇の恩恵を受けやすい銀行セクターに属しています。
そんなGSですら、一株利益をミスしたたけで株価が急落しています。
ネットフリックス(NFLX)は、『グロース株』に分類されます。
同社は今や、世界を代表するブランド企業にまで成長しました。
そんなNFLXですら、ガイダンスをミスしただけで株価が急落しました。
これら2社の株価が教えくれたことは、どんなにブランド力があろうが、どんなに資本力があろうがー
2つの決算が教えてくれたこと
決算の項目でひとつでもミスをすれば売り圧力にさらされる
という厳しい局面に、米国の株式市場が突入していることを私たち個人投資家に教えてくれました。
そしてこの厳しい局面はー
重要ポイント
2022年が ”決算勝負の1年” になる
ということも、私たち個人投資家に教えてくれています。
優良なバリュー株投資を心がけよう
パウエルFRBの金融引き締め政策とそれによる米金利の上昇リスクを考えるならば、今年のグロース株は、高い成長期待を維持できる銘柄以外は、上で述べたとおり『苦難の1年』になることが予想されます。
そうなると今年は、決算をクリアしかつ割安感のあるー
重要ポイント
優良なバリュー株への投資
を心がけることができるかどうか?
この点が、2022年のパフォーマンスの明暗を分けるとジェイは考えています。
今回のまとめ
まとめ
・2022年の米国株は ”決算重視の1年” になるだろう
・この点はGSとNFLXの株価が教えてくれた
・決算で最も重要なのは "ガイダンス"
・決算の3項目をひとつでもミスした銘柄には投資できない
・2022年は ”優良なバリュー株” への投資を心がけたい
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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