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今回の結論
結論
・そのうちのひとつが『バイデン新政権の政策運営能力』である
・上院の決戦投票(1/5、ジョージア州)の結果でその運営能力が決まる
・共和党が上院で過半数を獲得すれば米株の下落リスクを警戒
・ブルーウェーブとなれば米株高トレンドが続くことを予想する
2021年 注目すべき2つのポイント その1
注目ポイント①
ココがポイント
バイデン新政権の政策運営能力
なぜ、2021年の注目ポイントに『バイデン新政権の政策運営能力』を挙げるのか?
以下では、その理由を説明します。
今年も米株の軸は『政策期待』
2020年の米国株(アメリカ株)は、トランプ米政権が打ち出した3兆ドルという前代未聞の財政出動と、FED(アメリカの中央銀行にあたる組織)が導入した無制限の金融緩和政策によって、株高トレンドを維持しました。
なぜか?
それは市場が抱く政策への期待が高まったからです。
そして、2021年もこの状況は続くでしょう。以下がその理由です。
政策相場が続く3つの理由
- 今年も米国経済はコロナリスクに直面する
- 失速する指標データ
- 環境銘柄の上昇
今年も米国経済はコロナリスクに直面する
まず1番目の『コロナリスク』です。
今年の冬、米国の経済はこのリスクに直面するでしょう。
国際統計サイト『Worldometers』によれば、米国(アメリカ)の新規感染者数は再び増加の傾向にあります。
同様に死者数も再び増加の傾向にあります。
米国内の新型コロナウイルスの感染状況
日本でも二度目の緊急事態宣言が発令される可能性が高まっていますが、米国では二度目のロックダウンの可能性があるとジェイは考えています。
なぜか?
二度目のロックダウンの理由
バイデン新大統領はコロナ対策を強化せざるを得ないから
です。
昨年の米国大統領選挙で、あれほどトランプ米政権のコロナ対策を批判したバイデン新大統領です。
自分が大統領に就任したら『やっぱり経済を優先します』なんて口が裂けれも言えません。
もしそんなスタンスを見せれば、二年後の中間選挙で民主党は議席を失うことになるでしょう。
しかし、コロナ対策を強化すれば景気の回復を犠牲にします。
よって、バイデン新大統領は、コロナ対策を打つと同時にそれ以上の景気対策(財政政策)をどんどんと導入していくでしょう。
FEDもバイデン政策をサポートすべく、金融緩和政策を続けるでしょう。
バイデン新政権とFEDの政策が同時にかつ持続的に実行されるならば、政策の期待を土台とした『政策相場』は続くとジェイは予想しています。
失速する指標データ
次に2番目の『失速する指標データ』について。
昨年の10月を境にして、重要な指標データが緩やかな下降トレンドにあります。
ISM指数(製造業/非製造業)
雇用統計:非農業部門雇用者数変化
これらの指標データは、米国の経済がコロナショックから完全に立ち直っていないことを示しています。言いかえれば...
指標データが意味すること
米国の景気は未だ回復の途中にある
というわけです。
このような状況に陥っていることを考えるならば、バイデン新政権とFEDはコロナショックから立ち直るまで、タッグを組んで政策を導入し続けることが市場から求められるでしょう。
実際にそれができるかどうかは、バイデン新政権の政策を運営する能力にかかっています。
その政策運営能力を左右する重要イベントが1月5日(火)にあります。
重要なイベント
二議席をめぐる上院の決戦投票
米国の議会は上院と下院の2つに分かれています。
上院の定数は100議席、下院の定数は435議席です。
そして米国の議会制度では、以下のプロセスを経て法案が審議・可決されます。
米議会のプロセス
- 法案は上下両院、もしくはそのどちらかに提出される
- 法案が上下の両院を通過した場合に大統領に送付される
- 大統領は4つの選択肢の中から送付された法案を取り扱う※後述
現在、下院はバイデン新大統領の出身母体である民主党が支配しています。
しかし、上院は1月5日に開催されるジョージア州の上院決戦投票の結果で、共和党が支配するのか?民主党が支配するのか?が決まります。
共和党は1議席を確保すれば、上院で過半数を獲得できます。そうなると...
米議会のねじれのケース
バイデン新大統領が主張している政策が下院を通過しても上院で否決される
という事態が、今後発生する可能性が高まります。
実際にそのような事態が発生すれば、市場の参加者は『バイデン政権って何も決められないんじゃね?』という不安を抱くでしょう。
当然この不安は、市場が抱く政策への期待を後退させる要因です。
よって、上院を共和党が支配する場合、米国株(アメリカ株)の下落要因として警戒すべき、とジェイは考えています。
逆に民主党が支配するならば、上下の両院で政策がすんなりと可決されるでしょう。
当然、大統領も法案に署名するでしょう。
ちなみに、議会を通過した法案に対して米国の大統領は、4つの選択肢の中から対応を検討します。
4つの選択肢
- 法案に署名して法律にする
- 法案の署名を拒否する
- 連邦議会の開会中、何の行動もとらない
- 連邦議会が休会中、何の行動もとらない
民主党が上院を支配する場合は選択肢2、3、4はあり得ません。
よって、民主党が大統領の職と上下両院をおさえる『ブルーウェーブ』となれば、市場が抱く政策の期待は維持され米国株も株高トレンドを維持する、とジェイは予想しています。
なお、隠れトランプ派の動向を的確にとらえたことで有名となった『The trafalgar group』によれば、直近の予想は以下となっています。
ジョージア州 決戦投票の予想
このブログを書いている時点(1/4日時点)では、ブルーウェーブとなる可能性がありますね。
環境銘柄の上昇
そして最後の『環境銘柄の上昇』について。
昨年の11月以降、米国株(アメリカ株)の株高トレンドが加速しました。
ジェイが注目したのが、環境銘柄の上昇です。
いまや環境銘柄の代表格となっているテスラ(TSLA)は、上場来の最高値を更新し続けています。
同じく先進運転システムのビジネスを展開しているアプティブ(APTV)の株価も急騰しています。
また、風力発電の大手ネクステラ・エナジー(NEE)は、時価総額で石油大手のエクソンモービル(XOM)を一時上回りました。
上にあげた銘柄は『バイデン銘柄』として注目が集まっています。
なぜか?それはバイデン新政権がかかげている新たな政策にあります。
バイデン政策
4年間で2兆ドルのインフラ投資
上の政策の柱となるのは『環境政策』への投資です。
事実、バイデン新大統領は以下のことを主張しています。
バイデン新大統領の主張
- クリーンエネルギーの設備投資を促進させる
- 排ガスを2035年までにゼロにする
- 電気自動車に重点的な投資をする
- 水素燃料や蓄電技術といった新しい技術の開発をする
環境関連の株価が上昇しているのは、上の環境政策が実行されることを市場の参加者が先取りしているからです。
バイデン新政権は市場の期待に応えることができるのか?
とにもかくにも、1月5日の上院決戦投票の結果に要注目です!
次回はもうひとつの注目ポイント『FEDとアメリカ金利の動向』についてお話します!
今回のまとめ
まとめ
・2021年に注目すべきポイントは2つある
・そのうちのひとつが『バイデン新政権の政策運営能力』である
・上院の決戦投票(1/5、ジョージア州)の結果でその運営能力が決まる
・上院で共和党が支配すれば米株の下落リスクを警戒
・ブルーウェーブとなれば米株高トレンドが続くことを予想する
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