前回の記事で『今週の米株は上昇トレンドを維持する』と書きました。
予想通り、週明けのダウ平均は9か月ぶりに過去最高値を更新しました。
ナスダック総合指数も12,000ポイントの水準を目指して上昇トレンドを維持しています。

でもさ、いくらなんでも上がり過ぎじゃない?
いきなり急落なんてことにならないの?
上の投資家さんのように、今の米株の上昇スピードに警戒している読者の方は多いと思います。
そこで今回は...
米株の上昇がむしろ怖い
と考えている人向けに書いた記事となります。
今回の結論
ナスダック100のオプション価格を参考に算出される『VXN指数』は低い水準で安定している。これは投資家の心理が安定していることを意味している。コロナリスクなどで不意に下落する局面はあるだろう。しかし、それは『絶好の買いのチャンス』と考えたい。
今回の記事の対象となる人
・米株に投資をしている人
・米株への投資を考えている人
・米ハイテク株への投資を考えている人
VXN指数をチェックしよう
前回の記事では、投資家の心理を反映する『VIX指数』から、今週の米株が上昇トレンドを予測しました。
詳細については、以下のリンク先からご覧ください。
VIX指数は、景気の先行きに対する投資家の心理を表す指標として、多くの投資家から注目されています。
しかし、ジェイはVIX指数のみを見て、今週の米株の上昇を予想したわけではありません。
じつはもう一つの指標もチェックした上で、米株の上昇を予想しました。
その指標とは...
VXN指数
という指標です。
VXN指数とは?
VXN指数とはナスダック版の恐怖指数のことです。
正式名は『Cboe NASDAQ-100 Volatility Index 』で、『VXN』は略語です。
この指数は、米国を代表する株価指数の一つであるナスダック100指数のオプション取引価格から算出される指数です。
VXN指数の見方は?
VIX指数と同じです。
・VXNの上昇=投資家が先行きについて不安を感じている
・VXNの低下=投資家が先行きについて安心している
と考えます。
文字よりもビジュアルチャートの方がわかりやすいですよね。
さっそくVXNの動きをチャートで確認してみましょう!
VXN指数が示すこととは?
まずは、今年8月以降のVXN指数のチャートを見てみましょう。
VXN指数のチャート

45ポイント付近まで上昇すると、そのあと低下するというトレンドパターンが見てとれます。
そして興味深いことに、このトレンドパターンは今年の4月以降から続いているのです。
この点を年初来のチャートで確認してみましょう。
VXN指数のチャート(年初来)

上のチャートの赤いゾーンをみてください。
この時は『コロナリスク』によって、投資家の不安心理が極限にまで達していました。
その後もコロナリスクは意識されて、4月以降、何度か45ポイントの水準を目指す局面がありました。
そして、いずれも45ポイント付近まで上昇した後、低下していることがわかります。
3月と4月以降の違いは何を意味しているのでしょうか?
この違いについてジェイは...
新型コロナは『相場のネタ』として終わりに近づいているシグナル
であると、ジェイは考えています。
考えてみてください。
今、欧州では新型コロナの感染拡大により主要な国(イギリスやフランスなど)では都市の機能を封鎖する『ロックダウン』の真っただ中です。
そして米国では13日に、1日の感染者数が18万人を突破し過去最高を記録しました。
亡くなった方の数も25万人以上と、世界で最もひどい状況にあります。
さらにニューヨーク州、カリフォルニア州、ペンシルベニア州、イリノイ州といったいくつかの州では、人が密集しやすい飲食店や映画館の営業規制を強化しています。
営業規制は言うまでもなく景気を後退させる要因です。
それにもかかわらず、VXN指数は40ポイント台から20ポイント台まで低下し、今も20ポイント台で安定しています。
『新型コロナの感染拡大は続いているけれど、投資家の心理は安定している』
これら相反する状況は、『相場ネタとしての新型コロナ』は終わりに近づきつつあるシグナル、と考える方が自然ではないでしょうか?
目先の米株安要因は?
しかし、一方向にふれ続ける相場はこの世界に存在しません。
必ず株高を調整する動きがあるでしょう。
では、その調整に使われる材料は何か?
ジェイは以下の2つだと考えています。
株高の調整材料その1
予想以下の指標データ

今年4月以降の米国株は『大規模な景気対策 ⇒ 将来景気が回復する!』という期待を背景に、株高のトレンドを維持しています。
では、実際に景気が回復しているかどうかを確かめる方法はあるのでしょうか?
あります。
その方法は『経済指標』です。
経済指標は、景気の動向を具体的な数値で表した客観的なデータです。
なので、今後の経済指標の内容で政策の効果が確認できれば、株高トレンドは続くでしょう。
しかし、経済指標が市場予想の数値を下回ることが多くなれば政策の効果が薄れていている... と多くの投資家は警戒し、米株は反落するでしょう。
実際、昨日は10月の小売売上高が市場予想を下回ったことで、米株は下落しました。
しかし、これから追加の景気対策が導入されることを考えるならば、さえない経済指標での株安は一時的な現象で終わる、とジェイは考えています。
株高の調整材料その2
コロナワクチンのネガティブな報道

短期的な米株の下落という点で、ジェイはこちらの方を警戒しています。
なぜか?
11月に米株が突然上昇し始めた背景には『コロナワクチンの開発⇒景気が回復する』という期待があるからです。
その期待をくじくコロナワクチンのネガティブ報道は、『短い期間で行き過ぎた株高の調整材料に使われる絶好の材料』だからです。
しかし、コロナワクチンのネガティブ報道で米株が下落しても、VXN指数が45ポイント水準を完全に突破しない限り、こちらも『絶好の買いチャンス』になるとジェイは考えています。
今回のまとめ
ナスダック100のボラティリティ指数『VXN』は低い水準で安定している。これは投資家の心理が安定していることを意味している。レンジの上限45ポイントを完全に突破しない限り、さえない指標データやコロナワクチンのネガティブ報道で米株が反落しても、それは『絶好の買いのチャンス』と考えたい。
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