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ジェイは仕事がら、多くの投資家さんと話をする機会があります。
そのなかで一番聞かれる質問が『今後の展望』です。
このブログでは、毎週月曜日にその週の予想記事を書いています。
今回も『今週の米国株の展望』について、ェイなりの予測をしていみたいと思います。
この記事を読んでわかること
わかること
- 米国株のリスク要因について
- Pythonを使った分析について
この記事の対象となる人
こんな人におすすめ
- 米国株の投資に興味がある人
- 米国株に投資をしている人
- プログラミング言語『python』に興味がある人
結論からいいます
- プログラミング言語のPythonで予想シミュレーションをすると3つの下落シナリオが考えられる
- 米国株の下落は新たな買いのチャンスと考えたい
下落幅の拡大に要注意
今週の米国株(アメリカ株)の予想は以下となります。
チェックリスト
- 前半は上昇
- 後半は下落
このように予想する理由は3つあります。
理由その1:『新型コロナの感染拡大が止まらない』
下のチャートは、米国内の新規感染者数の推移(日ごと)を示したチャートです。
10月の下旬あたりから、新型コロナの感染拡大がものすごい勢いで加速していることがわかります。
新型コロナの感染者数(1日あたり)
この状況を受け、ニューヨーク州やカリフォルニア州といった人口の多い州では、移動や営業の規制が強化されています。
これは言うまでもなく、景気回復の”あしかせ”となるでしょう。
事実、先週の米国株(アメリカ株)はこの点が意識され、ダウ平均やS&P500指数は週間の騰落率でマイナスとなってしまいました。
この点についての詳しいことは、前回の記事をご参照ください。
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参考【米国株】狙うはネットセキュリティーの株
続きを見る
理由その2:感謝祭と連休
二つ目の理由は『感謝祭と連休』です。
アメリカやカナダでは『Thanksgiving Day サンクスギビングデー』と呼ばれている祝日です。
今年は今週の26日(木曜日)にあります。
多くのマーケット関係者は、翌日の金曜日に有給休暇を取って連休にします。
そうなると今週は、積極的に米国株(アメリカ株)の売買を仕掛けるタイミングではありません。
仕掛けるにしても週の前半となるでしょう。
しかし、週前半での取引が成功しても、感謝祭の前の日(水曜日)には利益を確定して連休に入ることが予想されます。
つまり、利益を確定する売りが米国株の上値を抑制する、というわけです。
理由その3:資金供給に対する不透明感
三つ目の理由が、大規模な資金供給に対して市場の不安が高まる可能性がある、ということです。
ムニューシン米財務長官、FEDに未使用の資金を返還するよう要請
20日(金曜日)の早朝、ジェイが金融情報を専門に扱う情報端末を見ていると、突然上のヘッドライン速報が流れてきました。
米財務省はこれまで、資金供給の財源として4550億ドルをFED(アメリカの中央銀行にあたる組織/通称FRB)に与えてきました。
ここにきて財務省は突然、『あまっているお金を返せ!』と言ってきわけです。
理由は、そのお金を追加の景気対策に回すためです。
返せと言われたFEDにとっては、金融政策のために必要とする財源が減るわけです。
そうなると、いくつかの政策を打ち切らないといけませんし、実際に打ち切りを決めています。
FEDが打ち切りを決めた政策
①社債や資産担保証券の買い入れ
⇒約8,500億ドル
②中小企業むけの融資
⇒約6,000億ドル
③州や地方債の購入
⇒約5,000億ドル
額だけみると『おおこんなに打ち切るのかぁ』と思うかもしれません。
しかし、これまで利用された金額をみると、企業支援に使われた資金は10月末時点でたったの39億ドルです。
州・地方政府の支援に使われた金額も16億ドルとごくわずかです。
よって、財務省が『金返せ!』というのもうなずけます。
では、今回の財務省の行動で何が心配なのか?
それは『市場参加者の心理にあたえる影響』です。
4月以降の米株高のトレンドは、FEDがこれでもかというくらい大規模な資金の供給をしてきたからです。
そして、これからもそれを続けるスタンスを表明しているからです。
この状況でFEDの財源が減るということは、本当にFEDは効果的な政策を打ち出すことができるのか?という疑念を市場参加者に抱かせる原因となり得ます。
新型コロナの感染拡大が続く中でこの疑念が高まれば、米国株の上昇を抑える要因となるでしょう。
Pythonでナスダック指数を予想
ここまでは、今週の米国株(アメリカ株)の下落リスクについて注意すべき理由についてみてきました。
次は、プログラミング言語のPythonと使って、今週の米国株の予測をしてみます。
今回対象とするのは、このブログで常に注目している『ナスダック総合指数』です。
Pythonで予想してみた
今回の予想では『モンテカルロ・シミュレーション』という方法を使います。
モンテカルロ・シミュレーショって?
簡単にいうと、『pythonで乱数(ランダムな数字)を発生させて市場の変化をシミュレーションし予想する』という方法です
どんなコードなのか?
実際にみてみましょう!
ナスダック総合指数の予測
今回の方法
①方法:モンテカルロ・シミュレーション
②対象:ナスダック総合指数
③期間:2020年9月1日~11月20日
④データ数:60
⑤予測期間:今週1週間
ナスダック総合指数の予想シミュレーション
今回は、5つの予想シミュレーションをしてみました。
2つのシナリオが『上昇』、3つのシナリオが『下落』となりました。
上で述べたとおり、今週の米国株(アメリカ株)は週の後半に上値の重い展開となるとジェイは予想しています。
そうなると注目すべきは、3つの下落シナリオとなります。
ポイント
- シナリオ3
- シナリオ4
- シナリオ5
下落の幅が一番拡大すると予想しているのが『シナリオ4』です。
コロナリスクが意識されていることを考えるならば、今週の最悪シナリオとして想定しておきたいとことです。
一方、シナリオ3とシナリオ5は今の状況に沿ったシナリオだとジェイは考えています。
感謝祭が控えていることを考えるならば、26日木曜日が近づくにつれて下落基調となっている『シナリオ3』のようなトレンドをジェイは予想しています。
Pythonのコード
以下が、今回の分析で使用したpythonのコードとなります。
#ライブラリのインポート import pandas as pd import numpy as np import matplotlib.pyplot as plt %matplotlib inline import yfinance #データの読み込みと前処理 data = yfinance.download('^IXIC',start='2020-09-01',end='2020-12-31',interval='1d',auto_adjust=True) data = data.asfreq('b') data.fillna(method='ffill') #モンテカルロ・シミュレーションに必要な変数の作成 log_return = np.log(1 + data['Close'].pct_change()) μ= log_return.mean() var = log_return.var() stdv = log_return.std() drift = μ - 0.5 *var #モンテカルロ・シミュレーション from scipy.stats import norm import statsmodels.api as sm norm.ppf(0.95) np.random.rand(10,2) interval = 5 iterations = 5 daily_return = np.exp(drift + stdv * norm.ppf(np.random.rand(interval,iterations))) #データフレームの作成 price0 = data['Close'].iloc[-1] price_list = np.zeros_like(daily_return) price_list[0] = price0 for t in range(1,interval): price_list[t] = price_list[t-1] * daily_return[t] forecast_price = pd.DataFrame(price_list) forecast_price.columns = ['Scenario1', 'Scenario2', 'Scenario3', 'Scenario4','Scenario5'] #チャートの描画 import seaborn as sns sns.set_style('whitegrid') forecast_price.plot(figsize = (15,8),lw=3,fontsize=20); plt.legend(loc = 'lower left',fontsize=20) plt.axhline(y=12000,color='black',ls='--') plt.axhline(y=11800,color='black',ls='--') plt.axhline(y=11600,color='black',ls='--') plt.axhline(y=11400,color='black',ls='--');
下落は買いのチャンス
Pythonでの予想はあくまでも予測です。
実際の相場がそのとおりに動くわけではありません。
しかし、pythonはとても力強い味方となってくれます。
もし今回の予想シミュレーションが当たり、米国株(アメリカ株)が下落する場合、それは『下落は買いのチャンス!』は考えています。
この点については、このブログで何度も指摘してきました。
と、ジェイは考えています。
この点については、このブログで何度も指摘していることです。
以下の記事をご参照ください。
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関連記事【注目】今から株式投資をはじめても全然遅くない!
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関連記事【米国株】狙うはネットセキュリティーの株
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まとめ
まとめ
- 今週の米株は前半堅調、後半軟調のトレンドを予想
- Pythonでは上昇と下落両方のシナリオ分析の結果が出た
- 米株が下落する場合は『買いのチャンス!』と考えたい
注記事項
当サイトのコンテンツを参考に投資を行い、その後発生したいかなる結果についても、当サイト並びにブログ運営者は一切責任を負いません。すべての投資行動は『自己責任の原則』のもとで行ってください。
最後に
Pythonを学びたい方へ
今回の記事ではプログラミング言語『Python』を使って分析をしました。
今やPythonは、マーケットの分析に限らず、あらゆる分野で活用されているプログラミング言語です。
なのでPythonを学んでおけば、米株の投資だけでなく、これからの人生においても心強い味方となってくれるでしょう。
私もPythonを学んでみたい!
という人は以下のリンク先をご覧ください。
プログラミングを学ぼう
なぜプログラミングを学ぶ必要があるのか?その理由がわかります。
そして、ジェイが四苦八苦しながら『これがPythonを効率的に学ぶ方法だ!』と考えることをまとめた内容となっています。
この記事と出会ったのも何かの縁です。
ぜひチャレンジしてみてください!