今朝も恒例の散歩後に仕事を開始。
午後から急に雨あしが強くなってきましたね。
不安定な天気ですが、株式市場の方は株高という分かりやすい展開となっています。
表向きは...
ジェイは引き続き、米株の調整に注目しています。
その理由は投資家の心理に変化がみられるからです。
今日はこの点について考えてみます。
株高でも米ドル高 この背景には何が?
週明けは株高でスタート
米国内では新型コロナウイルスの感染者数が再び増加しています。
中国では北京から南西に位置する河北省の都市(安新県)で、都市の活動を制限する「ロックダウン」を課しています。
さらに今日は、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会が「香港国家安全維持法案」を可決しました。
この法案に対して米国サイドからけん制する動きが見られます。
米中の貿易対立が激化する展開も考えられます。
しかし、週明けの米国株式は株高でスタートしました。
下値ではやはり...
政策相場への期待
がサポート要因となることが、あらためて確認できました。
株高の裏で投資家の心理は微妙に変化している
しかし、株高の裏ではある変化が起こっています。それは...
投資家の心理
の変化です。
ジェイがこの点に気が付いたのが、米ドル相場の動向です。
29日は米国の株式だけでなく、欧州や新興国の株式も軒並み上昇しました。
そして、米国の債券市場では金利が低下してました。
株高と米金利の低下が同時に発生する状況は、どう考えても..
米ドル売りの環境
です。
しかし、実際の相場は、以下のパフォーマンチャートが示す通り、一部の主要な通貨で米ドルは上昇しました。
注目して欲しいのは、リスク性の高い新興国通貨や中国リスクに敏感なオセアニア通貨で米ドル高となっていることです。
対豪ドルではマイナスですが、0.02%という数値を考えるならば、売り買いが交錯したと言えるでしょう。
政策相場とは...
株高と米ドル安のセット相場
です。
そして昨日は...
米国の長期金利も低下
しました。
さらに「コロナショック」が発生して以降、米ドルが買われる時は、このショックが意識される時です。
これらの状況を総合的に考えるならば、株高の局面で米ドルが買われたことは...
「コロナショック第2波」に対する警戒レベルがにわかに高まっている
ということを示唆しています。
「炭鉱のカナリア」の鳴き声は聞こえるか?
投資家の心理の変化がうかがえるのは、外為市場だけではありません。
企業が資金調達のために利用する「社債市場」でも変化が見られます。その変化とは...
低い格付けの社債の価格が下落トレンドへ転じている
ことです。
格付けの低い社債は...
「炭鉱のカナリア」
と呼ばれています。
その昔、炭鉱を採掘する際、有毒ガスの発生が大きな問題でした。
そこで炭鉱の労働者は、人間よりもいち早く有毒ガスに気がづくカナリアの鳴き声で、有毒ガスの発生リスクを知ろうとしたのです。
低格付けの社債は、ハイリスク・ハイリターンの金融商品です。
ゆえに、投資家の不安心理が高まる局面ではハイリスクの部分が意識され、価格は下落します。
そう、投資の世界では...
価格の下落=「炭鉱のカナリア」の鳴き声
なのです。
実際に、このブログで採用している低格付けの社債ETFのチャートを見てみましょう。
赤いゾーンのコロナショック後は、政策期待により急反発。
4月以降は、78ドル~85ドルのレンジで堅調な地合いを維持しています。
しかし、よく見ると...6月上旬に85ドルで上値が抑制された後、下落トレンドを形成していることがわかります。
サポートポイントの78ドルを維持している状況であるため、今はこの下落トレンドを神経質にとらえるタイミングではありません。
しかし、このまま下落基調が続けば、間違いなく78ドルの水準をトライするでしょう。
問題はこの時です。
78ドルを下抜ける展開となれば...
「炭鉱のカナリア」が鳴き始める
でしょう。
そしてこの鳴き声は、他の市場にも響くでしょう。
現時点では政策相場がリスク要因を飲み込む展開となっています。
しかし、株高の局面での米ドル高が続き、「炭鉱のカナリア」が鳴き始めれば、米株高を調整する圧力が一気に高まる可能性がある、現在はそんな状況にあると、ジェイは考えています。
まとめ
今回のまとめです。
- 週明けから米株は政策相場の展開となっている
- 投資家の心理に敏感な変化がみられる
- この点を示唆しているのが株高局面での米ドル買いである
- また、「炭鉱のカナリア」である低格付けの社債の価格も下落トレンドにある
- カナリアが鳴くときは、米株高の調整圧力が高まるとき