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ユーロドルに動きあり!背景には何が?

うーん、米株は強い!
昨日のコメントでは「曇り空はすぐ晴れる」なんて言いましたが、空が晴れていようが曇っていようが関係ない!という強さです。

その一方で、気になるのが米国の長期金利の動きです。

長期金利は10年債の利回りで考えるのが基本ですが、その10年債利回り...
株高に全く反応することなく、0.6%~0.8%の水準で右往左往するばかりです。

一方、ユーロ圏経済を引っ張っているドイツの長期金利は緩やかに上昇しています。

実はこの動きの差は、外為市場で最も取引量の多いユーロドルに影響を与えています。

今日は久々に為替の話です!

今回のキーポイント

1株高にもかかわらず米国の長期金利はまったく反応せず
2ドイツの長期金利は経済対策と株高に敏感に反応している
3米独の利回りはユーロドルのトレンドに変化をもたらしている

普通なら株高と金利の上昇はセットなんだけど

言うまでもなく、株式はリスク性の高い資産です。

一方、国債は安全資産です。
会社がつぶれるリスクと国がつぶれるリスクを比べたら、そりゃ国がつぶれるリスクの方が低いですからね。

ということは、投資家が積極的にリスクを取りに行く局面では、安全資産である国債の需要は縮小するのが普通です。
要は...

株式市場国債の金利
投資家がリスクを取りに行く上昇上昇
投資家がリスクを回避する下落低下

とうことです。

現在は株高と金利低下という変な状況

しかし、現在の米国市場は...

株高の金利低下

という変な状況に陥っています。

本来であれば同じ動きをする2つの市場が、まったく逆の動きとなっている。

その理由は...

パウエルFRBの無制限緩和

にあります。

またまた出てきました「無制限緩和」!

パウエルFRB(以下ではFEDと表記)は現在、無制限に米ドルを供給しています。
その米ドルは株式市場に流れ込んでいます。
このためFEDにより「株高が演出されている」のです。

一方、FEDは国債も無制限で買っています。
国債と金利の動向は逆の関係にあります。
つまり...

国債が買われ価格が上がれば金利は下がる

関係にあるのです。

このため、FEDが無制限緩和を続ける限り...

株高と金利の低下

という変な状況に陥っているわけです。

実際にチャートで確認しましょう。

時間足(2020年2月以降)

上は米国の10年債利回りチャートですが、FEDが無制限緩和を決定して以降、見事なまでにグレーのゾーンの狭いレンジ(0.6~0.8%)で右往左往する展開となっています。

ドイツの金利は正常な反応

一方、ドイツの長期金利(10年債利回り)の動向をチャートで確認すると...

時間足(2020年2月以降)

4月は低下基調にありました。

しかし、5月に入ると底打ちムードが出始め、5月下旬以降は緩やかながらも上昇しています。

つまり...

米国の長期金利横ばい
ドイツの長期金利緩やかな上昇

になっているということです。

ユーロドルは利回りで動く!

利回りの差の動向は非常に重要です。

なぜなら、1日5兆米ドルもの資金が動く外為市場の中で、最も取引量が多いユーロドルのトレンドを左右するからです。

米国の長期金利が横ばいで、ドイツの長期金利が緩やかに上昇しているということは...

米国とドイツの利回りの差は縮小している

ということです。

利回りの差がどれだけユーロドルのトレンドに影響を与えているのか?
実際にチャートで確認すると...

日足(今年5月以降)

ユーロドルのトレンドはドイツの金利次第!

このように考えると、ユーロドルのトレンドを考える上で重要なファクターは...

ドイツの長期金利

とうことになります。

米株が急速に上昇する一方、FEDの無制限緩和により米国の長期金利は今後も狭いレンジで右往左往する状況が続くでしょう。

一方、ドイツの長期金利はEUの経済対策とそれを好感した株高に素直に上昇で反応しています。

欧州の中央銀行(ECB)の緩和政策の継続により、ドイツの長期金利の上昇は抑制されると考えられますので、このまま上昇する可能性はもちろん低いでしょう。

しかし「トレンドフォロー」を重視するならば、現在のドイツの長期金利は上昇なのです。

よって、ユーロドルのトレンドもすごく短いスパンで考える場合、もう少し上昇するとジェイは予想しています。

上値のめどは?

では、ユーロドルの上値のめどは?

日足(2019年9月以降)

上のチャートを見ると、昨年10月以降、1.1200前後で上値が抑制される局面があります。
今後1週間に限定する場合、1.12前後が重要なポイントだとジェイは考えています。

また、上で述べたとおりドイツの長期金利が今後も上昇し続ける可能性も低いことを考えるならば、1.12台へ上昇しても、滞空時間は短いと予想てしています。

1.12台で注目しているレジスタンスポイントは1.1240レベルです。
この水準は、昨年12月31日と今年3月16日に上値を抑制した経緯があります。

まとめ

今回のまとめです。

1米国の長期金利は経済対策と株高に反応せずレンジで推移
2ドイツの長期金利は経済対策と株高に反応し緩やかに上昇
3米国とドイツの利回りの差は縮小している
4利回りの差の縮小はユーロドルの上昇をサポートしている
5短期的なユーロドルの上値のめどは1.1200前後と予想

以上となります。

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