いやぁ、株式市場は本当に強いですね!どのくらい強いのか?このブログで何度か登場しているMSCIの世界株指数にもう一度登場してもらいましょう。
3月後半以降、アルファベットの「V字」のようなかたちで急激に回復していることがわかります。
ちみなみ3月23日の安値1602ドルから昨日までに32%上昇しています。
これは前回のコメントでお話した通り、大量のマネー(米ドル)が株式市場に流れ込んでいることを示しています。
私たちが感じる景気の停滞と、株式市場はまるで別の世界のように感じますが、実は相場の世界で語り継がれてきた「格言」に照らし合わせて考えると現在の状況は、別世界の出来事ではなく、私たち人間の欲望が作り出している現実の出来事であることがわかります。
今日はある相場の格言に沿って、この点について考えてみましょう。
今日のキーポイント
1 | 相場の世界には長く語り継がれてきた格言がある |
2 | そのような格言は相場の真理を見事に突いている |
3 | 現在の株高は投資家の「楽観」が作り出している |
4 | 「楽観」相場は今後も続く可能性がある |
格言こそあなたの最高のアドバイザー
Bull markets are born on pessimism, grow on scepticism, mature on optimism and die on euphoria.
ー強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、そして幸福感の中で消えていく-
これは相場の世界で最も有名と言っていいほどの格言です。
そしてこの格言が今も語り継がれているということは、相場の真理を突いているからでしょう。
この格言と今回の「コロナ相場」を当てはめると、現在の株高が私たちの世界とは別の世界で起こっている出来事ではなく、同じ現実の世界で起こっている出来事であることがわかります。
では、ひとつひとつ照らし合わせてみましょう。
強気相場は悲観の中に生まれる
「強気相場は悲観の中に生まれ...」
これはまさに今年3月後半の局面です。
悲観が極限まで達した3月下旬、トランプ米政権の大規模な財政政策とパウエルFRB(以下FED)の無制限緩和が、現在の強き相場を生み出す芽となりました。
強気相場は懐疑の中に育つ
「懐疑の中に育ち...」
これは4月から5月中旬までの局面です。
株高ムードが高まりつつも調整の反落が見られました。
多くの投資家は本当に株高が続くのどうか?懐疑的だったことがうかがえます。
強気相場は楽観の中で成熟する
「楽観の中で成熟し...」
現在の株式市場は、この地点にいるとidMの管理人ジェイは考えています。
経済活動の再開により、今週の世界の株式は上昇一辺倒となっています。
しかし、米国の新型コロナウイルスの感染者数は未だに2万人前後で推移しています。
また、新興国ではブラジルやロシアで深刻な状況が続いています。
経済活動が再開されているとはいえ、今だ制限付きです。
にもかかわらず、株高の日々が続くということは、投資家が「楽観」しているからです。
この「楽観相場」が終わると次にくるのは...
強気相場は幸福感の中で消えていく
「幸福感の中で消えていく」
「株高は永遠に続くとみんなが幸福感に浸っている」時、すでに上昇相場は終わっているという意味です。この局面が来るなら...
今年の11月以降
とジェイは予想しています。なぜそう考えるのか?その理由は...
理由1 | FEDによる無制限緩和は年内に解除される可能性が低い |
理由2 | トランプ米大統領は大統領選を意識し経済の立て直しに躍起になる |
の2つです。
まずひとつめの理由です。
パウエルFRB議長は景気の先行きについて強い警戒感を示しています。
そして状況次第で新たな政策を講じると表明しています。株式市場とは対照的にFEDは、現在の状況や将来の景気について「楽観」していないのです。
二つ目の理由について。
これが最も重要です。
今年11月3日に米大統領選挙が予定されています。
トランプ米大統領の支持率の基盤は経済です。
2017年に就任後、大規模な減税政策を実施し戦後最長の経済成長を実現しました。
この実績がトランプ米大統領を支えてきました。
しかしコロナショックにより米国の経済は深いダメージを受けました。
ダメージはトランプ米大統領の支持率にも及んでいます。直近の支持率を確認すると...
トランプ米大統領の支持率 | 42.9% |
民主党バイデン候補の支持率 | 48.4% |
トランプ米大統領の支持率が低下していることがわかります。
あなたがトランプ米大統領ならこの窮地をどう乗り切りますか?
そう、経済を立て直すことに全力を尽くすでしょう。なぜか?
経済の成長-これこそが、トランプ米大統領の唯一の実績だからです。
この実績をもう一度国民にアピールするためには、コロナショックで深いダメージを受けた経済を劇的に回復させるか、もしくはその期待を国民に抱かせることです。
これに成功すれば支持率を回復させることができるでしょう。
逆に言えば、経済の回復を邪魔するようなことは一切しないということです。
邪魔する勢力も全力で排除するでしょう。
このように考えると「強気相場は楽観の中で成熟」する「楽観相場」は続くと予想します。
そして投資家にとって重要なことはトレンドをちゃんと見極め、それに乗る「トレンドフォロー」のスタンスを常に重視することです。
まとめ
今回のコメントのまとめです。
長く語り継がれてきた格言は最高のアドバイザー |
現在の株式市場は「楽観相場」の局面にある |
2つの理由から米株は上昇トレンドを続くだろう |
「トレンドフォロー」のスタンスが重要 |
以上です。