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またこの記事は、2020年11月25日の記事をアップデートした内容となります
前回の記事で最後にふれたオシレーター系の指標って何ですか?
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前回の記事【チャート分析】アバララ(AVLR)の分析 アップデート 前編
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前回の記事の最後に『オシレーター系の指標』を使って、アバララ(AVLR)の買いポイントを2つピックアップした、といいました。
今回のテーマは、そのオシレーター系指標の基本的な使い方にのみフォーカスして、より深くアバララ(AVLR)の株価を分析したいと思います。
なお、テクニカル分析は奥の深い分野です。よってこのサイトでは、”基本的な使い方についてのみ” 説明します。
テクニカル分析を詳しく勉強したいという方は、この記事の最後で紹介している『おすすめの良書』をご覧ください。
今回紹介する本はジェイや同僚、そして知り合いの投資家さんたちが実際に使って勉強した本ばかりです。
今回のテーマ
オシレーター系指標の基本的な使い方と売買ポイントの見つけ方
この記事の対象となる人
こんな人におすすめ
- 米株の投資を考えている人
- 投資の経験が無い人 / 浅い人
- テクニカル分析を学びたいと考えている人
記事を読んでわかること
わかること
- ストキャスティクスとMACDの基本的な見方
- 売買ポイントの見つけ方
- テクニカル分析を学ぶ良書
結論からいいます
結論
- テクニカル分析の初心者におすすめの指標はストキャスティクスとMACD
- テクニカル指標は組み合わせて使うこと。そうすることで『だまし』を回避する可能性が高まる
- アバララ株は予想どおり25日線で反発。今後のトレンドは5月の決算次第
- テクニカル分析は奥が深い。それに関する本を一冊だけ読み込もう。そして実際に使ってみよう
他の指標と組み合わせて使う
本題に入る前にテクニカル分析、特にオシレーター系の指標を使うときは、以下の点がとても重要です。
それはー
重要ポイント
必ず他のテクニカル指標と組み合わせる
ということです。
テクニカル指標には『だまし』が存在します。
オシレーター系の指標で売りや買いのシグナルが出ても、実際の相場がシグナルとは別の方向に動くことを『だまし』という
そしてこの問題は、オシレーター系の指標を含めテクニカル分析全般で避けて通れません。
このため『だまし』の可能性を見抜くために、他のテクニカル指標と組み合わせて、より分析の精度を高める必要があります。
○○系の指標の違いって何?
さて、ここからが本題です。
今回は『オシレーター系の指標』を使って、アバララ(AVLR)の株価をもっと詳しく分析していきます。
しかし、そもそも『オシレーター系の指標』ってなんでしょうか?
オシレーター系の指標とは?
オシレーター系とは?
オシレーターとは『振り子』もしくは『振り幅』という意味です。
投資の世界では、振り子(オシレーター)の状況を見て『買われ過ぎ』『売られ過ぎ』を判断します。
このためオシレーター系の指標は、『逆張り』の投資によく使われます。
上のことを簡単に言えばー
つまり...
- 『買われ過ぎ』のシグナルが出ていれば『売り』を仕掛ける
- 『売られ過ぎ』のシグナルが出ていれば『買い』を仕掛ける
それがオシレーター系指標の特徴です。
トレンド系の指標とは?
オシレーター系とよく比較されるのが『トレンド系』です。
トレンド系とは?
トレンドとは文字通り『相場の流れ』を意味します。
よってトレンド系の指標は、今の相場の流れは上昇トレンドなのか?下落トレンドなのか?それともレンジなのか?を判断する時に使われます。
よく使われるトレンド系の指標が、前回の記事で使った『移動平均線』です。
どんなオシレーター系の指標が使わているの?
長い相場の歴史の中で、色々なオシレーター系の指標が開発されてきました。
その中でも、以下の3つの指標は多くの投資家に使われています(実務をとおしたジェイの経験則)。
オシレーター系の指標
- RSI(相対力指数)
- ストキャスティクス
- MACD
最後の『MACD』だけはちょっと特殊です。なぜかと言いえば以下の特徴があるからです。
MACDの特徴
移動平均線を使っているため『オシレーター系』の特徴だけでなく『トレンド系』としての特徴も持っている
MACDについては、後ほど説明します。
アバララのテクニカル分析
今回とり上げるオシレーター系は以下の2つです。
今回のオシレーター系指標
- ストキャスティクス
- MACD
この2つを取り上げた理由はー
ポイント
売買のポイントがわかりやすい
からです。
さっそくオシレーター系を描画(びょうが)したチャートを見てみましょう。
まずは、ストキャスティクスからです。
ストキャスティクスの基本
ストキャスティクスの詳細については、この記事の最後で紹介している『おすすめ本』をご覧ください。
この記事では『ここさえ押さえておけばOK!』という点にフォーカスします。
アバララ(AVLR)の日足チャート
オシレーター系の指標は一般的に、価格チャートの下にラインで表示されます。
ストキャスティクスは見てのとおり、2本のラインで表示されます。
ストキャスティクスのライン
- %K(パーセントK)
- %D(パーセントD)
上のチャートでは青ラインが『%K』、緑ラインが『%D』となります。
ストキャスティクス『○○し過ぎ』のエリア
2本のラインがあることを知った上で最も注目して欲しいポイントは、上の%Kと%Dがクロスしている”水準”です。
ここでいう”水準”こそが、『買われ過ぎ』『売られ過ぎ』を示すエリアとなるからです。
○○し過ぎのエリア
- 80:買われ過ぎのエリア
- 20:売られ過ぎのエリア
もう一度日足のチャートを見ると、今年の2月以降、ラインが ”○○し過ぎ” のエリアでクロスしている状況が ”3回" 確認できます。
アバララ(AVLR)の日足チャート
クロスポイント
① 80以上で%K(青)ラインが%D(緑)ラインを下抜けている
② 20以下で%K(青)ラインが%D(緑)ラインを上抜けている
③ 80以上で青%K(青)ラインが%D(緑)ラインを下抜けている
4月23日の株価が上昇したことで、%Kと%Dのラインがクロスしつつあります。これも買いのシグナルとなり得ます。
しかし『だまし』の可能性もあります。
なので、ストキャスティクスで売買のタイミングを見極めるためには、『80以上もしくは20以下で2つのラインがクロスしていること』が最も大事であることを上のチャートは教えてくれています。
前回の記事でジェイが注目したのが『③』です。これは『買われ過ぎ』のシグナルです。
事実、アバララ(AVLR)の株価を見ると、『③』のシグナルが点灯した後に151ドルの水準で上値が抑制され、3日連続で下落しました。
買われ過ぎのシグナルは正しかったのです。
MACD
この記事の冒頭で『オシレーター系は他の指標と組み合わせて使う』と、ジェイは指摘しました。
ストキャスティクスとよく組み合わせて使われる指標が『MACD』です(実務をとおしたジェイの経験則)。
MACDの詳細については、この記事の最後で紹介している『おすすめ本』をご覧ください。
この記事では、MACDの基本についてのみ簡単に説明します。
MACDの構成
MACDは、2つのラインとひとつのヒストグラム(棒グラフ)で表されます。
MACD 2本のラインとヒストグラム
- MACDライン
- シグナルライン
- ヒストグラム
次は基本的な見方について。
MACDの見方
買いシグナル
MACDラインがシグナルラインを上にブレイクする時
これを『ゴールデンクロス』といいます。
売りシグナル
MACDラインがシグナルラインを下にブレイクする時
これを『デッドクロス』といいます。
理解するためには視覚で確認することが一番。さっそくチャートにMACDを表示させてみましょう。
MACDでアバララを分析
アバララ(AVLR)日足チャート
MACDラインが緑ライン、シグナルラインが赤ラインとなります。
チャート画像に番号を振りました。
①と③がゴールデンクロスとなります。実際に株価が上昇していることがわかります。
そして②がデッドクロスとなります。株価が下落していることがわかります。
問題は今のラインの動きです(2021年4月23日時点)。
ストキャスティクスとは違い、2つのラインがクロスすることなく上昇基調を維持しています。
アバララ(AVLR)の株価も25日移動平均線(MA)で反発し、151ドルを目指す展開となっています。
ジェイが注目したこととは?
最後にストキャスティクスとMACDを並べて、アバララ(AVLR)の株価をもう一度みてみましょう。
アバララ(AVLR)日足チャート
ジェイが注目したのはー
注目したポイント
ストキャスティクスは下落トレンドの強さを示す一方、MACDは上昇トレンドの強さを示している
という点です。
4月16日から20日かけてアバララ(AVLR)の株価が下落している時(③の状況の時)、それに反応したのがストキャスティクスです。
しかし、MACDではデッドクロスとならず、上昇トレンドが続くシグナルが出ていた。
トレンドの強弱がぶつかり合うシグナルが2つのオシレーター系指標で確認できたということは、アバララ(AVLR)株の下落は『一時的な調整の反落』の可能性が高い、とジェイは判断したわけです。
調整の反落ならば、下落幅は限定的となるだろう...だったら、サポートラインとして意識されている25日移動平均線(MA)あたりでMACDのシグナルが示すとおり株価は反転するだろう、と分析したわけです。
よって、前回の記事で使った移動平均線と今回のオシレーター系指標の分析の結果、ジェイは25日移動平均線(MA)がアバララ(AVLR)株を買うポイントのひとつとしてピックアップしました。
予想どおり25日移動平均線が株価をサポート
そして、今のアバララ(AVLR)株は予想のどおり25日移動平均線(MA)でサポートされる展開となっています(2021年4月23日時点)。
アバララ(AVLR)日足チャート
5月の決算に注目
アバララ(AVLR)の株価は、再び151ドルのレジスタンスポイントを目指す展開となっています。
しかし今後の展開は、5月7日(日本時間早朝)に発表されるアバララ(AVLR)の決算次第です。
これまでどおり好決算を発表する場合、151ドルの水準を突破するとジェイは予想しています。
また、前回の記事で指摘した『165ドル』をトライ&ブレイクする可能性もあります。
問題は、決算が市場予想を下回る場合です。
この場合は、25日移動平均線(MA)の次に重要なサポートポイント『120ドル』をトライ&ブレイクする可能性があります。
なぜ決算の内容が株価のトレンドを大きく左右するのか?
そして米企業決算で注目すべきポイントはどこか?
次回は、米企業決算の基本的な見方について解説します。
予習のためにちょこっとだけ言いますとー
米企業決算の見方
- 売上高とEPSが市場の予想を上回るかどうか
- 通期の利益予想が市場の予想を上回るかどうか
- 個別の要因について見通しは明るいか否か
米国の企業決算を見る上で、上の3つが重要なポイントです。
テクニカル分析の良書
冒頭でも言いましたが、テクニカル分析は奥の深い分野です。
なので、テクニカル分析に関する良書を一冊だけ読み込むことをおすすめします。
そして、本から得た知識を繰り返し実践で使ってみてください。
ジェイがおすすめするテクニカル分析の本は以下となります。
それぞれ特徴がありますので、『これは自分に合うな』と思った本を手元に置いておくと良いでしょう。
おすすめ本
最初にご紹介する本は、ジェイも読み込んだ一冊です。ちなみにジェイの同僚の何人かも、この本でテクニカルを学んでいました。
正直に言いますと、これ一冊あればテクニカル分析の本は十分です(ジェイの感想)。
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先物市場のテクニカル分析
この本の特徴
・たった一冊で色んなテクニカル指標の解説がつまっている
こんな人におすすめ
・色んなテクニカル指標を一冊の本だけで学んでみたい
読むコツ
・初めから順に読む必要なし
・このブログでとり上げたテクニカル指標やあなたが興味を持ったテクニカル指標のページのみを読めばOK
次の一冊は、オシレーター系の指標を学ぶための良書です。
単に『売られ過ぎ』『買われ過ぎ』という見方以外にも、オシレーター系指標には色々な使い方があることを学べる『目から鱗』の一冊です。
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ワイルダーのテクニカル分析入門 ——オシレーターの売買シグナルによるトレード実践法
この本の特徴
・オシレーター系指標の効果的な使い方が満載
こんな人におすすめ
・オシレーター系指標を深く学んでみたい人
読むコツ
・オシレーター系指標が持つそれぞれの特徴に注目して読み進めると理解しやすい
・市場にトレンドがある時とない時でどんなオシレーター系指標を使うのか?この点に注目すると理解が深まる
最後に紹介する本は、投資をすること自体が初めてという人向けの本です。
そういう方には、図柄や漫画を多く用いた読みやすい本をいつも進めています。上で紹介したような本は、心理的なハードルが高いからです。
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7日でマスター 株チャートがおもしろいくらいわかる本
この本の特徴
・シンプルなチャート画像で基本的かつ重要なポイントにのみフォーカスしている
・会話形式で読み進めるため頭に入りやすい
こんな人におすすめ
・投資の初心者
・これからテクニカル分析に挑戦してみたい人
読むコツ
・最初から順を追って読む
・重要なところは太文字やカラーで強調されている。これらの箇所を覚える意識で読む
なお、この本はテクニカル分析の基本であるローソク足の見方を中心に書かれています。
ローソク足は、テクニカル分析の基本の『き』です。
これから投資を始める人、投資の経験が浅い人はぜひ上の本から勉強されることをおすすめします。
まとめ
・オシレーター系の指標は組み合わせて使うことで分析の精度を上げることができる
・ストキャスティクスとMACDを使ってアバララ(AVLR)の株価を分析した結果、25日線で反転するという予測が当たった(4月23日時点)
・テクニカル分析は奥の深い分野。なので勉強が必要。一冊の良書を手元に置き、読みながら実践で使うという練習を繰り返していこう
注記事項
当サイトのコンテンツを参考に投資を行い、その後発生したいかなる結果についても、当サイト並びにブログ運営者は一切責任を負いません。すべての投資行動は『自己責任の原則』のもとで行ってください。