昨日の米株は冴えない動きでしたね。
今日の日本株も同じような展開となっています。
ここまで上昇スピードが速かったこともあり、短期的な相場の過熱感が意識されているようですね。
まぁ正常な反応です。
過熱感といえば、外為市場では米ドル安のトレンドがさらに熱をおびてきましたね。
この点については、idMでコメントしてきたことであり、特に驚きはありません。
注目すべきは、その米ドル安の流れに上手く乗っている通貨を見つけることです。
今日はこの点についてお話します。
今回のキーポイント
1 | 株高トレンドの進行にともない米ドル安の圧力もさらに高まっている |
2 | 米ドル安のトレンドに上手く乗っている通貨がある |
3 | 「株高+米ドル安」の政策相場は続く可能性あり |
トレンドにうまく乗っている通貨 それは...
米ドル安のトレンドに上手く乗っている通貨...
それもみなさんにとって馴染みのある通貨といえば...
「豪ドル」
です。
実際にチャートで確認しましょう。
3月の下旬から反転し、調整を挟みながら現在も上昇トレンドを維持していることがわかります。
①政策相場の感応度が半端ない豪ドル
上のチャートで最も注目すべき点何か?それは...
「3月下旬以降に反転している」
ということです。
なぜか?
それは「政策相場」が発生したタイミングだからです。
政策相場とは「米国の大規模な財政政策と無制限の金融緩和によって生み出された相場」のことです。
外為市場の動向を確認すると、豪ドルほど政策相場が発生したタイミングと同時に反転している先進国通貨はありません。
例えば、ドル円などは少し前まで、107円を中心としたレンジ相場で売り買いが交錯する状況が続いていました。
ユーロドルも1.08-1.10レンジで右往左往していました。
しかし、豪ドルは3月下旬からすでに上昇トレンドへ転じていたのです。
これは、政策相場に対する感応度が相当高いことを示唆しています。
感応度が高いということは、来週以降も政策相場が続く場合、豪ドルはさらに上値を試す可能性がある、ということです。
②中国の経済状況に対する感応度が半端ない豪ドル
政策相場だけではありません。
豪ドルは中国の経済状況にも敏感に反応する通貨なんです。
なぜか?
オーストラリア(以下では豪州と表記)にとって中国は最大の貿易相手国だからです。
中国の経済は急回復の期待が高まっています。
よって現在は、豪州の経済が回復する期待も高まりやすい状況にあります。
豪州の経済に対する期待が高まりやすいということは、豪ドルにとってはポジティブな要因です。
5月下旬以降、特にこの点が意識され、豪ドルは対米ドルで節目の0.70を突っかける動きが見られます。
③豪ドル相場を考える上で重要な市場とは?
政策相場に中国経済の急回復...だけが豪ドル相場の上昇トレンドをサポートしているわけではありません。
もうひとつ重要なことがあります。
それは...
「資源価格」
です。
なぜ資源価格が重要なのか?
それは...
「豪州が資源を輸出する国」
だからです。
豪州の輸出品目は、鉱物や燃料といった資源関連の品目が66%以上を占めます。
※2018年時点
そう豪州は資源の輸出大国です。
そして中国は資源の輸入大国です。
なので...
1 | 中国経済が回復する |
2 | 資源の需要が回復する |
3 | 豪州の貿易量が回復する |
というサイクルが出来上がっているのです。
だから、豪ドル相場のトレンドを考える上で中国の経済状況と資源価格の動向をチェックすることが重要になるのです。
来週も豪ドルは上値を目指す可能性あり
さて、来週の豪ドル相場ですが、対米ドルで引き続き上値を試す展開が続くとジェイは考えています。
もう一度チャートで上値のポイントを探ると...
「0.70レベル」
の攻防となっていることがわかります。
現在の上昇トレンドと、それをささえる3つの要因がしっかりしていることを考えると、0.70の水準を突破する可能性が高いと考えています。
問題はその後です。
調整の売りにより下落しても、0.70が相場をサポートする状況が続けば、市場参加者は豪ドルのブルトレンドを意識するでしょう。
そうなると、さらに上値を目指す可能性が高まります。
そう、来週の真の焦点は...
「0・70がサポートとして意識されるかどうか」
この点にあると考えています。
まとめ
今回のまとめです。
1 | 株高と米ドル安がセットになっている政策相場が続いている |
2 | 政策相場に敏感している通貨が豪ドル |
3 | 中国経済の急回復も豪ドル相場をサポートしている |
4 | 資源価格の反発も豪ドル相場のサポート要因となっている |
5 | 来週も豪ドルは対米ドルで堅調地合いを維持する可能性あり |
6 | 焦点は0.70台の維持 |
以上です。