5月下旬の株高はすごいですね。
昨日の米株と今日の日本株はさすがに利益を確定する動きから反落しました。
しかしこれまでコメントしてきたとおり、米株の上昇基調は続くと予想します。
では...
「いつまで上昇するのか?」
これを予測することが重要です。
しかし未来を完全に予測することは、現在の人間には不可能です。
人間の能力を超えているからです。
だけどある程度は「こうなるんじゃないか?」という予測を立てる方法があります。
今日はこの点についてお話します。
今回のキーポイント
未来を予測するにはまず「同じ過去」を探す |
「同じ過去」をよくみる |
今回の株高の未来はある過去の動きが参考になる |
少なくとも今年の11月まで今回の株高は続く可能性がある |
やはり過去は大事だよ
みなさんは未来を予測する上で需要なことって、何だと思いますか?
idMの管理人ジェイは過去をちゃんと見ることだと思っています。
なぜなら、過去があるから現在があり、そして未来へつながるからです。
過去は未来の起点なんです。
では、現在の株高がいつまで続くのか?
このことを予測する場合、重要となるのが過去になるわけですが、過去といっても色々あります。
そこで重要なのは...
「同じ(ような)ことが起こった過去」
を探すことです。
そして同じ過去があった場合、それをもう一度振り返ることです。
過去にもあった今回の株高
今回の株高は、パウエルFRB(以下ではFEDと表記)による無制限の緩和政策によってサポートされています。
そしてFEDの緩和政策 ⇒ 株高という展開は、実は過去にもあったのです。
それが....
「2009年から2014年の株高」
です。
当時のFED(バーナンキFRB)は、大規模な資金を市場に供給する量的緩和政策を実施していました。
この政策は2014年10月末にイエレンFRBによって終了しました。
この時の動向とその後の動向を比較してみると...
「今回の株高がいつまで続くかのか?」
というヒントを得ることができます。
2015年にガラッと変わった米株
今回も機関投資家(プロ投資家)が重視するS&P500で米株の動向を確認します。
期間は2008年以降-そうリーマンショック以降です。
2008年11月に、FEDは大規模な量的緩和政策に踏み切りました。
そして2009年3月に米株は底を打ち、2014年まで順調に上昇していることがわかります。
この間の上昇は、量的緩和政策によって供給された大量の米ドルが、株式市場に流れ込んでいたことを示しています。
次に注目して欲しいのは...
「2015年から2016年にかけての動き」
です。
上値が重くなっていることがわかります。
順調に上昇していた米株が、なぜ突然こんなトレンドになってしまったのか?
それは...
「2014年10月末にイエレンFRBが量的緩和を終了した」
からです。
量的緩和が終了するということは...
FEDが米ドルの供給を止める |
米ドルの供給が止まると株式に投資する資金が減る |
そして米株の上値が重くなった |
ということです。
また、この時は中国ショック(上海株の急落と通貨人民元の切り下げ)や原油安といったリスクイベントが発生しました。
これらが意識され米株の上値が重くなったのは事実です。
しかし、上値が重くなった原因はFEDからの資金供給が止まることでした。
今回の株高はいつまでつづくのか?
ここまでは「同じ過去」を見てきました。
では次に
「今回の株高がいつまでつづくのか?」
という未来について予測してみましょう。
ジェイの答えを先に言えば、株高が続く期間は....
「FEDの無制限緩和が解除されるまで」
というこになります。
これは2009年から2014年までの株高と2015年から上値が重くなった事実が、重要なヒントになっています。
そうなると、別の疑問がわいてきます。それは...
「FEDはいつ無制限緩和を解除するのか?」
という疑問です。
この問いに対するジェイの答えは...
「今後の情勢次第」
です。
今後の情勢を具体的にいうと...
1 | 今年の秋以降に再び新型コロナウイルスの感染が拡大するか |
2 | 今年11月の大統領選と低下しているトランプ米大統領の支持率 |
です。
情勢1については、ワクチン開発の進展状況も考える必要があります。
秋以降、再び新型コロナウイルスの感染が拡大する一方、ワクチン開発が遅れるならば、米株は下落トレンドへ転じる可能性を意識すべきでしょう。
より重要なのは、情勢2の方です。
トランプ米大統領はコロナショックによって傷ついた経済を全力で立て直そうとするでしょう。
強い経済が最大の業績だらかです。
統領選挙で再選を果たすためには、経済の立て直しで支持率を上昇させる以外に方法ありません。
これしか方法がない以上、経済の立て直しを邪魔する勢力は全力で排除しようとするでしょう。
まとめ
今回のコメントのまとめです。
1 | 未来を予測するにはまず「同じ(ような)過去」をみる |
2 | 今回の株高は2009~14年の株高と背景が似ている |
3 | FEDが無制限緩和を解除するまで今回の株高は続く |
4 | 無制限緩和が解除される時期は今後の情勢次第 |
5 | 少なくとも今年の11月まで無制限緩和の解除はできない可能性あり |
以上です。