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【米国株ETF】下落の局面でも魅力をいかんなく発揮する『VIG』

ーこの記事は3分で読めますー

前回の記事では、ジェイがポートフォリオのコア銘柄にすえている『バンガード・米国増配株式ETF(通称VIG)』についてご紹介しました。

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今回はその続編ということで、VIGが持つもう一つの魅力についてお話しします。

前回と今回の記事を読めば、VIGがポートフォリオのコア銘柄のひとつにふさわしいことがわかります。

また、今回はプログラミング言語の『Python』を使ってー

やること

  • 分析に必要なデータを取得
  • パフォーマンスの計算
  • チャートの描画

をやっていきます。

もちろん、Pythonコードもご紹介します。

今回のテーマ

PythonでVIGの ”もう一つの魅力” を知ろう

ぜひ、最後までご覧ください!


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この記事はこんな方におすすめ

こんな方におすすめ

  • 米国株の投資に興味がある人
  • ETFの投資に興味がある人
  • Pythonを学びたいと考えている人

 

この記事で何がわかるの?

わかること

  • VIGの ”下落局面” での魅力について
  • Pythonでデータを取得する方法
  • Pythonでパフォーマンスを計算する方法
  • Pythonでチャートを描画する方法

 

本題

さて、本題です。

VIGが持つもうひとつの魅力とはー

VIGの強さ

他の高配当ETFと比べて下落幅が限定的になる傾向がある

という点にあります。

この点ついて、米国株(アメリカ株)が大混乱に陥った『コロナショック』および『リーマンショック』時のパフォーマンスを比較して確認してみましょう。

比較の対象となるのは、もちろん高配当ETFです。

前回の記事でも取り上げた『バンガード米国高配当株式ETF(通称VYM)』で、パフォーマンスを比較してみます。

また今回は、VYMと同じく、多くの投資家に人気のある高配当ETF『iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(通称HDV)』でも比較してみます。

分析の概要

対象の期間(下落→相場が底を打つまでの期間)
・コロナショック:2020年2月19日〜3月23日
・リーマンショック:2007年10月10日〜2009年3月6日

比較の対象
・バンガード米国高配当株式ETF (VYM)
・iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF (HDV)

なお、HDVが最初に設定されたのは、2011年3月29日です。

なので、リーマンショック時の比較はVYMのみとなります。

 

VIGとコロナショック

まずは、記憶に新しい『コロナショック』のパフォーマンスを確認してみましょう。

コロナショックが米国株(アメリカ株)を襲ったのは、2020年2月19日から同年3月23日です。

まずは、プログラミング言語のPythonを使って、上の期間の株価データから取得してみましょう。

Pythonコード:データの取得

コード欄は、左右にスクロール(スワイプ)できます。

#ライブラリのインポート
import pandas as pd
import yfinance as yf
import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.pyplot import rcParams
%matplotlib inline


#データの取得
tickers = ['VIG', 'VYM', 'HDV']

df = pd.DataFrame()

for i in tickers:
    df[i] = yf.download(tickers=i, 
                        start='2020-02-19',  
                        end='2020-03-24', interval='1d', 
                        auto_adjust=True)['Close']

すべてのETFデータがちゃんと取得できているかどうか?を確認するとー

ちゃんと、2月18日から3月23日までのデータを取得できていることが確認できました。

なお、最初のデータ取得日を『2月18日』としたのは、この日を基準日(通常は0, 1, 100といった数字を基準日にあてる)とするためです。

そうすることで、2月19日からの正確なパフォーマンスが計算できます。

 

Pythonコード:パフォーマンスの計算

次に、ETFのパフォーマンス(下落率)を計算します。

また、後でチャートに凡例として表記するために、相場が底を打った3月23日の下落率もここで設定します。

#パフォーマンスを計算
df_performance = (df/df.iloc[0]-1)*100

#チャートに描画する凡例(3月23日の下落率)の設定
df_performance_label = df_performance.iloc[-1].sort_values(ascending = False)

 

Pythonコード:チャートの描画

最後にパフォーマンスチャートを描画します。

#チャートとフォントのサイズを設定
rcParams['figure.figsize'] = 15,9
rcParams['font.size'] = 20

#VIG
df_performance.VIG.plot(lw = 3, c = 'black', 
                        label = 'VIG :' + str(round(df_performance_label.VIG, ndigits=2))+ '%')

#VYM
df_performance.VYM.plot(lw = 3, c = 'red', 
                        label = 'VYM :' + str(round(df_performance_label.VYM, ndigits=2))+ '%')

#HDV
df_performance.HDV.plot(lw = 3, c = 'blue', 
                        label = 'HDV :' + str(round(df_performance_label.HDV, ndigits=2))+ '%')

#チャートの細かい設定
plt.xlim('2020-02-18', '2020-03-25')
plt.legend(fontsize = 25)
plt.xticks(rotation = 20)
plt.grid(True)

上のコードを実行すると、以下のチャートが描画されます。

コロナショック時のパフォーマンス

分析のコメント

コロナショックの時は、米国株(アメリカ株)が総崩れとなりました。

それでもVIGの下落率は31.51%と、一番小さいショックで済んでいることがわかります。

また、下落幅が拡大した2020年の3月以降は、常にVYMやHDVのパフォーマンスを上回っていることもわかります。

 

VIGとリーマンショック

では次に、リーマンショック時のVIGとVYMのパフォーマンスを比較してみましょう。

Pythonコードは、『コロナショック』のコードとほぼ同じです。

なので、今回は一気にご紹介します。

Pythonコード:リーマンショック

#ライブラリのインポート
import pandas as pd
import yfinance as yf
import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.pyplot import rcParams
%matplotlib inline


#データの取得
tickers = ['VIG', 'VYM']

df = pd.DataFrame()

for i in tickers:
    df[i] = yf.download(tickers=i, 
                        start='2007-10-10',  
                        end='2009-03-06', 
                        auto_adjust=True, 
                        interval='1d')['Close']
    

#パフォーマンスの計算
df_lehman_shock = (df/df.iloc[0]-1)*100


#チャートの描画
#VIG
df_lehman_shock.VIG.plot(lw = 3, c = 'black', 
                        label = 'VIG :' + str(round(df_lehman_shock.VIG.iloc[-1], ndigits=2)) + '%')


#VYM
df_lehman_shock.VYM.plot(lw = 3, c = 'red', 
                        label = 'VYM :' + str(round(df_lehman_shock.VYM.iloc[-1], ndigits=2)) + '%')


#チャートの細かい設定
plt.legend(loc = 1, fontsize = 25)
plt.axhline(y = 0, color = 'black', lw = 3, ls = '--')
plt.grid(True)

上のコードを実行すると、以下のチャートが描画されます。

分析のコメント

リーマンショックは、『世界金融危機』とか『100年に一度のショック』と言われるくらいの経済史に残る大事件でした。

このため『コロナショック』以上に、米国の株式市場も荒れました。

当時、現場で仕事(当時は為替のディーリング業務)をしていて思ったことは、『世界の市場が本当に崩壊するんじゃないか』ということです。

そんな大ショックに見舞われた時のVIGのパフォーマンスを確認すると、46%超も急落したことがわかります。

しかし、VYMは約57%の暴落となりました。

しかも、コロナショックの時と同じく、下落の局面でもVIGのパフォーマンスはVYMのそれを常に上回っていることがわかります。

 

結論

世界の金融市場を襲った2つのショックの時に、VIGの下落率は他の高配当ETFと比較してー

VIG魅力

下落の局面でも強い

ことがわかりました。

 

VIGが下落局面で強い2つの理由

このVIGの魅力の理由は、2つあると思います。

2つの理由

  • 10年以上増配している銘柄を採用していること
  • ディフェンシブ・セクターをうまくブレンドしていること

金融市場で先行きの不透明感が高まると、株式市場では財務の健全な企業に投資の資金が集まる傾向があります。

財務が健全なのでー

VIGの魅力

景気が後退しても連続増配を維持してきた

という実績のある企業を多く採用しているがゆえに、下落の局面でもVIGは底堅い展開となる(多くの投資家に選好される)傾向がある、と考えられます。

 

そしてジェイがより注目しているのが、2番目の理由です。

VIGのセクター配分を確認するとー

出所:Vanguard / 2022年3月31日時点

景気の動向に左右されにくいディフェンシブ・セクター(緑枠)の割合がー

割合

31.5%

もあります。

さらにこの中から、10年以上も連続で増配できる優良企業を厳しく選定しているからこそ、VIGは下落の局面でもその魅力を存分に発揮できると考えられます。

だからこそジェイは、VIGをポートフォリオのコア銘柄にすえているのです。

 

ETFのことを学ぶなら

今回の主役はー

主役

ETF(上場投資信託)

です。

ETFは、金融商品の中で『20世紀最大の発明の1つ』と言われています。

そんなETFについて、初心者の方が簡単に学べる1冊が、以下の本です。

今年、本書の改訂版が出版されました。

世に多くあるETF関連本の中でも、異例のロングセラー本であり、

・ETFとは何か?
・ETFの魅力とは何か?
・ETFのおすすめ銘柄は?

初心者の方が抱くであろうこれらの疑問に対して、きっちりと分かりやすく答えてくれる良書でもあります。

 

今回の記事では『ポートフォリオのコア銘柄』というキーワードが多く出てきます。

この本を読めば、ETFこそがコア銘柄におすすめの金融商品であることがわかります。

 

また、本書の中で『スマートベータ』という言葉が出てきます。

これは、指数に連動するパッシブ運用と、個別株のリターンを積極的に狙っていくアクティブ運用の中間的な運用という意味合いで使われています。

今回の主役である『バンガード・米国増配株式ETF』は、配当と企業のファンダメンタルの面でスマートベータに関連したETFと言えます。

 

つらつらと書きましたが、ETFについて何も知らない初心者の方が最初に手にする本として、『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい 世界No.1 投信評価会社のトップが教えるおすすめ上場投資信託』は、最適の1冊です。

ぜひ、ご一読ください!

今回のまとめ

まとめ

・『VIG』は下落の局面でもその魅力をいかんなく発揮できるETFである
・その理由は、10年以上連続で増配できる優良企業を厳選していることにある
・また、景気の影響を受けにくいディフェンシブ・セクターが3割も組み込まれていることも、下落局面での強さにつながっている

今回は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


注記事項

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