前回までのおさらいです。
コロナショックの影響で企業の収益が急速に落ち込むことが予想されるけど、米国株式の水準は高いよね... でも投資では「トレンドフォロー」を重視することが重要だよ、というお話をしてきました。
トレンドフォローとは「相場の流れに乗る」ということです。
しかし、流れに乗るだけでは十分ではありません。
実はもうひとつの重要なことがあります。
今日はこの事についてコメントします。
勝負の場所を決めろ!
結論から言います。もう一つ重要なこととは...
「勝負する場所を決める」
ということです。
みなさん、こちらのコメントを覚えているでしょうか?
投資には覚えておきたい基本的なことがいくつかあります。
その中の一つが「成長性の見込める国や地域で勝負をする」ということです。
これは考えてみれば当たり前の話です。
成長性が高ければ、その国や地域の経済は発展します。
経済が発展する(もしくはその期待が高い)ところにマネーは流れていくのです。
マネーが流れるということは、その国や地域の株式市場は上昇トレンドを維持するということです。
3月23日にパウエルFRB(以下FED)が、無制限の量的緩和政策という前代未聞の政策を打ち出してから2か月が経とうとしています。
この間、世界の主要な株価指数は軒並み上昇トレンドへ転じました。
しかし、パフォーマンスには「差」が生まれています。そしてこの「差」こそが...
「勝負する場所を決めるための重要な指標」なのです。
では、3月23日以降の主要な株価指数のパフォーマンスを比較して、どこの国や地域の市場にマネーが流れているのか?この点を確認してみましょう。
勝負をするなら「米国」
パフォーマンスの指標に用いるのは、MSCIの株価指数インデックスです。これを用いる理由は....
・国や地域のパフォーマンスを簡単に比較できる
・世界全体の株式パフォーマンスと比較できる
・米ドルという基軸通貨が評価基準となる
からです。特に為替を米ドルに統一することは重要です。
なぜならこの世界には様々な通貨があり、その数だけ価値もバラバラだからです。
通貨の基準を統一することでより公平なパフォーマンスの比較ができます。
前置きはさておき、実際のパフォーマンスを確認しましょう。
各国の株式パフォーマンス
以下は具体的なパフォーマンスの数値です。
一目瞭然ですね。勝負すべき場所はやはり...
「米国」です。
そう考える理由は...
・他の国や地域と比較し米国の株式パフォーマンスは突出して良い
・世界の株式パフォーマンスを唯一上回っているのは米国の株式のみ
・日本、欧州そして新興国の株式には頭うち感が出始めている
一番重要なことは上の二つでしょう。
米国の株式(US)は129(29%)の上昇です。
世界の株式125(25%)を上回るパフォーマンスをたたき出しています。
パフォーマンスが良いということは、マネーが米国の株式市場に流れている証拠です
つまり、米国の株式市場が世界中のマネーを吸収している流れができ上がっているのです。
だからこそ、世界の株式パフォーマンスを上回ることができるのです。
そして、世界のパフォーマンスを上回るということは、3月23日以降、米国の株式が世界の株高を引っ張ってきたことを示しています。
「トレンドフォロー」は投資の基本です。
しかし、相場の流れに乗ることができても、勝負する場所を誤ると利益の差は大きく開いてしまうのです。
上のパフォーマンスチャートはこの点を端的に物語っています。
まとめ
前回から色々なことをお話してきました。これまでの話を簡単にまとめてみますね。
・3月23日にFEDが無制限の量的緩和政策を決定しから、世界の株式市場は上昇するトレンドにあります
・しかしそのパフォーマンスには「差」が生まれ始めています。この「差」に注目することが重要です
・なぜならこの「差」こそが、あたなが勝負する場所を決める重要な指標となるからです
そして国や地域ごとのパフォーマンスを具体的な数値で見ると、米国の株式が圧倒的なパフォーマンスをたたき出していることがわかりました。
つまり現在、トレンドフォローのスタンスで勝負すべき場所は...
「米国の株式市場」という結論になるわけです。
Plan your trade → Trade your plan
勝負する場所が決まれば、あとはあなた自身の取引スタイルと戦略を決めるだけです。これらをひとことでまとめるならば「ルール化」となります。
例えば、このコメントで指摘した「逆指値」を必ず設定すること、中長期の視点で投資を考え「時間を味方に付ける」ことをルール化することです。
このルール化も投資の基本のひとつです。
しかし奥が深いと、idMの管理人ジェイはいつも思っています。
このことを示しているのが、ブログのキャッチフレーズです。
「Plan your trade → Trade your plan」
取引の計画を立てよう、そして計画に従って取引をしよう
日本語に訳すとこんな感じです。
この言葉の意味は深いです。深いが故に時間をかけてこの点についてもコメントしていきます。
今回は以上です。