『ナスダック指数すげー上昇だな!』
『GAFAの株価も相変わらず上昇してるな!』
米株に投資するなら『ハイテク株!』というトレンドは未だに続いています。
ハイテク株の中でも、もっか向かうところ敵なし状態となっているのが、『GAFA』を筆頭とした巨大IT企業です。
GAFAとは?
Amazon(A)-アマゾン
Facebook(F)-フェイスブック
Apple(A)-アップル
のことです。
GAFAのサービスは、今や私たちが生活するために、なくてはならない存在となっています。
特にコロナショック以降、GAFAのサービスの存在感は増すばかりです。
だから株価も上昇しているわけです。
しかし、ジェイはふと気になりました。
『ナスダック総合指数の異常な上昇を支えているGAFAはどこだろう?』
と。
異常なほどに上昇しているナスダック総合指数(以下ではナスダック)を支えているGAFAがあるとすれば『多くの投資家が将来性を見こして投資をしている』ということになります。
こういった視点で考えることで、今後は影響を与えているGAFA銘柄を中心にナスダックのトレンドを予測するひとつの方法となります。
そこで今回と次回は、プログラミング言語の『python』を使って...
についてみていきます。
結論
この記事の対象となる人
・pythonを使った分析に興味がある人
・GAFAに投資をしたいと考えている人
ナスダック指数とGAFAのパフォーマンス
パフォーマンスチャート
まずは、年初来からのナスダックとGAFAのパフォーマンスを確認しましょう。
アマゾン(AMZN)株とアップル(AAPL)株の上昇率が抜きんでています。
ということは、GAFAの中でもアマゾン(AMZN)とアップル(AAPL)がナスダックの上昇をけん引しているのか?
もちろんその影響もあるでしょう。
しかし、株価の単位が違うことを考えると、単純にアマゾン(AMZN)株とアップル(AAPL)株がナスダックに大きな影響を与えているんだ!と考えるのはまだ早いです。
というか、pythonで分析する前にこの記事が終わってしまいます(笑
株価をスケーリングしよう
株価の単位が違いすぎる
影響力を考える上で重要なポイントは...
ということです。
ナスダックとGAFAの株価をみてみましょう。
それぞれで株価の単位がまったく違うことがわかります。
なので、3,000ドル台のアマゾン(AMZN)株が1ドル動いたときのショックと100ドル台のアップル(AAPL)株が1ドル動いたときのショックの大きさも、とうぜん違ってきます。
違うものを同じものとしてあつかうことはできません。
分析の結果がゆがんでしまうからです。
ではどうするのか?
答えは、株価の水準を『スケーリング』するのです。
スケーリングとは?
ケタの違う数字をそろえること。具体的には変化率や標準偏差でスケーリングをします。ケタをそろえることで、影響の度合いを等しくみることができます。
簡単に言えば...
『スケーリングして3,000ドルでも100ドルでも等しく影響の度合いをみましょうね』
ということです。
スケーリングにはいくつかの方法があります。
どの方法を選ぶかは『どういった分析をしたいのか?』によって決まります。
どういった分析を選ぶかは『何をしたいのか?』によって決まります。
ようは目的によってスケーリングの方法も変わってくる、ということです。
今回は...
『pythonを使ってGAFAがナスダックに与えるインパクトを調べたい』
というのが目的です。
よって、この目的に合った分析とスケーリングの方法を選ぶ必要があります。
今回選んだのはVARモデル
まずは、今回ジェイが選んだ分析方法は...
という方法です。
VARモデルって?
VARとは 、英語で書くと『Vector Auto Regressive』です。日本語ではベクトル自己回帰モデルと呼ばれています。時系列で並んだ複数のデータを用いて予測をするときによく使われるモデルです。
と説明してもわからないと思います。なので、今回の記事にそって上の文章を『翻訳』すると...
GAFAという4つの株価データを使って、ナスダックに最もおおきな影響を与えているGAFAの株価をみつけよう!
ということです。
では、さっそくpythonで分析してみましょう!
ナスダック指数とGAFAをpythonで分析
VARモデルの結果
ごちゃごちゃした数字がいっぱい並んでいますね。
でもね、見方はいたって簡単なんです。
まずタイトルの『Results for equation Nasdaq』は、ナスダックに影響を与えている変数はなに?という意味です。
ここでいう変数とは、ナスダック自身とGAFAです。
影響を与えているのか?いないのか?を確認するときは、一覧表の一番みぎはしにある『prob』という項目の数値をみます。
(※スマホの人は左へスワイプするとprobaがみれます)
『probが0.05(5%)以下ならば影響あり!』と判断します。
上の結果を見ると、今年に入ってからナスダックに影響を与えているのは...
『1日前のナスダック自身のみ』
ということがわかります。
『L1.Nasdaq』の『prob』のみが『0.003(0.3%)』と、5%以下となっているからです。
『L1.Nasdaq』とは前日のナスダック自身の株価を意味します。
そして隣の数値『0.685734』は、次の日にナスダックが動く値幅を予測した数値です。簡単に言えば上の結果は...
『前日のナスダックが1ポイント上昇すれば、次の日のナスダックは約0.69ポイント上昇する可能性がある』
と予測しているわけです。
一方、『L1.Nasdaq』以外の『prob』は、どれも0.05(5%)以上となっています。
5%以上の数値は『有意ではない水準』とみなされます。
今回の記事の内容でいえば『影響を与えていない』とみなされる、ということです。
なので、前の日にGAFAが上がった /下がったからといって、必ずしもナスダックに影響を与えているわけではない、ということを『有意ではない水準』は教えてくれています。
しかし、VARモデルでの分析はここで終わりじゃありません。
VARモデルの本当にすごいところは、別にあります。
ヒントは上でやった『スケーリング』にあります。
次回はこの点について説明しますね!
今回のまとめ
・VARモデルで分析してみよう
・一日前のナスダック自身からの影響しか確認できず
・しかしVARモデルの分析にはまだ続きある
今回は以上です!