『増配銘柄の王道!ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)で定期的に収益を得よう!』
前回の記事では、なんでジェイがザ コカ・コーラ カンパニー(KO)に投資をしているのか?その理由について書きました。
実は、ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)に投資をした理由は他にもあります。
その理由は、増配銘柄への投資だけに当てはまるものではありません。
株式の投資全般においてとても重要なことです。
今日はこの点についてお話します。
結論
・銘柄の選択に迷ったらキャッシュ・リッチな企業に投資をしよう
この記事の対象となる人
フリーキャッシュフローに注目しよう
キャッシュ・リッチな企業に投資をしよう
投資の経験がない人や浅い人によく見られるのが、いざ投資をする際に銘柄の選択で迷う姿です。
これは仕方のないことです。
なぜなら、プロもチームを組んで『あの企業が良い』『いや、あっちの企業の方が良い』と、職場で常に話し合っているからです。
プロでさえこうなんだから、プロじゃないあなたが迷うなんてことは当たり前のことです。
しかし、悩み過ぎるのは問題ですね。なぜなら時間を無駄にして、絶好の投資チャンスを逃してしまうからです。
では、どの点に注目して銘柄を選択すればよいのでしょうか?
結論から書きます。
銘柄の選択に迷ったら、まずは...
を確認してください。
その企業がキャッシュ・リッチかどうかは、『フリーキャッシュフロー』という指標でみます。
ちなみに『フリーキャッシュフロー』とは文字通り...
②お金(キャッシュ)の
③流れ(フロー)
という意味です。
ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)のキャッシュ・リッチな企業
ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)は、とてもキャッシュ・リッチな企業なんです。
キャッシュ・リッチな企業とは、自由に使えるお金がたくさんあるということです。
キャッシュ・リッチの度合いを示す『フリーキャッシュフロー』で、ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)が本当にキャッシュ・リッチがどうか?を確認してみましょう。
ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)のフリーキャッシュフロー
増減の波はありますが、トランプ米政権が発足した2017年以降、常にプラスのフリーキャッシュ・フローを保っていることがわかります。
しかし、これだけではザ コカ・コーラ カンパニー(KO)が本当にキャッシュ・リッチかどうかを判別することはできません。
次はライバル企業-ペプシコ(PEP)とクラフト・ハインツ(KHC)との比較で見てみましょう。
ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)のライバル企業として、まっさきに思い浮かぶのが、ペプシマンのコマーシャルで有名な『ペプシコ(PEP)』です。日本では、3年ほど前に小栗旬さんの『桃太郎CM』が流れてましたね。
そして『クラフト・ハインツ(KHC)』は米国でも屈指の食品・飲料会社です。日本ではケチャップで有名ですよね。
これらライバル企業とザ コカ・コーラ カンパニー(KO)のフリーキャッシュ・フローを比較したチャートを見ると、赤い棒グラフのザ コカ・コーラ カンパニー(KO)のキャッシュ・リッチぶりが見て取れます。
今年はコロナショックにより急減しましたが、6月には3月時点の229Mドルから2,250Mドルと、たった3か月で約10倍のフリーキャッシュ・フローを積み上げています。
なぜ、ジェイはフリーキャッシュフローを重視するのか?
それは、フリーキャッシュフローが経営の優秀さをみる指標のひとつだからです。
以下で詳しくみていきましょう。
キャッシュフローってなに?
フリーキャッシュフローを理解するためには『キャッシュフロー』を理解する必要があります。
なんだか似たような用語が並んでいますが、ムズカシイことではありません。
ひとつひとつ見ていきましょう。
キャッシュフローとは、簡単にいえば『企業のお金の流れを示す指標』です。
企業にお金が入ってくることを『キャッシュインフロー』といいます。
逆に企業からお金が出ていくことを『キャッシュアウトフロー』といいます。
・何が重要なの?
キャッシュフローをみることで、その企業がちゃんとお金の流れを管理しているかどうか?を簡単に確認することができます。
キャッシュフローの管理をちゃんとしている企業は、常にキャッシュインフローがキャッシュアウトフローを上回る『プラスの状況』を維持しています。
キャッシュフローがプラスということは、企業の稼ぐ力(キャッシュイン)と投資(キャッシュアウト)のバランスをうまく保つことでビジネスを拡大していることを意味します。
・キャッシュフローのプラス/マイナスはどうやって計算するの?
まず、ある一定の期間を設定します。そして、その期間の終わり時点のキャッシュの額と始まり時点のキャッシュの額を差し引いて計算されます。
例えば月単位ですと以下のように計算します。
・月間のキャッシュフロー = 当月末キャッシュ - 前月末キャッシュ
例えば年単位ですと以下のように計算します。
・年間のキャッシュフロー = 当期末キャッシュ - 前期末キャッシュ
キャッシュフローで重要なことは『タイミング』です。なぜか?実際の例でみてみましょう。
キャッシュフローとタイミングの例
①:X社は100万である雑貨を現金で仕入れました
②:その仕入れた商品を200万円で売ることに成功しました
③:100万円(200万円ー100万円)の利益を得ることができました
④:100万円のうち『50万円は掛売り』のかたちをとりました。取引先はX社との間で、1か月後に50万円を支払う契約をしています。
上の例をひとつひとつ見てみましょう。
まず①の仕入れの代金100万円は、X社がお金を支払うので『キャッシュアウトフロー』です。
②と③の金額(200万円 / 100万円)は、X社が雑貨の商品を売って得たお金なので『キャッシュインフロー』です。
ここまでなら...
200万円(キャッシュインフロー)-100万円(キャッシュアウトフロー)
=プラス100万円のキャッシュフロー
と思われるかもしれません。
問題は④です。
『50万円は掛売り』とありますが、これは『今じゃなくて将来お金を支払うよ!という契約』です。今回の例での将来とは『1か月後』です。
つまり、雑貨の商品を売った時点では『将来の50万円』はキャッシュインフローとして計算されません。
だんだんみえてきましたね~
そう、雑貨の商品を売った時点で企業に入ってくるお金、キャッシュインフローは50万円のみなんです。残りの50万円は1か月後に入ってくる(予定)なので『タイムラグ』が生じ、なんとキャッシュフローはマイナスになってしまうのです。
計算式:
50万円(雑貨の商品を売った時点での収益=キャッシュインフロー)-100万円(仕入れコスト=キャッシュアウトフロー)
=-50万円(雑貨の商品を売った時点でのキャッシュフロー)
仕入れたコスト以上の金額で雑貨の商品を売り、利益をもうけても、企業が資金を受け取るタイミングにギャップがあると、キャッシュフローはマイナスになることがあります。
上の例でいえば、①雑貨の商品を売ったタイミングと②売掛金を回収したタイミングのギャップ、とうことです。
また、取引先が倒産でもしらた②のお金は入ってこないことになります。そうなると上での取引でのキャッシュフローはマイナスとして確定してしまいます。
キャッシュフローがマイナスになるということは、X社の使えるお金が減ることを意味します。
使えるお金が減ればビジネスの拡大に必要な投資の額が減り、X社の収益はさらに落ち込む可能性が高まります。
このようにキャッシュフローの状況を見ることは、その企業がお金の出入りの額とタイミングをきちんと管理しているかどうか?を確認するうえでとても重要なことなんです。
そしてキャッシュフロー全体の中でも、企業のお金が自由に使える度合いを示す指標が『フリーキャッシュフロー』なのです。
フリーキャッシュフローとは?
キャッシュフローは以下の項目で構成されています。
キャッシュフローの項目
②投資キャッシュフロー:投資活動の動きを示す
③財務キャッシュフロー:財務活動の動きを示す
そしてフリーキャッシュフローは、以下の式で計算されます。
フリーキャッシュフローの計算式
= 営業キャッシュフロー - 投資キャッシュフロー
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを簡単にいうと...
簡単にいえば、企業の営業活動によって増減するキャッシュフローのことです。言いかえれば、営業キャッシュフローは本業での資金の動きを示す指標です。
簡単にいえば、企業の投資活動によって増減するキャッシュフローのことです。設備投資や企業の買収といった投資活動の状況は、投資キャッシュフローをみることで簡単にわかります。
となります。
そう、フリーキャッシュフローというのは、
『本業での稼ぐ力のキャッシュインフローと投資で出ていくキャッシュアウトフローとのバランス』
を見る指標なんです。
なので、フリーキャッシュフローが常にプラスということは稼ぐ力とそれに見合った投資を常に続けている優良企業ということになります。
ここでもう一度、ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)とライバル企業のフリーキャッシュフローの状況を見てみましょう。
ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)とライバル企業のフリーキャッシュフロー
トランプ米政権が発足した2017年以降、ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)のフリーキャッシュフローは、一度もマイナスになったことがありません。
これは、ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)の経営陣が常にキャッシュインフローとキャッシュアウトフローのバランスをみながら経営していることを示しています。
言いかえれば、ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)の経営は優秀ということですね。
ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)は米国を代表する増配銘柄であり、価格が安定して推移しており、かつキャッシュ・リッチでもある。
米国株の投資で定期的に収益を得たい人にとって、ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)への投資は一度考えてみても良いでしょう。
今回のまとめ
・キャッシュ・リッチかどうかは『フリーキャッシュフロー』で判断する
・『フリーキャッシュフロー』が常にプラスの企業は『優秀な経営』の証
今回はちょっと難しかったですかね。しかし、株式の投資で(フリー)キャッシュフローは本当に重要な指標です。今回の記事がみなさんの助けになればうれしい限りです。
ではまた次回!