週明け月曜日の米国市場はレイバー・デー(Labor Day)でお休み。
火曜日から米国株の取引が再開しましたが、ハイテク株を中心に上値が重いですね。
そんな中、pythonで分析したクアルコム(QCOM)はどのポイントで買いを入れるべきか?
ジェイなりの分析で、いくつの買いポイントとを見ていきましょう。
結論
クアルコムの買いポイントは95ドルか100ドル
この記事の対象となる人
米国株のハイテク銘柄を買いたい人
クアルコムの将来性に期待している人
調整ムードのハイテク株
現在の米国株の上昇は、今年の4月から始まっています。
下のパフォーマンスチャートを確認すると、4月以降の上昇のスゴさがわかりますね。
米国株のパフォーマンス
中でも、ハイテク株のトレンドを反映するナスダック総合指数の上昇がずば抜けています。
つまり、現在の米国株の上昇はハイテク株に支えられている、ということです。
そのハイテク株ですが、今月に入るとGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)を中心に売り優勢となっています。
しかし今の下落は、これまで上昇し続けてきた反動であり、また上昇トレンドへ戻るとジェイ考えています。
その理由は以下の2つです。
・コロナショックでテクノロジーががあらゆる分野に浸透していく
クアルコム(QCOM) 目先の買いポイントは?
特に今年後半からは、5Gの時代が本格的に始まります。
クアルコム(QCOM)は、5G専用の通信技術や半導体の開発にいち早く力を入れている企業です。
また、マイクロソフト(MSFT)との提携や、訴訟合戦を繰り広げたアップル(AAPL)とも和解し、年内にも5G対応モデムを新型iPhone向けに提供することが決まっています。
今後の成長に期待が持てる企業と言えるでしょう。
そんなクアルコム(QCOM)の買いポイントをみてみましょう。
オプション市場が示すクアルコム(QCOM)のトレンド
さて、株式市場や外為市場には『オプション市場』という市場があります。
将来、クアルコム(QCOM)の株価がある価格に到達したら『買う』または『売る』権利を売買する市場のことです。買う権利のことを『コールオプション』といいます。売る権利のことを『プットオプション』といいます。
投資家の心理が強気にあるのか?それとも弱気にあるのか?をみる指標のひとつだからです。
例えば、コールオプションの方がプットオプションよりも多く売買されている場合、将来その銘柄が上昇することを投資家が意識していることになります。
一方、プットオプションの方がコールオプションよりも多く売買されている場合、将来その銘柄が下落することを投資家が意識していることになります。
では、実際にクアルコム(QCOM)のオプションの動向をみてみましょう。
今日時点でのデータでは、プットオプションの建玉残高がコールオプションの建玉残高を上回っています。
米国の株式市場ではクアルコム(QCOM)について弱気の見方が優勢となっていることがわかります。
ちなみに、コールとプットのオプション取引から投資家の心理を測る指標を
『プット・コール・レシオ』
といいます。
プット・コール・レシオは、プットオプション(売る権利)とコールオプション(買う権利)の建玉残高を元に投資家の心理が強気にあるのか?弱気にあるのか?をみる指標です。プットオプションの建玉残高をコールオプションの建玉残高で割って計算されます。
計算式:プットオプションの建玉残高÷コールオプションの建玉残高
・逆張りの指標としても活用できる
プット・コール・レシオが急激に上昇する場合は相場が底を打つシグナルと捉えます。逆に、急激に低下する場合は相場の下落シグナルとなります。
この記事を書いている時点でのクアルコム(QCOM)のプット・コール・レシオは『1.14(プット294,864÷コール258,633)』です。
この状況は、クアルコム(QCOM)がまだ下落する可能性があることを示唆しています。
チャートポイントで買いの水準を探ると
では、次に価格チャートを使ってクアルコム(QCOM)の買いポイントを探ってみましょう。
クアルコム(QCOM)の日足チャート①
日足のチャートを見ると、8月の上旬に2度ほど105ドルの水準で下値がサポートされています。
105ドルは、高値123.93からマイナス15.3%の水準にあたります。
買いを入れるには良い水準でしょう。
しかし、105ドル以上に気になるのが、7月31日に発生したチャートの空白です。
チャート上の空白を『窓』と呼ぶことがあります。
窓は、相当な売りや買いの圧力がないと発生しません。
それが発生したということは、上昇トレンドへ向け流れが変わったことを意味しています。
その時の安値『100.70ドル』でした。
ジェイは、こういったトレンド転換で発生した時の高値や安値のポイントを重視します。
そして今回は、移動平均線というテクニカル分析の指標も加えてみました。
ある一定期間の価格から終値の平均値を計算して、それをつなぎ合わせた折れ線グラフのことです。相場のトレンドを見るときに使われる最も代表的なテクニカル分析指標のひとつです。
期間は5日、10日、25日、75日、200日を用いるのが一般的です。
今回は25日と75日の移動平均線をチャートにプロットしてみました。
すると、25日の移動平均線を下抜けた後に今度は上値が抑えられていることがわかります。
こういった状況は地合いの弱さを示しています。
クアルコム(QCOM)の日足チャート②
次に75日の移動平均線を見ると『97.84ドル』の水準にあります。
上昇トレンドにあることを考えるならば、100ドル付近まで上昇するでしょう。
オプション市場ではプットの需要が増し、窓が発生した安値の水準が100.70であり、25日の移動平均線で上値が抑えられており、そして75日の移動平均線が100ドルより少し下で推移している...
これらの状況を総合的に考えるならば、ジェイは105ドルよりも『100ドル』で買いを仕掛ける方を選びます。
100ドル以下の買いポイントは?
『100ドル!? 日本円にすると1株買うのに1万600円!? 高いよ!』
と思う読者の方もいるでしょう。
では、100ドル以下で買うならどの水準でしょうか?
75日の移動平均線が推移している水準(97.84ドル)で仕掛ける手もあります。
しかし、ジェイならば『95ドル』で仕掛けます。
理由は、今年に入りこの水準が相場の価格の上昇を止める『レジスタンスポイント』として意識されてきたからです。
クアルコム(QCOM)の日足チャート③
価格の上昇が止まる水準のことをいいます。この水準は「相場が再び下落へ転じる」可能性がある水準と考えます。逆にレジスタンスポイントの突破に成功する場合は、相場の上昇圧力がさらに強まったと判断します。
・クアルコム(QCOM)の例でいうと?
今年に入りクアルコム(QCOM)は、この水準で価格の上昇が止まる局面が続きました。
しかし、上で述べたとおり7月31日に『窓』をあけて突破に成功すると、一気に123.93ドルまで上昇する展開となりました。
レジスタンスポイントがサポートポイントへ転換する場合があります。この転換は、相場の反転シグナルとなります。
7月31日に『窓』が出現して100ドル台の水準へ上昇するまで、『95ドル』は常に『レジスタンスポイント』として意識されてきました。
上でも書きましたが、レジスタンスポイントがサポートへ転換することがあります。
この転換は、価格が再び上昇へ転じるシグナルとなります。
また95ドルは、直近の高値123.93からマイナス23.3%下落した水準にあたります。
短い期間で相場が20%以上も下落するというのは、本当にまれです。
そのまれな現象が発生することは、イコール買いのシグナルとなります。
本当に安い水準を狙うなら、95ドルで指値の買いを入れておくのもありでしょう。
今回のまとめ
・105ドル、100ドル、95ドルの買いポイントがある
・100ドルは買いのポイント
・100ドルが高いと思う人は95ドルで買うのも手
今回は以上です。