今日は朝からさえない天気が続いています。
天気のように、米国の株価指数先物もさえない展開となっています。
まぁ、今日から決算シーズンが始まることを考えるならば、それも仕方のないことなんでしょうが。
その米企業決算は、短期的に米国株式のトレンドを左右するイベントです。
今回は、企業決算の注目点について考えてみます。
米国市場は決算シーズンへ突入 / 注目点は?
注目点その1:景気の見通しに注目
今日はJPモルガン(JPM)、シティグループ(C)そしてウェルズ・ファーゴ(WFC)といった米国の大手金融機関の決算が発表されます。
今回の米企業決算でまず注目したいのが...
景気の先行きについて、米国の企業がどのように考えているのか?この点です。
あれ?どのくらい利益を出しているのか...そっちの方が重要じゃないの?、と思う人がいるでしょう。
確かにこちらも重要です。
しかし、コロナショックにより企業の収益が落ち込むことは、すでに市場も想定しています。
よって、企業の収益自体は今回はあまり材料視されないとジェイは考えています。
では、企業の抱く景気の先行き-いわゆる景況感がなぜ重要なのか?それは...
企業の収益が落ち込んでいるのになぜ株価は上がるのか?
を考えればわかります。
企業の収益が落ち込むことはすでに市場で想定されています。さらに...
将来の景気が回復することも予想されているがゆえに、株価は上昇しているのです。
言い換えれば、現在の米国の株式は...期待先行で上昇トレンドを維持している、というわけす。
なので、この期待に影響を与える材料にフォーカスする必要があります。
その材料こそが...
景気の先行き=景況感、というわけです。
注目点その2:ハイテク株の動向
次に注目したいのが...
ハイテク株の動向、です。
このブログで何度も書いてきたとおり、現在の米株はハイテク株の上昇に支えられています。
しかし、そのハイテク株の水準はどう考えても高すぎます。
例えば割高と割安を測る指標株価収益率(PER)を見ると、優良なハイテク株で構成されているナスダック100指数のPERは、34倍にまで拡大しています。
また株価純資産倍率(PBR)も11倍を超えてきました。
ハイテク株の中には赤字から脱すことができないのに、株価だけは上昇しているという銘柄が多数あります。
また、ハイテク企業は設備や研究の分野に多額の投資を必要とすることから、フリーキャッシュ・フローのバランスが悪い企業もあります。
フリーキャッシュ・フローの詳細については、以下の記事をご覧ください。
景況感に左右されるハイテク株
現在は、米国の中央銀行にあたるFEDが「超」金融緩和政策を実行しており、これが株式市場で景気の回復期待を高めています。
しかし、6月の最後の週に入ると、経済指標の内容に米株が反応する地合いが見られるようになっています。
これは、政策期待だけでなく、景気の動向についても市場関係者が意識し始めていることのシグナル、とジェイは考えています。
政策相場だけを見てきた米株から、政策相場と景気の動向の両方を見る米株へシフトしているタイミングで...
多くの企業が景気の先行きに厳しい見方を示すならば
米国の株式市場では...
ハイテク株を中心に株高の調整圧力が高まる展開
が予想されます。
ハイテク株が崩れるならば、米株は上昇のけん引役を失います。
上昇のけん引役がいなくなれば、他のセクタ-にも売り圧力が高まるでしょう。
それでもコロナ銘柄は上昇トレンドを維持
もし今回の米企業決算で株高の調整が起こったら...
バイオ企業の株価はむしろ上昇する
とジェイは考えています。
なぜか?
ハイテク株の利益確定の売りで確保したマネーの流れ込む先が、バイオ企業以外に見当たらないからです。
特に、対新型コロナの治療薬やワクチンの開発でリードしているバイオ企業の株価は、多くの投資マネーを惹きつけると予想しています。
例えば...
ギリアド・サイエンシズ(GILD)は、レムデシビルという新型コロナウイルスの治療薬の開発で一歩リードしています。
また、バイオベンチャーのモデルナ(MRNA)は、新型コロナウイルスのワクチン開発で一歩リードしています。
これらバイオ企業はコロナ関連銘柄として、株高の調整局面でも上昇トレンドを維持すると予想しています。
まとめ
今回のまとめです。
- 今日から米国の株式市場は企業決算シーズンへ突入
- 企業が抱く景気の先行き-景況感に注目
- 株価の水準が高過ぎるハイテク株の動向にも注目
- 多くの企業が景気の先行きについて厳しい見方を示すならば、ハイテク株の下落が予想される
- 一方、コロナ銘柄として注目されている一部のバイオ株は株高の調整でも上昇しよう
以上です。