米国の株式投資に投資をする魅力は2つあります。それは...
・日本株と比べて高い配当を得ることができること=高配当
・米国や米国の企業が成長し続けていること =成長性
です。
「高配当」についてはこのこのブログを開始した時から、その魅力についてコメントしてきました。
「成長性」については、その国や地域の株式パフォーマンスを簡単に比較できる「株価指数」を用いて、米国や米国の企業の成長性を考えてきました。
しかし、成長性とひと言でいっても漠然としています。そもそも成長が期待できる企業ってどんな企業なの?どのようにして選べば良いの?
結論からいうと...
成長が期待できる企業の株式を「グロース株」という |
グロース株には4つの定義がある |
グロース株の投資は価格の上昇に期待する投資 |
ということです。
今日はこの「グロース株」についてお話します。
成長する企業といわれても
「勝負をするなら米国で」-
これが前回の結論でした。
でも米国で勝負(株式の投資)をするといっても、色々な企業があるよね...
その中から成長が期待できる企業を選ぶって言われても...
投資をしたことがない、もしくは経験の浅い人たちにとっては、こう感じるのは当たり前です。
そもそもどうやって選べば良いのか?その基準がわからないのに銘柄を選べと言われても、それは無理な話です。
しかし逆の見方をすれば、成長が期待できる銘柄の基準さえしっかりと覚えておけば、迷うことはないのです。
その基準とは....
グロース株(Growth Stock)
成長が期待できる企業の株式を「グロース株」と言います。
英語では成長を意味する「Growth」が使われています。
そして成長が期待できるかどうかを見極める基準は「グロース株」かどうか、この点を考えれば良いのです。
では、「グロース株」の定義とは?それは...
定義1 | 利益の急速な伸びが期待できる |
定義2 | PERと株価は高い状況にある |
定義3 | 暴落するリスクが高い |
定義4 | 配当がない |
以上の4つとなります。
ひとつひとつ見ていきましょう。
1 なんで利益が急速に伸びるの?
最初の「利益の急速な伸びが期待できる」とはどういうことでしょうか?
これは時代の変化と社会が求めるニーズの変化が大きく影響します。現在のコロナショックの世界を考えるとわかりやすいですね。
現在、私たちは人との接触が制限されています。
だかといって、仕事をしないわけにはいきません。
そこで注目されたのが「テレワーク」でした。
このテレワークで重要なことは、オフィスにいる時と同じようにオンラインで仕事ができることです。
これを実現するためには、画像や音声のスムーズな配信、データの管理やセキュリティの保護、さらにこれらを支える高性能な半導体と、多くのハイテクサービスや製品が必要とされます。
テクノロジーの進化とコロナ後の世界を考えると、テレワークの導入はどんどん加速していくでしょう。
つまりコロナショックによって...
1 | 新たなハイテクサービスの需要が急速に高まっている |
2 | この需要にこたえようとサービスを提供する企業のビジネスは急拡大する |
3 | ビジネスが急拡大するとその企業の利益が増える |
4 | 企業の利益が増えると企業の成長に対する期待が高まる |
5 | そして期待が高いほどその企業の株価が上昇する |
このような「黄金のサイクル」が現在出来上がっているわけです。
そしてこのサイクルにうまく乗った米国の企業がオンラインでコミュニケーションが取れるサービスを展開している「ZOOM(ZM)」でした。
実際に株価を見ると....
今年1月2日の株価は68.72ドルでした。
そして5月22日の株価は171.06ドルです。
たった5か月で株価は2.5倍上昇した計算になります。
これは利益の急速な伸びを多くの投資家が期待しているからです。
まさにグロース株の典型的な動きです。
2 なんでPERと株価が高いの?
次に「PERと株価は高い状況にある」についてお話します。
「PER」とは「株価収益率」のことでした。
これは、株価が割安なのか割高なのかを測る指標でした。グロース株はPERが高い傾向にあります。
なぜか? その理由は...
「投資家の期待のみで株価が上昇している」
からです。
PERの分母はEPSでした。EPSは企業が稼ぎ出す収益と深く関係しています。
分母の収益が上昇しないのに分子の株価だけが上昇すれば、PERの値が高いのは当然です。
実際にZOOM(ZM)のPERは、5月22日時点で1,960.57倍です。
割高の目安とされる20倍をはるかに上回っています。
この数値は期待の強さの表れでもあり、リスクでもあります。
そのリスクとは?
この点について次の定義で考えてみましょう。
3 なんで暴落のリスクが高いの?
次に「暴落するリスクが高い」についてお話します。
PERが高いということは、分子の株価が上昇しているか分母のEPS(企業の収益)が低下しているか、このどちらかです。
グロース株は投資家の期待を背景に分子の株価が上昇する銘柄であることを説明しました。
株価が高くなるのは良いことですが、収益の増加が伴っていない株価の上昇は、暴落のリスクを抱えた上昇となります。
なぜか?
結果が伴っていない株高は...
「バブル」
だからです。
バブルは日本語でいうところの「泡」です。
泡は一瞬にしてはじけます。
株価のバブルがはじけるきっかけは、「実態が伴っていないよね...」と多くの投資家が思い始めた時です。
1700年代以降、株式市場では何度も大きなバブルが発生しました。
これらに共通しているのは「実態の伴っていない価格の上昇」でした。
1600年代前半にオランダで発生した「チューリップバブル」はみなさんもご存じかと思います。
これは世界最初のバブルと言われています。
4 なんで配当がないの?
最後に「配当はない」についてお話します。
配当とはなにか?
それは企業が稼いだ収益を投資家に分配するお金のことです。
つまり、収益を稼げなければ配当を出すことができないのです。
成長が期待できる企業のほとんどは新興企業です。
いわゆる「ベンチャー企業」ですね。これらの企業は資本力がありません。だから「我々は急速に成長します!」という期待だけを武器に株式市場でお金を集めるのです。
集めたお金で収益を増やすことができれば、配当を出すでしょう。
しかし、そうなるまでには時間がかかります。
だからグロース株には配当がない銘柄が多いのです。
よって、グロース株への投資を考えるならば、価格の上昇のみにフォーカスしたあなたの投資戦略を考える必要があります。
まとめ
ここまでの話をまとめると....
成長性が期待できる企業の株を「グロース株」という |
グロース株には4つの定義がある |
4つの定義に照らすと「価格の上昇のみにフォーカス」する戦略が適切 |
以上です。