『米株が下落している今こそ成長が期待できるハイテク株を買いたい』
米国には魅力的なハイテク企業がたくさんあります。
そして今は、ハイテク株のトレンドを示すナスダック指数は反落する展開となっています。
なので、米国のハイテク株を買いたいと考える読者の方は多いでしょう。
そこで今回は、ジェイが注目している『アバララ(AVLR)』というフィンテック企業は買いなのか?買いならばその水準は?さらに損失をコントロールする方法は?
これらの点について考えてみます。
結論
短期決戦の買いと損切の売りを心掛けよう
この記事の対象となる人
米国のハイテク株を買いたい人
アバララってどんな企業?
まずはアバララという企業について簡単に説明します。
税金に関する複雑な問題をクラウドベースのソフトウェアで解決するサービスを提供している米国のフィンテック企業
以前にもアバララ(AVLR)について書いた記事があります。この時は118ドルでアバララ(AVLR)の株価が反発するということを書きました。9月に140ドルを超える水準まで上昇しました。
興味のある方はご覧ください。
キーワードは『クラウド』
アフターコロナの時代は、急速かつ確実にテクノロジーが私たちの生活に広がっていきます。
キーワードは『クラウド』です。最近、このクラウドという言葉を聞くことが多くなりましたね。
しかし、クラウドってなに?と聞かれると、うまく説明できない人がいると思います。
クラウドとは簡単にいえば...
クラウドとは、『クラウドコンピューティング』ともいいます。簡単にいうと、複数のコンピューターをつないでデータを送受信するネットワークを利用して、コンピューターのリソースを利用するサービスのことをいいます
利点1:初期のコストが少なく済むこと
利点2:クラウドのサービスを提供している企業と契約すれば、すぐにそのサービスを利用することができること
利点3:データを保存・運用するサーバーの増減をビジネスの状況に合わせて柔軟に決めることができること
上の利点にいち早く気が付いたアマゾン(AMZN)は、ライバル企業に先がけてクラウドサービス『Amazon Web Serviceis』を始めました。
そして、今年の7月30日に発表された決算では、第2四半期でのAWSが営業利益は33億6000万ドルと、最も多くの営業利益を生み出すビジネスへと成長しました。
アマゾンに限らず、ハイテク企業ではクラウドサービスを提供している企業の株価がより上昇する傾向にあります。
アバララ(AVLR)も、その中の企業のひとつなのです。
アバララは買いなのか?
では、アバララ(AVLR)の株は買いなのか?
ジェイは買いだと思っています。
しかし2つの条件付きです。
まずは、アバララ(AVLR)を買いと考えている理由は以下のとおりです。
1:クラウドサービスの企業であること
2:115ドルで底堅さを維持していること
3:オプション市場での強気の見方が優勢であること
クラウドサービス企業の成長性に期待
ジェイがアバララ(AVLR)の株を買いと考える理由のひとつは、上で述べたようにクラウドサービスの企業であることです。
これは簡単な話です。
株式の投資では、常に『先を予測して』投資先を選ぶことが重要です。
『先を予測する』ことを別の言い方でいうならば、『時代の流れるに乗れる企業かどうか?を考える』ということです。
この観点で考えるならば、アバララ(AVLR)は確実に時代の流れに乗っているフィンテック企業といえます。
115ドルで底堅さが増している
次に投資の基本となるチャートをみてみましょう。
注目して欲しいのは『115ドル』の水準で相場がサポートされていることです。
このように何度も相場をサポートしている水準を『サポートポイント』といいます。
同じ水準で何度も相場の下落を止めている水準のことです
今度はもう少し期間の長いチャートを見てみましょう。
上のチャートは今年4月以降からとなります。
今年の6月以降、115ドルの水準がレンジ相場の下限となって、アバララ(AVLR)の株をサポートしていることがわかります。
今月17日と18日にこのレンジの下限を目指す展開が見られました。しかし、いずれも115ドルでサポートされ底堅さを維持しています。
ハイテク株の指標となるナスダック指数は現在、上値の重い状況へ転じています。
それでもアバララ(AVLR)の価格が底堅さを維持しているということは、同社の株価が短期的に上昇する可能性を多くの投資家が意識していることになります。
アバララ(AVLR)に対する投資家の強気スタンスは、投資家の心理を反映するオプション市場の動向にも表れています。
アバララに強気のオプション市場
投資家の心理を反映する指標のひとつにオプション市場があります。
将来、アバララ(AVLR)の株価がある価格に到達したら『買う』または『売る』権利を売買する市場のことです。買う権利のことを『コールオプション』といいます。売る権利のことを『プットオプション』といいます。
簡単にいえば、株式を買う権利や売る権利のことをオプションといいます。
では、どうしたらオプションの動向で投資家の心理がわかるのでしょうか?
それは『プット・コール・レシオ』という指標をみることです。
プット・コール・レシオは、プットオプション(売る権利)とコールオプション(買う権利)の建玉残高を元に、投資家の心理が強気にあるのか?弱気にあるのか?をみる指標です。
プットオプションの建玉残高をコールオプションの建玉残高で割って計算されます。
計算式:プットオプションの建玉残高÷コールオプションの建玉残高
・逆張りの指標としても活用できる
プット・コール・レシオが急激に上昇する場合は相場が底を打つシグナルと捉えます。逆に、急激に低下する場合は相場の下落シグナルとなります。
コールオプションとは、将来株価が上昇すると考える時に買うオプションです。つまり、コールオプションの建玉残高が多いということは、それだけアバララ(AVLR)の株価が上昇すると考えている投資家が多いということになります。
一方、プットオプションとは、将来株価が下落すると思う時に買うオプションです。なので、プットオプションの建玉残高が多いということは、それだけアバララ(AVLR)の株価が下落すると考えている投資家が多いということになります。
では、今月18日時点のコールオプションとプットオプションの建玉残高をみてみましょう。
オプションの建玉残高
上のデータをプット・コール・レシオの計算式にあてはめると...
29(プットオプションの建玉残高)÷655(コールオプションの建玉残高)
=0.04(プット・コール・レシオ)
となります。
オプション市場に参加している投資家は、アバララ(AVLR)の株について強気の見方を示していることがわかります。
今年の7月以降、140ドルの水準付近で上値が何度も抑えられていることを考えると、利益が取れる値幅は最大で約25ドル前後と予想できます。
この額に魅力を感じるならば、115ドル前後の水準でアバララ(AVLR)の買いを仕掛けるのもひとつの手です。
しかし、115ドルの買いには急落リスクもともなうとジェイは考えています。
急落するリスクも考えよう
アバララ(AVLR)は、今後も発展するフィンテック企業だとジェイは考えています。
しかし、このタイミングでアバララ(AVLR)を買うにはリスクが伴います。
そのリスクとは『急落するリスク』です。
ジェイはなぜ急落するリスクを意識しているのでしょうか?
その理由は2つあります。
急落リスクその1
まずはサポートポイントをブレイクするリスクです。
115ドルは確かに相場をサポートしています。しかし底が堅い(かたい)だけに、一度下抜けると下落幅が拡大するという展開がよくあります。
『115ドルは買いのポイントであると同時に急落リスクを高めるポイントでもある』
この点を意識することが重要でしょう。
急落リスクその2
ジェイが急落リスクを意識する理由その2は、オプションの動向です。
すでにオプションの動向については...
と述べました。
しかし『過ぎたるは及ばざるがごとし』ということわざがあるとおり...
ともいえるのです。
過熱感を見極めるための明確な水準はありませんが、コールオプションが買われ過ぎて、プット・コール・レシオが『0.1』を下回ると、相場に過熱感が出ているという警戒感が高まりやすいと言われています。
今月18日時点のアバララ(AVLR)のプット・コール・レシオは『0.04』です。
相場の過熱感を意識すべき水準にあるといえます。
短期買いと損切の売り
アバララ(AVLR)の成長性と115ドル前後で反発し続けていることを重視して、同社の株を買うのはありだと思います。
しかしその買いは、利益を確定できる水準に上昇したらすぐに清算することを心掛ける必要があります。
上でものべたように、急落のリスクがあるからです。
今の状況でアバララ(AVLR)の株を買うことは...
『短期決戦の買い』
だとジェイは考えています。
そして、買った後に115ドルを完全に下抜けるリスクも考えるならば...
『損切りの売り』
を保有したアバララ(AVLR)の買いポジションに付けておくことが重要です。
損切の水準については、ご自身が『耐えることのできるげらくの水準』(例えば105ドルとか100ドル)で設定することになります。
今回のまとめ
・115ドル付近で買いを仕掛けるのもひとつの手である
・115ドルを完全に下抜けると下落幅が拡大する可能性が高まる
・アバララ(AVLR)株を115ドルで買うならば...
『短期決戦の買い』と『損切の売り』を意識することが重要となる
今回は以上です。