今日は久々の朝散歩で始まりました。
やはり、早朝の空気は体に良いですね。仕事の進み具合が先週とは全然違います!
さて、進み具合と言えば、外為市場に参加している投資家は今、EU首脳会議の動向に注目しています。
今回の議題はコロナショックで傷んだ欧州の経済を復興させるための基金の創設です。
しかし、各国の立場の違いから議論が紛糾し全然前に進まない状況が続いています。
この状況は、欧州の株式と通貨ユーロにとってネガティブな要因です。
そのユーロですが、実は5月の中旬以降、株式との連動性が高まっています。
今日は株式とユーロの関係についてみていきましょう!
ユーロ相場も株式にらみの展開
株式の影響が高まるユーロドル
現在の外為市場は、株式のトレンドに影響される展開となっています。
本来であれば金利の影響の方が強いのですが、いかんせん世界的な金融緩和の影響で債券市場が市場としての機能を失っています。
特に米国の債券市場はほとんどクラッシュ状態、と言っていいほど、金利の動きがありません。
なので「株式にらみの外為市場」という流れが出来上がっているわけです。
この点をより具体的みると...
・株高⇒米ドル安
・株安⇒米ドル高
という流れが出来上がっています。
なぜこのような流れになっているいのか?その詳細については、以下のコメントをご覧ください。
上の流れにいち早く乗ったのが、豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨でした。
実際に対米ドルでのパフォーマンスチャートを見てみましょう。
豪ドルはAUD、NZドルはNZDそしてユーロはEURとなります。
4月以降、オセアニア通貨は対米ドルで上昇トレンドを維持していることがわかります。
そして今回のテーマであるユーロを見ると、遅ればせながら5月の中旬からユーロ高/米ドル安の展開となっています。
5月中旬は、米国をはじめとした世界の主要な国々が経済活動の制限を緩和した時期と重なります。
そう、株高の圧力がさらに高まると同時に米ドル安の圧力も高まり、ユーロドルはこのトレンドにようやく乗り始めた、というわけです。
もう一段のユーロ高に必要なこと
ユーロドルは、外為市場で最も取引の量が多い通貨ペアです。
なので、米ドル相場のトレンドに大きな影響を与えます。
そのユーロドルですが、ここまでは「株高⇒米ドル安」のトレンドにサポートされ、上昇トレンドを維持してきました。
しかしチャートを見ると、先週から1.14台で上値の重い状況が続いています。
この状況は、「株高⇒米ドル安」のみでは、今の水準よりも上昇するのは難しいことを示しています。
では、もう一段の上昇には何が必要なのか?
それは米ドル安の材料ではなく、ユーロを買う材料です。
目先のユーロ買い要因は?
では、そのユーロ買い要因として目先注目すべきことは何か?
それが冒頭でお話したEU首脳会議です。
今回の会議は、コロナショックにより傷んだ欧州の経済を復興させるための基金を創設するために開かれています。
本来であれば6月の会議で決定すべきことだったのですが、倹約4か国と言われているオーストラリア、オランダ、デンマークそしてスウェーデンがあることに反対しているのです。
そのあることとは、総額7500億ユーロのうち返済の必要ない補助金の額のことです。
最新の報道では当初の5000億ユーロから3500億ユーロに減額する案が話し合われているみたいですが、この額でも倹約4か国は納得していないようなのです。
6月の会議に続き、今回の会議でも交渉が決裂すれば、ユーロドルには売り圧力が高まるとジェイは予想しています。
一方、復興基金の創設で何とか合意にたどり着けば、欧州の株式市場は上昇するでしょう。
その影響は米株にも波及するでしょう。
そして外為市場では、復興基金の合意によるユーロ買いと株高による米ドル売りという2つの要因が合わさることになります。
ユーロドルは3月の上旬にトライした節目の1.15レベルを視野に、もう一段のユーロ高という展開を予想しています。
日経新聞の報道では、今夜も延長して協議を続けるとのことです。
こんな時、私たちのような個人投資家は、じっと待つ以外に方法はありません。
さて結末は?
まとめ
今回のまとめです。
- ユーロドルも株式にらみの展開となってきた
- ユーロドルは「株高⇒米ドル安」のながれにのって1.14台まで上昇中
- もう一段のユーロ高にはユーロを買う材料が必要
- その材料はEU首脳会議と復興基金の創設で合意すること
以上です。