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でも5月の下落を考えると、このトレンドが続くか正直不安です。
ジェイさんが6月に注目していることってなんですか?
早いもので5月も終わりですね。
今日から事実上『6月相場』となります。
今月の米株(アメリカ株)は、インフレの加速が意識されて、一時下落する局面がありました。
今は堅調さを取り戻して最高値圏での攻防が続いています。
では、6月も株高トレンドを維持できるのか?維持するならばその要因は何か?
今回と次回では、6月に注目すべき焦点についてお話します。
今回のテーマ
6月に注目すべきこと
この記事の対象となる人
こんな人におすすめ
- 米国株の投資に興味がある人
- 株式投資の経験がない人/浅い人
結論からいいます
結論
- 市場の関心はインフレから”雇用”へシフト
- まずは5月の米雇用統計に注目
市場の関心はインフレから”雇用”へシフト
6月の焦点を考える上で重要なことは、市場の関心が今どこにあるか?を見極めることです。
この点を考える上で重要となってくるのがー
アメリカ長期金利の動き
です。なぜか?
それは今年に入り、米国株や米ドル相場が金利にらみの展開となっているからです。
ということは、アメリカの長期金利(以下では米金利)がどのような材料で動いているのか?を考えることが重要になってきます。
5月まではインフレが意識されていた
結論から言いますと、5月までは物価の動向、いわゆるインフレが加速するのでは?ということが米国の債券市場で意識されていました。
このため、米金利は1.7%台の水準まで上昇する局面が何度も見られました。
しかし、市場が予想するインフレ期待は、5月に入るとひとまずピークアウトしていることがわかります。
期待インフレ率が低下している状況は、将来の景気回復に見合ったインフレの水準をようやく織り込んできたことを示す動きです。
インフレ期待が落ち着いていることで、米金利は1.5~1.7%のレンジ内で上下に振れる展開となってます。
つまり、5月まで米金利の変動要因だったインフレは、材料としての”旬”が一度去ってしまった状況にあることを上のチャートは示しているというわけです。
6月以降は”雇用”がテーマに
では、インフレに代わる新たなテーマとしてこれから注目すべきはどんなことでしょうか?
それは以下のことです。
雇用の情勢
なぜ雇用が重要なのか?
5月は、アメリカの中央銀行にあたる組織『FED』が現在行っている大規模な資産の購入-いわゆる『量的緩和政策』を近々縮小するのでは?という記事が多く見られました。
量的緩和政策は、昨年から続く米国株の上昇トレンドを支える重要な ”柱” です。
その柱が崩れるとなれば、昨年から続いてきた上昇トレンドが転換する可能性がある、というわけです。
もちろんFEDだってそんなことは十分わかっています。
なので、量的緩和政策の縮小、一般的に『テーパリング』といわれている緩和の縮小策を始める前に、テーパリングの条件を満たしたので始めると、言ってくるはずです。
その条件とは?それはー
雇用市場の十分な改善
です。
なぜ雇用がテーパリング開始の条件になるのか?
それは、FEDの二大目標のうちのひとつだからです。
FEDの二大目標
- 物価の安定
- 雇用の最大化
一般的に、各国の中央銀行は一番目の『物価の安定』のみを目標としています。
しかし、FEDは『雇用の最大化』も目標に掲げる世界でも珍しい中央銀行です。
目標として設定している以上、その目標を達成できる目途がたったぜ!とFEDが考える時点で、政策の転換シグナル、そうテーパリングのシグナルを発信してくるとジェイは予想しています。
まずは5月の雇用統計に注目
このように考えると、6月以降は雇用関連の指標に注目、ということになります。
その中でも、市場参加者の注目度が高いのが以下の指標です。
雇用統計
雇用統計とは?
・アメリカの雇用情勢を示す代表的な統計
・原則、毎月第1金曜日にアメリカ労働省から発表される
・アメリカの景気動向を考えるうえで最も重要な経済指標のひとつ
雇用統計は、以下3つの項目で構成されています。
雇用統計の項目
- 非農業部門雇用者数(NFP)
- 失業率
- 平均賃金
どれも重要な項目ですが、コロナショック以降は、上2つの項目により注目が集まっています。
なお、NFPはNonFarm Payrolls(非農業部門の雇用)の略です。
5月雇用統計の市場予想
今回注目されるのは、6月4日(金)の21時半に発表される5月雇用統計です。
市場予想を確認してみましょう。カッコ内の数値は4月の結果です。
今回の予想
- NFP:65.0万人(26.6万人)
- 失業率:5.9%(6.1%)
- 平均賃金:1.6%(0.3%)
NFPと失業率は前月比、平均賃金は前年同月比となります。
良い雇用統計は米株にとって悪いこと?
上の予想値を見ると、4月と比べて5月は雇用の改善が見込まれていることがわかります。
予想通りに労働市場が改善するならば、それはアメリカ経済にとって良いことです。
米企業が雇用を増やしているということは、持続的な景気回復のシグナルだからです。
しかし、アメリカ経済にとって良いことが、米国株にとって良いこととは限りません。
なぜか?それはー
今の米国株は金融緩和政策に支えらている
からです。
金融緩和政策とは、上で述べた『量的緩和政策』のことです。
そう、今の株高トレンドを支えている”柱”のことです。
なので、今回の雇用統計で雇用情勢が改善していることが確認されれば、アメリカの株式市場に参加している投資家がー
警戒!
近い将来、FEDがテーパリングを開始するのでは??
という警戒心を抱く可能性があります。
この警戒心が高まることは、株高トレンドの ”柱” が揺れることを意味します。
そう、良好な雇用統計は米国株の下落要因となる可能性があるというわけです。
よって、今回の雇用統計が市場予想を上回る場合ー
米国株の反応は?
- 下落で反応
- 上昇で反応
- 横ばいで反応
上のうち、どんな反応を示すのか?
この点が、とても重要になってくるのです。
もし、良好な雇用統計に米株(アメリカ株)が下落で反応する場合、6月以降は『テーパリング』のリスクを意識した不安定な相場になる可能性を意識した方が良いでしょう。
まとめ
・米国株の焦点はインフレから”雇用”へシフト
・6月以降は雇用関連の指標に注目
・強い雇用統計は米株の下落圧力を高める可能性がある
注記事項
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