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米株は上がるのになぜ米ドルは下がる?

米国の株式(以下米株)をはじめ、世界の株式市場は相変わらずの強さですね。

今日も日本株は上昇しています。
アジア時間の米株もプラス圏で推移する局面が多く見られました。

一方、昨日の米ドルですが、日本円やユーロといった主要な通貨に対して下落しました。

それだけではありません。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く新興国の通貨に対しても下落したのです。

株式は上がるのに、なぜ米ドルは売られるのでしょうか?不可思議ですね。

しかし、不可思議に見える動きの中にも実は「ちゃんとした理由がある」

前回のコメントは、この言葉で絞めました。
そこで今回は...

株式は上がるのになんで米ドルは下がるのか?

という不可思議な動きとその理由について考えてみたいと思います。

今回のキーポイント

今回のキーポイントは以下となります。

FEDの無制限緩和により米ドルが大量に供給されている
大量に供給された米ドルは世界の株式市場へ流れている
米ドルの量が急激に増加したことで米ドルの価値が減価している

さて、ひとつひとつ見ていきましょう。

FEDが釣り上げている株価

米株をはじめとした世界の株式市場が上昇する理由と、米ドルが下落する理由...これらの根底にあるのは...

パウエルFRB(FED)による無制限緩和

です。

無制限緩和とは、FEDがある資産を購入して、その代金として米ドルを市場に支払うことです。

米ドルを支払うということは、米ドルを市場に供給していることを意味します。

では、市場に供給された米ドルはどこに流れるのでしょうか?

それが株式市場です。

では、なぜ株式市場に米ドルが流れるのか?それは他に投資する市場がないからです。

例えば、米国という国が発行する債券が取引される債券市場の動向を見てみましょう

ちなみに米国の債券市場は、市場規模が17兆ドル(約1830兆円)規模と世界でも類を見ないほどの大きな市場-FEDが無制限に供給する米ドルの受け皿となり得るほどの大きな市場規模です。

また、国が発行する債券のことを「国債」といいます。

国債は、投資できる期間が色々と設定されています。
例えば、2年とか5年とか。

今回は景気の動向を反映する10年物国債を採用します。

そして、国債の動向を見るときは「金利」を軸に考えます。

では、実際にチャートで金利の動向を確認しましょう。

米国の10年債利回り

以下のチャートは、米国が発行する10年物の国債の金利です。

日足(2020年2月1日以降)

国債の価格と金利は反比例の関係にあります。つまり...

金利が上昇金利が低下
価格が下落価格が上昇

という関係です。

ひとめ見てわかる通り、10年国債の金利は0.6%-0.8%の狭いレンジでなぎ状態となっています。この状況が示していることは...

コロナショックで経済の先行きがわからない
だからなるべくリスクの低い資産を買いたい
リスクの低い資産の代表格は米国の国債だ
しかし今の価格は最高値圏!高すぎる!
なら米国債を買うのはやめて他の資産を買うしかない...

ということです。

そして、このことは他の市場にも言えることです。

例えば、前回のコメントで格付けの低い社債についてお話しました。

現在は、78ドルから82ドルという非常に狭いレンジで売り買いが交錯していましたね

狭いレンジで売り買いが交錯するということは、売買が活発に行われていないことを示しています。

こうして行き場に困った米ドルというお金は色々とさ迷い続け、結局、上昇が見込める株式市場にワッと流れ込んでいるのです。言い換えれば...

現在の株価はFEDによって釣り上げられている

ということです。

だから経済の実態を反映しない水準まで株価が上昇し続けているのです。

FEDによって吊り下げられた米ドル

コロナショックで経済がまずい状況でも、株価だけが上昇する理由はわかりました。

それならば米株の上昇に連れて、米ドルが上昇してもおかしくないはずです。しかし、現実は全くの逆です。なぜか?この答にもFEDが関わってきます。端的に言いますと...

現在の米ドルの価格はFEDによって吊り下げされている

ということです。

米ドル安の背景

モノの量が増えるということは、そのモノが簡単に買えるということです。

簡単に買えるということは、そのモノの価値は低くなります。

それは通貨も同じです。

つまり...

FEDの無制限緩和により現在は米ドルが大量に供給されている
大量に供給されるから米ドルの価値は当然下がり続ける
価値が下がり続ける米ドルを保有しておくメリットはない
だったらFEDがくれた米ドルを投資資金として使おう
しかし現在は投資する市場が限られている
よし今は上昇が見込める株式でも買っておこうか

こうやって価値の下がる米ドルを売って、その売ったお金を元手にして、世界中の株式を買う構図が出来上がっているわけです。

あなたはどこの国の株式に注目する?

今後米ドル安がさらに進行する場合、あなたはどこの国や地域の株式市場が上昇すると思いますか?

idMの管理人ジェイは、新興国の株式市場に注目しています。

その理由は...

現在の状況期待される展開
他国と比較して上昇幅が限定的上昇幅の拡大が期待できる
中国経済と資源価格の回復新興国経済の回復

にあると考えているからです。

米株はすでに高い水準にあります。

しかし、新興国の株式は米株に追随できず出遅れ感が目立ちます。

実際にチャートで確認してみましょう。

日足(2020年3月20以降)/ 基準日:2020年3月20日 / 基準値:100

上のチャートはMSCIの株価指数チャートです。MSCIについての詳細はこちらのコメントをご覧ください。

3月23日にFEDが無制限緩和を決定して以降、米株(US)も新興国の株式(Emerging)も上昇しています。

しかし、一目瞭然で新興国の株式の出遅れ感が目立ちます。言い換えれば現在の状況は...

新興国の株式は米株よりも上昇の余地が大きい

ということです。

よって、これから新興国の株式が上昇ムードをさらに高めるばらば、米ドル安はさらに加速するとジェイは予想しています。

まとめ

今回のまとめです。

現在FEDは無制限に米ドルを市場に供給している
供給された米ドルは価値が下がると思われている
投資家は米ドルを投資の資金と考えている
米ドルが世界の株式市場に流れ込んでいる
今後は新興国の株式市場の動向に注目

以上です。

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